ゼクシオの2022年モデルとして発売のゼクシオ12とゼクシオX(エックス)。
ゼクシオX(エックス)は前作の2020年モデルからスタートしたシリーズで、レギュラーモデルとどのぐらい違いがあるのかは、興味が集まるところです。
そこで、ゼクシオ12フェアウェイウッドとゼクシオX(エックス) 2022フェアウェイウッドについて、じっくりと比較・試打した興味深い動画がありましたので、詳しく取り上げます。
目次
ゼクシオ12・ゼクシオX 2022フェアウェイウッドを比較試打した動画
みんなのゴルフダイジェストでもお馴染みの堀口氏によるゼクシオ12フェアウェイウッドとゼクシオX(エックス)2022フェアウェイウッドを比較・試打した動画です。
お時間のある方は、動画をじっくりご覧頂ければ、一打一打の計測データも出ていますので、弾道、打音などを見ることができます。
主だった内容について、筆者見解を交えながら詳しくまとめました。
ゼクシオ12・ゼクシオX 2022フェアウェイウッドの試打データ
ゼクシオ12、ゼクシオX共に5番フェアウェイウッドで試打されています。
堀口氏の5回の試打について、計測データを以下にまとめました。
▼ゼクシオ12フェアウェイウッドの試打計測データ
NO | キャリー | トータル | 打ち出し角 | スピン量 | ミート率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 181 | 200 | 17.9 | 2621 | 1.27 |
2 | 200 | 218 | 15.3 | 2945 | 1.35 |
3 | 194 | 207 | 15 | 4434 | 1.4 |
4 | 210 | 219 | 13 | 3428 | 1.43 |
5 | 200 | 217 | 15 | 3010 | 1.35 |
平均 | 197 | 212.2 | 15.24 | 3287.6 | 1.36 |
▼ゼクシオXの試打計測データ
NO | キャリー | トータル | 打ち出し角 | スピン量 | ミート率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 205 | 225 | 14.3 | 3220 | 1.37 |
2 | 207 | 222 | 11.5 | 3929 | 1.44 |
3 | 212 | 214 | 14.8 | 3264 | 1.39 |
4 | 209 | 224 | 13.5 | 3148 | 1.4 |
5 | 202 | 221 | 11.9 | 4348 | 1.42 |
平均 | 207 | 221.2 | 13.2 | 3581.8 | 1.404 |
数字からも飛距離や打ち出し角、ミート率などに、顕著な違いが出ています。
ゼクシオ12フェアウェイとゼクシオXフェアウェイの特徴を表している結果となっていますので、詳しく見ていきましょう。
球が上がりやすいのは、ゼクシオ12フェアウェイウッド
試打計測での打ち出し角は、ゼクシオ12が15.24°、ゼクシオXが13.2°です。
ゼクシオ12の方は、ヘッドスピードが遅い方向けのクラブで、寛容性を持たせたシャローフェースの深低重心で、もともと球が上りやすく設計されています。
どちらも5番ウッドはロフト角が18°と同じ値ですが、ヘッド形状(重心位置)・シャフトの違いから打ち出しの違い生まれ、実際に計測データも特徴通りの差が出ています。
球を楽に上げたい方は、ゼクシオ12フェアウェイウッドを選択がオススメです。
飛距離が出やすいのは、ゼクシオX 2022フェアウェイウッド
飛距離は圧倒的にゼクシオX 2022フェアウェイウッドの方が出ています。
前述の通り、ゼクシオXの方が打ち出しが抑えられますので、インパクトエネルギーが効率的に前方向に配分され、その分、飛距離が出やすくなっています。
さらに、試打データで注目したいのはミート率です。
ゼクシオ12が1.36なのに対して、ゼクシオXは1.40出ています。
▼ゼクシオ12・ゼクシオXの5番ウッドの重量比較
モデル | ゼクシオ12(R) | ゼクシオX(S) |
---|---|---|
ヘッド重量 | 217 | 219 |
シャフト重量 | 37 | 46 |
クラブ重量 | 290 | 311 |
ゼクシオXの方はヘッド重量、シャフト共に重量がありますので、同じヘッドスピードでインパクトした場合、ミート率が高くなります。
試打計測データでも、ゼクシオXの方が0.04上回っていましたので、クラブ設計から推測される通りの結果が出ています。
そもそものゼクシオXのコンセプト通り、しっかり振り切りたい方は、ゼクシオXフェアウェイウッドの方がおすすめです。
なお、ヘッドもシャフトもゼクシオ12フェアウェイウッドよりも重く、一般的なアベレージゴルファー向けの重量となっていますので、その重量感が問題なく扱える体力があることが前提条件となります。
公式サイトには、対象ヘッドスピードが掲載されていますので、標準スペックの値をみると、自分に合うかが大凡確認できます。
- ゼクシオ12(R):32〜41m/s
- ゼクシオX(S):40〜48m/s
スピン量が入るのは、ゼクシオXフェアウェイ
スピン量の平均値は、ゼクシオ12が3287.6rpm、ゼクシオXが3581.8rpmとなっていて、ゼクシオXの方がスピンが入っています。
飛距離を出すためにはスピン量を抑えて吹け上げりを抑えるモデルが多く見受けられますので、ゼクシオXの方が少なくなりそうですが、実際には逆の結果となっています。
これは、ゼクシオ12が打ち出し高さを出すために重心位置が低く設定されていて、縦のギア効果によりバックスピンが相殺されることで、ゼクシオ12の方がスピン量が少なく抑えられていると思われます。
トータルで見れば、ゼクシオXの方がミート率が高く、打ち出しが抑えられていますので、こちらの効果が勝って飛距離が出ています。
スライス抑制という点に関しては、ゼクシオ12の方がスピン量が抑えられることで、意図しないサイドスピン(スライス回転)も抑えられるようです。
球のつかまりが良いのは、ゼクシオ12フェアウェイウッド
スライサーの方にとって気になる球のつかまりについては、ゼクシオ12フェアウェイウッドの方が良く、ゼクシオXフェアウェイはほんのりドローといった具合です。
ヘッド形状を見ても、左のゼクシオ12の方がフェース面のトップラインがややオフセットに近く、ゼクシオXの方は前に出ています。さらに、トゥ側もゼクシオXの方が逃げ顔になっています。
試打計測データ、そして、ヘッド形状から見ても、スライスが出やすい方はゼクシオ12フェアウェイウッド、つかまり過ぎずに、しっかり振り切りたい方はゼクシオXフェアウェイウッドという選択になります。
打音はどちらも爽快!ゼクシオ12の方が響く金属音
打音・打感については、どちらもゼクシオらしい爽快感があります。ゼクシオX 2022は、前作と変わったとしてフルチタンになりましたので、爽快感が増していると感じられる方が多いようです。
ゼクシオ12とゼクシオXでは、ゼクシオ12の方が余韻のある金属音で、より爽快感があります。
▼ゼクシオ12の打音のところ(3:00頃)から再生されます
打音の違いについては動画でも確認できます。ゼクシオXの方も9:23頃のところで確認できます。
ゼクシオ12・ゼクシオX 2022フェアウェイウッドのスペック比較
ゼクシオ12フェアウェイウッド
番手 | 3 | 4 | 5 | 7 | 9 |
---|---|---|---|---|---|
ロフト角 | 15 | 16.5 | 18 | 20 | 23 |
ライ角 | 58 | 58.5 | 59 | 59.5 | 60 |
ヘッド体積 | 185 | 174 | 162 | 147 | 136 |
ヘッド重量 | 207 | 212 | 217 | 221 | 226 |
長さ | 43.25 | 42.75 | 42.25 | 41.75 | 41.25 |
クラブ重量 | 281 | 285 | 290 | 294 | 298 |
ゼクシオX 2022フェアウェイウッド
番手 | 3 | 4 | 5 | 7 |
---|---|---|---|---|
ロフト角 | 15 | 16.5 | 18 | 20 |
ライ角 | 58 | 58.5 | 59 | 59.5 |
ヘッド体積 | 185 | 174 | 162 | 147 |
ヘッド重量 | 209 | 214 | 219 | 224 |
長さ | 43 | 42.5 | 42 | 41.5 |
クラブ重量 | 303 | 307 | 311 | 316 |
レギュラーモデルのゼクシオ12フェアウェイウッドの方は、3、4、5、7、9番まであり、ロフト角でみても15~23°まであります。
フェアウェイウッドを多様したい方、フェアウェイウッドで球を上げたい方にとっては、選択しやすいロフトラインナップになっています。
注目したいのはクラブ重量で、ゼクシオ12(R)とゼクシオX(S)では大凡20gの重量差があります。
ヘッド重量が約2g、シャフトが約10g、グリップが約10gの重量差がありますので、ヘッド特性以前に、この点でどちらが適しているか大きく分かれてきます。
現在お使いのフェアウェイウッドが有る場合は、重量を確認してみて、それと比べてどの程度、重いか軽いかを確認されると良いでしょう。
まとめ
ゼクシオ12・ゼクシオX 2022のフェアウェイウッドについて、試打・計測の結果を参考にしながら、違いや対象ゴルファーをまとめてみました。
基本的には、ゼクシオ12フェアウェイウッドは、ヘッドスピードが遅め、球が上り辛い、スライスが出やす方向けです。
一方、ゼクシオX 2022フェアウェイウッドは、ゼクシオの振りやすさを残しつつ、ややつかまりを抑え、しっかりしたクラブ重量が備わっています。右への不安が少なく、やさしいクラブでしっかり振り切りたい方向けです。
もう少しハードなモデルを使いたいという方は、同じダンロップのスリクソン ZXフェアウェイウッドという選択肢もありますので、こちらも検討されると良いと思います。