テーラーメイドのP770アイアンの2023年モデルとP790アイアンの2021年モデルについて、違いを解説します。
P770アイアン 2023とP790アイアン 2021の概要
P770アイアンとP790アイアンは、テーラーメイドのアスリート向けアイアン「Pシリーズ」のアイアンです。
どちらも人気のモデルのため、リニューアルが重ねられていて、当記事執筆時点の最新モデルは、共に3代目となっています。
モデル | P770 | P790 |
---|---|---|
発売年 | 2023年(3代目) | 2021年(3代目) |
形状 | 中空構造 | 中空構造 |
ボディ素材 | 軟鉄8620 | 軟鉄8620 |
ボディ製法 | 鍛造 | 鍛造 |
フェース素材 | クロモリ鋼 | クロモリ鋼 |
フェース製法 | 鍛造 | 鍛造 |
モデル名の中に含まれている数字はブレード長を表していて、P770アイアンは77mm、P790アイアンは79mmとなりますので、P790アイアンの方がヘッドサイズが大きく、やさしいアイアンとなります。
なお、P770アイアンの3代目は2023年にリリースされましたが、P790アイアンの3代目は2021年にリリースされていますので、そろそろ4代目が出てもおかしくないタイミングではあります。
P770アイアン 2023とP790アイアン 2021の違いを比較
番手・ロフト角の違い
番手 | P770 | P790 |
---|---|---|
#3 | 19.5° | 19° |
#4 | 22.5° | 21° |
#5 | 25.5° | 23.5° |
#6 | 29° | 26.5° |
#7 | 33° | 30.5° |
#8 | 37° | 35° |
#9 | 41° | 40° |
PW | 46° | 45° |
どちらのアイアンも3番アイアンからPWまであり、番手の種類は同じです(ちなみにUSモデルではAWが加わります)。
ロフト角については、全ての番手で異なっていて、P790アイアンの方が全体的に立たせてあります。
7番アイアンで比較すると、P770の33°に対して、P790は30.5°となっています。アスリート向けとしては、P790はロフトが立っていますので、飛距離性能を意図的に高めてあります。
P790アイアンは、年齢と共に飛距離が落ちてきた方、クラブに飛距離性能を頼りたい方に適しています。
一方、P770アイアンの方は、しっかり高さを出して狙いに行けるスペックになっていますが、中空構造による最適重心設計により、軟鉄一枚物のアイアンには無いやさしさが備わっています。
テクノロジー・弾道の違い
モデル | P770 | P790 |
---|---|---|
L字型フェース | 〇 | 〇 |
スピードポケット | 〇 | 〇 |
タングステン | 〇 | 〇 |
スピードフォーム | 〇 | 〇 |
打ち出し | 中 | 低~中 |
スピン量 | 中 | 低~中 |
飛距離性能 | 4.0 | 5.0 |
寛容性 | 3.0 | 4.0 |
操作性 | 4.0 | 3.5 |
こちらは、テーラーメイドのUSサイトで紹介されている内容も取り入れながら、P770とP790のテクノロジー・弾道の違いを整理したものです。
Pシリーズアイアンの中で、P770とP790の2機種のみが中空構造を採用していて、構造だけでなく、搭載テクノロジーもほぼ同じ内容になっています。
弾道については、P770アイアンの方が小ぶりでフェースが寝ていて操作感があり、P790の方が寛容性と飛距離性能を備えています。
ヘッド形状の違い
正面からみた形状は、同じ中空構造が採用されているだけあって似ています。
映像を見る限り、P790アイアンの方がリーディングエッジが丸みを帯びていて、やさしく扱えそうな印象を与えてくれます。
ネックに関しては、左のP770の方がストレートな形状になっています。オートマチックなつかまりを抑えて、意図したなりの弾道を繰り出しやすくなっています。
▼USモデルのオフセット値
番手 | P770 | P790 |
---|---|---|
3 | 3.3mm | 3.5mm |
4 | 3.0mm | 3.4mm |
5 | 2.8mm | 3.1mm |
6 | 2.6mm | 2.9mm |
7 | 2.4mm | 2.7mm |
8 | 2.2mm | 2.4mm |
9 | 1.9mm | 2.1mm |
PW | 1.6mm | 1.8mm |
AW | 1.6mm | 1.6mm |
実際に、USモデルにて公開されているオフセット値を比較してみると、P770アイアンの方が全体的にオフセットが抑えてあって、よりストレートに近いネック形状になっていることが分かります。
P790の方は、若干のグースになっていますので、比較するとしっかり球を捉えやすく、飛距離も出しやすくなっています。
シャフトの違い
公式サイトで紹介されている標準シャフトは、P770とP790で全くことなるものになっています。
モデル | シャフト | 硬さ | 重量 | トルク | 調子 |
---|---|---|---|---|---|
P770 | Dynamic Gold EX Tour Issue | S200 | 131 | - | 元 |
〃 | New Diamana Thump 95 | S | 94 | 1.9 | 元 |
P790 | NSプロMODUS3 TOUR 105 | S | 106.5 | 1.7 | 元 |
〃 | NSプロ950GH neo | S | 98 | 1.7 | 中 |
やさしい方のP790アイアンはスチールシャフト2種ですが、難しい方のP770アイアンはスチールとカーボンが1種ずつとなっています。
P770アイアン 2023の特徴・スペック
特徴
P770アイアンは、中空形状でありながらヘッドがコンパクトに仕上がっていますので、軟鉄一枚物のアイアンから少しやさしさ・飛距離性能を取り入れたいゴルファーに適しています。
やさしさがあるとは言え、しっかり高さを出して狙いに行けます。
中空内部にスピードフォームを搭載して向上させていますので、フォージドの混じりっ気のないフィーリングを好む方は、P7MC・P7MBアイアンを検討されると良いでしょう。
クラブスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3 | 19.5° | 60.5° | 39″ |
4 | 22.5° | 61° | 38.5″ |
5 | 25.5° | 61.5° | 38″ |
6 | 29° | 62° | 37.5″ |
7 | 33° | 62.5° | 37″ |
8 | 37° | 63° | 36.5″ |
9 | 41° | 63.5° | 36″ |
PW | 46° | 64° | 35.75″ |
P790アイアン 2021の特徴・スペック
特徴
P790アイアンは、ヘッドの大きさ・やさしさ・飛距離性能が備わっていて扱いやすいことから、上を目指すアベレージゴルファー、飛距離が落ちてきたシニアゴルファーなど、中級者をコアターゲットとして幅広いゴルファー層から支持されています。
それ故、リニューアルのサイクルもPシリーズアイアンの中で最も短く、2017年に初代、2019年に2代目、2021年に3代目がリリースされています。
初代と2代目は外観がそっくりでしたが、3代目はマッスルバックライクな仕上がりで、デザインの良さも秀逸です。
スペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3 | 19° | 60.5° | 39.00″ |
4 | 21° | 61° | 38.50″ |
5 | 23.5° | 61.5° | 38.00″ |
6 | 26.5° | 62° | 37.50″ |
7 | 30.5° | 62.5° | 37.00″ |
8 | 35° | 63° | 36.50″ |
9 | 40° | 63.5° | 36.00″ |
PW | 45° | 64° | 35.75″ |