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フェースバランスのパターは、本当にフェースを開閉しない人向きなのか?

この記事は約5分で読めます。

フェースバランスのパターについて、フェースを開閉しない人向けという説明を見かけます。

この点について、疑問に感じていることがあるので、列挙してみたいと思います。

「フェースバランス」、「トゥヒールバランス」とは

フェースバランスとトゥヒール・バランスの見分け方

まず、「フェースバランス」と「トゥヒールバランス」について、触れておきたいと思います。ご存知の方はこの章を読み飛ばしてください。

フェースバランス、トゥヒールバランスは、重心の違いを表しています。

ゴルフクラブを机の上に置いて、ヘッドを机の外側で宙ぶらりんさせた時に、フェース面の向く方向に違いがあります。

上図の赤のパターのようにフェース面が斜めでトゥ側が上のものをトゥヒールバランスと言います。一方、青パターのようにフェース面が真っ直ぐ上を向くものをフェースバランスと言います。

フェースバランスとトゥヒールバランスのパターの形状

フェースバランスかトゥヒールバランスかは、重心位置によって変わってきますので、大凡、パターの形状によって決まってきます。

フェースバランスは、マレット型、センターシャフトのものに多く見受けられます。反対に、トゥヒールバランスは、ピン型、L字型、T字型(キャッシュイン)のものに多く見受けられます。

フェースバランスとトゥヒールバランスの効果(一般論)

フェースバランスとトゥヒールバランスの効果について、一般的な説明は人気パターメーカーのオデッセイの説明を見てみましょう。

※ちなみに、オデッセイではヒールトゥ・バランスではなく、ノン・フェースバランスと呼んでいます。

「フェースバランス」
シャフトを水平な台に寝かせてヘッドを浮かせたときに、フェース面が天井を向く。まっすぐストロークしたい人にオススメです。

「ノン・フェースバランス」
同様にヘッドを浮かせたときに、フェース面が斜め上を向く。フェースの開閉を使って、イン・トウ・インにストロークしたい人に。

フェースバランス、ヒール・トゥバランスの適合ゴルファーの一般的な解釈

先程のオデッセイからの引用の中でも説明がありましたが、フェースバランス、ヒール・トゥバランスのパターは、ストロークタイプにより相性が分かれると言われています。

フェースバランスは、フェースの開閉がしにくいため、真っすぐ引いて開閉せずにストロークするタイプのゴルファーに適していると言われています。

一方、ヒール・トゥバランスは、フェースが開閉しやすいため、イン・トゥ・イン(インサイドイン)の軌道で、フェースを開閉するタイプのゴルファーに適していると言われています。

そして、ざっくりとした分け方として、ヒール・トゥバランスは感性に依る部分が多く、上級者向けとも言われています。

フェースバランスは、フェースを開閉しない人向けというのは本当なのか?

フェースバランスはフェースを開閉しない人向けと言われています。机の上に置くと、フェースが斜めにならず、真っすぐ上を向きますので、感覚的にはそのような気もします。

しかし、これは本当なのか、2つの点で疑問が生じます。

疑問①:重心距離の問題

ヒールトゥバランスのパターは重心距離があります。これが長い程、フェース面が傾くとされています。

一方、フェースバランスのパターは重心距離がゼロです。

ここで、ドライバーやアイアンで重心距離が与える影響について思い出してみましょう。

重心の深さが変わると 重心距離の短いクラブ 重心距離の長いクラブ
ヘッドターンのしやすさ ターンがしやすく、操作性が高くなる ターンがしづらく、直線的な軌道になる
引用:golfdo.com

重心距離が長いと開いたフェースを戻しづらく、重心距離が短いと自由に操作しやすいという話は、ゴルフクラブの解説やレッスンで良く見聞きすると思います。

しかし、パターでは、重心距離が短い(ゼロ)のフェースバランスが開閉しない人向き、重心距離が長いヒールトゥバランスが開閉する人向きと、真逆の説明となっています。

ドライバーやアイアンとパターで、重心距離が与える効果が逆になるのは、どうにも不自然でなりません。

疑問②:机の上とインパクト前のストロークでは、フェースの向きが逆

もう一度、トゥヒールバランスとフェースバランスの解説図を見てみましょう。左の赤がトゥヒールバランス、右の青がフェースバランスです。

これだけ見ると、いかにも青のフェースバランスの方はヘッドの安定性が高そうで、開閉しない人に向いていそうみ見えます。

しかし、実際のストロークでは、切り返しからインパクトを迎えるまで、フェース面は地面を向いています。

もし、机の上に置いたパターのフェース面を地面に向けたらどうなるでしょうか?どちらのパターも地面方向から上方向にクルンと180°回転して、上図の向きになります。つまり、フェースは真反対を向く方向に力が働いていると言えます。

疑問③:インパクトの際に、フェースが向きたがる方向

次に、ヘッドが体の真正面にあるインパクトの時を考えてみます。

パターが体の真正面にある位置では、ヘッドは真下にあるように感じるので、フェースは真正面を向くように感じられます。

ここで、ヘッドを体の真正面のまま持ち上げて行くとどうなるでしょうか?

接地した状態でターゲットに向けていたとしても、持ち上げて水平に近づくにつれて、90°回転して真上を向いてしまいます。

実際、シャフトは斜めに刺さっていますので、ヘッドはライ角の分だけ少し傾けて持ち上げた状態になっています。

90°まで持ち上げると、フェースは上(ストロークの円軌道の外)を向こうとしますので、ライ角分だけ持ち上げた状態でも、フェースが自然と向きたい方向は、ターゲット方向ではなく、円軌道の外側ではないかと思われます。

まとめ

ここまでフェースバランスのパターについて、ヘッドの向く方向を考えてみました。

フェースバランス単独ではなく、トゥヒールバランスとの比較ではどうなのか?という点も考える必要がありますので、どちらがフェースを開閉しない人向きかについては、更なる議論が必要です。

最終的には、重心距離からドライバーやアイアンと同様の考えを適用するのが適当ではないかと思っています。

実際の効果については、パターメーカーの方で力学的な解説と検証動画を公開してもらえると、とても有難いですね。

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