テーラーメイドの2021年モデルの「SIM2」シリーズについて、公式情報がリリースされました。
SIM2から発売のドライバー3種について、特徴・スペック・発売日・発売価格などについて詳しく取り上げます。
SIM2ドライバー、SIM2 MAXドライバー、SIM2 MAX-Dドライバーの3種類
テーラーメイドの2021年のニュードライバーは、当初の予想通り3種類となっています。
左からSIM2ドライバー、SIM2 MAXドライバー、SIM2 MAX-Dドライバーです。
前作となる2020年モデルとラインナップ構成は同じで、アスリート向けのSIM2、寛容性のあるSIM2 MAX、ドロー仕様のSIM2 MAX-Dです。
- SIM2ドライバー:低スピン+更なる寛容性
- SIM2 MAXドライバー:寛容性+高弾道
- SIM2 MAX-Dドライバー:寛容性+高弾道+ドローバイアス
▼新製品発表会のライブ映像
こちらは、テーラーメイドによる新製品発表会の動画です。ドライバーのところ(38:40頃)から再生されます。
MからSIM、そして、SIM2になって目指した方向、変わった点、そして、採用したテクノロジーの効果について、分かりやすく解説されています。
特に、SIM2 MAX-Dドライバーは、方向性は変わらずとも、性能が大きく向上していることが分かります。
▼やさしさとスピン量のマッピング
注目したい点は、慣性モーメントとスピン量です。この2つの要素は相反する関係にありますが、SIM2シリーズではスピン量を抑えつつ、慣性モーメントを大きくすることに成功しています。
中でもドローモデルのSIM2 MAX-Dは、慣性モーメントが大幅にアップしています。前作では恐らくドローバイアスウェイトに配分が取られ、慣性モーメントがノーマルモデルよりも小さかったため、やさしいのかやさしくないのか微妙な位置づけでした。
今回のドローモデルは、つかまり、寛容性の両面でやさしくなっています。
SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dドライバーの違いを比較
モデル | SIM2 | SIM2 MAX | SIM2 MAX-D |
---|---|---|---|
ヘッド体積 | 460cc | 460cc | 460cc |
ロフト角 | 9、10.5° | 9、10.5、12° | 9、10.5、12° |
フェースサイズ | 中 | SIM2より8%大 | SIM2より18%大 |
ドローバイアス | - | - | ○ |
打ち出し | 低 | 中 | 高 |
後方ウェイト | 16g | 24g | 22g |
前方ウェイト | ほぼセンター | ややヒール寄り | ヒール寄り |
SIM2シリーズのドライバー3種について、主な特徴を並べて比較したのが上の表です。
前作と同様にヘッドサイズは全て460ccですが、SIM2からSIM MAX、SIM MAX-Dになるにつれて、フェースが大きくなり、やさしく当てやすくなっています。
ドローバイアス、弾道の高さについても、SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dの順に強く・高くなっていきます。
イナーシャジェネレータの部分には、3機種全てでウェイトが装着されていますが、素材・重量は異なっています。SIM2が16g(スチール)、SIM2 MAXが24g(タングステン)、SIM2 MAX-Dが22g(スチール)です。
▼ヘッド形状・スペックの違い・比較は、下記記事に詳しくまとめてあります。

SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dドライバーの共通の特徴
フォージドミルドアルミニウムリング
SIM2シリーズのドライバーの最大の特徴は、アルミ素材を採用した点です。
フォージドアルミニウムと記されたブルーのパーツが、調度、クラウンとソールの間に採用されています。
Mシリーズ・SIMシリーズでは、カーボンとチタンのマルチマテリアルでしたが、SIM2ではチタンよりも比重の軽いアルミニウムが用いられ、更なる軽量化が図られています。
▼主な素材の比重
金属 | 比重(kg/cm3) |
---|---|
タングステン | 19.30 |
ニッケル | 8.90 |
鉄 | 7.87 |
チタン | 4.51 |
アルミ | 2.70 |
炭素 | 2.25 |
カップ型フェースを採用
SIM2シリーズでは、カップ型のフェースが採用されています。
ボディ一体型の「ミルドバックカップフェース」が新たに開発され、溶接が廃されています。
スピードインジェクションのジェルの注入口もフェース前面からトゥ側に施され、構造が一体化しています。
従来までのフェースに穴が二つある構造は、反発性能や正確性に何らかの負の影響があるのではという印象もありましたが、今回は、そのネガティブ要素が取り除かれています。
基本テクノロジーはSIMから継承されている
これまでテーラーメイドが培ってきたテクノロジーは、一過性のものではなく、ほぼ全て新たなドライバーに継承されています。
今回のSIM2でもSIMに搭載されたテクノロジーは引き続き採用されています。
- イナーシャジェネレータ
- ツイストフェース
- スピードインジェクション
- 貫通型スピードポケット
イナーシャジェネレータによって空力を制御し、ヘッドスピードがアップ、ツイストフェースにより弾道がセンターに戻り、スピードインジェクションにより個体差の無い最大反発性能を発揮、貫通方スピードポケットにより寛容性がアップしています。
SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-Dドライバーの発売日・発売価格
SIM2ドライバー、SIM2 MAXドライバー、SIM2 MAX-Dドライバーの発売日は、2021年2月19日(金)です。
発売価格はヘッド・シャフトにより異なります。
- TENSEI SILVER TM50 (’21):76,000円+税
- TENSEI BLUE TM50 (’21):76,000円+税
- Tour AD HD-6:94,000円+税
- Speeder 661 EVOLUTION VII:94,000円+税
- Diamana TB60:94,000円+税
SIM2シリーズのドライバーからアイアンまで、全モデルの価格は下記記事にまとめてありますので、リンクを載せておきます。
≫ SIM2シリーズのドライバー・フェアウェイウッド・レスキュー・アイアンの発売日と発売価格
SIM2ドライバーの特徴
こちらはアスリート向けモデルのSIM2ドライバーです。
前作のSIMドライバーの後継機種となります。
移動式ウェイトが廃止に
SIM2ドライバーでは、移動式ウェイトによる弾道調整機能が廃止されています。
そもそもM5からSIMになった時点で、縦方向の移動式ウェイトが廃止され、横方向のみになっていましたが、今回のSIM2では横方向も無くなり、移動式ウェイトが完全に廃止となっています。
尚、可変スリーブは引き続き採用されていますので、ロフト角・ライ角・フェース角の切替による弾道調整は可能となっています。
スプリットマスウェイトはセンターより
フェースの直ぐ後ろに、スプリットマスウェイトと呼ばれる新たな固定ウェイトが搭載されています。
このウェイトは3機種で配置・記載されている文字が異なっていまして、SIM2は最もセンターよりで、「HIGH MOI、LOW SPIN」と記されています。
他の2機種はヒール寄りのため、SIM2ドライバーはドローバイアスにならず、低スピンの強い球が出やすくなっています。
左を恐れずに思い切り叩きたい方、偏りのないヘッド挙動で弾道を操作したいゴルファーに適しています。
SIM2ドライバーのスペック
- ロフト角:9.0、10.5°
- ライ角:56°
- ヘッド体積:460cc
- 標準シャフト:TENSEI SILVER TM50(’21)
- クラブ長さ:45.75インチ
- フレックス:S、SR、R
- クラブ重量:約308g(SR)

SIM2 MAXドライバーの特徴
こちらはSIM2よりも寛容性があるSIM2 MAXドライバーです。
前作のSIM MAXドライバーの後継機種となります。
SIM2よりもフェースが8%大きい
SIM2 MAXドライバーは、フェースサイズがSIM2ドライバーよりも8%大きく設計されています。
スイートエリアが大きく取られていますので、ツイストフェース、スピードポケットとの相乗効果により、ミスへの許容性が高くなっています。
スプリットマスウェイトは中間的
ソール前方にあるスプリットマスウェイトは、SIM2と比べるとヒール寄り、SIM2 MAX-Dと比べるとセンター寄りに搭載されています。
ウェイトには「HIGH MOI」と記されていて、慣性モーメントを高めるためのウェイトであることがあります。
なお、ヒール側に寄っていることで、SIM2よりボールのつかまり性能が備わっています。
SIM2 MAXドライバーのスペック
- ロフト角:9.0、10.5、12°
- ライ角:56°
- ヘッド体積:460cc
- 標準シャフト:TENSEI BLUE TM50(’21)
- クラブ長さ:45.75インチ
- フレックス:S、SR、R
- クラブ重量:約297g(SR)

SIM2 MAX-Dドライバーの特徴
こちらはSIM2 MAXドライバーよりもドローバイアスでやさしいSIM2 MAX-Dドライバーです。
前作のSIM MAX-Dドライバーの後継機種となりまして、今回は初期リリースの段階からドローバイアスモデルが日本でも発売となっています。
テーラーメイドのドライバーは基本的にフェード仕様と言われていますので、ぼーるのつかまりに不安がある方には、ドローバイアスの日本モデルの発売が定着化したようで有難いです。
SIM2よりもフェースが18%大きい
SIM2 MAX-Dドライバーは、フェースサイズがSIM2ドライバーよりも18%、SIM2 MAXドライバーよりも10%大きく設計されています。
大きなフェースに伴ってスイートエリアも大きく取られていますので、3機種の中で最も寛容性が高いモデルとなっています。
イナーシャジェネレータとスプリットマスウェイトはヒール寄り
まず、ソールの中央に縦に盛り上がっているイナーシャジェネレータが、他のモデルと比較して全体的にヒール寄りに設けられています。
そして、ソール前方にあるスプリットマスウェイトは、3機種の中で最もヒール寄りに搭載されています。
ヒール寄りに重量配分があることで、ヘッドが返りやすくなりますので、弾道が右に行きやすい方は、このモデルから検討されることがおすすめです。
さらに、ドローバイアスモデルは球が上りづらいものが多いという特徴がありますが、SIM2 MAX-Dドライバーは球が上りやすく設計されています。
球を上げたい方、右へのミスをなくしたい方におすすめのドライバーです。
SIM2 MAX-Dドライバーのスペック
- ロフト角:9.0、10.5、12°
- ライ角:56°
- ヘッド体積:460cc
- 標準シャフト:TENSEI BLUE TM50(’21)
- クラブ長さ:45.75インチ
- フレックス:S、SR、R
- クラブ重量:約296g(SR)

まとめ
テーラーメイドの2021年の新シリーズ「SIM2」のドライバーについて取り上げました。
前作となる2020年のSIMシリーズと基本的には同じ特徴・同じラインナップとなっていますが、新たにアルミ素材が用いられたことで、更なる軽量化によるメリハリのついた重量配分が実現されています。
上級者向けのSIM2ドライバーは、更なる寛容性が備わっていますので、全体としてはやさしい方向にシフトしていると言えそうです。
また、今回もドローバイアスモデルが日本でも発売されましたので、スライスに悩む方が検討しやすくなっています。


