テーラーメイドのPシリーズアイアンの中で、ツアープロに愛用されているのがP7MBアイアンとP7MCアイアン。
上級者に人気のこの2種類のアイアンについて、違いを比較しながら解説します。
目次
P7MBアイアンとP7MCアイアンの位置づけ
テーラーメイドのPシリーズアイアンは、アスリート向けとして発売されています。
当記事執筆時点では、P790、P770、P730、P7MC、P7MB、P7TWといったモデルがあります。
Pシリーズの発売当初は、「P」の後に「ブレード長を表す数字」を付したネーミングでしたが、マッスルバックのP7MB、キャビティバックのP7MC、タイガーウッズモデルのP7TWがラインナップに追加されています。
モデル | 形状 | 概要 |
---|---|---|
P7MB | マッスルバック | 無駄のないデザイン。 操作性と打感に優れている。 |
P7MC | マッスルバック+キャビティバック | マッスルバックにキャビティをプラス。 寛容性にも優れている。 |
P7MBアイアンとP7MCアイアンの形状の違いを比較
バックフェースの違い
P7MBアイアンは、バックフェースがすっきりとしていて、ブレードの薄さがそのまま表れた形状です。
一方、P7MCアイアンは、バックフェースにキャビティが少し施されていて、打点部も厚めに設計されています。
どちらも打感・コントロール性能に優れていますが、P7MCはキャビティにより外周が肉厚で、打点のブレの許容性がプラスされています。
ネック形状の違い
どちらもストレートネックで、フェースを出した通りに球を運べそうな形状をしています。
比べてみると、左のP7MBアイアンの方が、よりすっきりとしています。
▼USサイトで公開されているオフセット
モデル | P7MB | P7MC |
---|---|---|
5番 | 1.75 | 2.5 |
7番 | 1.6 | 2.1 |
PW | 1.4 | 1.5 |
実際にオフセットが公表されているUSモデルの値を参照してみると、P7MBアイアンの方がオフセットは小さな値となっています。
コントロール性能を極限まで重視される方は、P7MBアイアンの方が適していて、構えた時のすっきり感も得られると思います。
ソール形状の違い
左のP7MBアイアンの方は、ソール面がよりV字形状で、スリクソンのように前後のバンスがはっきりしています。
特に後方が持ち上がっていて、ダウンブローに打ち込んだ時に跳ね返りにくく、ターフを削り取りやすくなっています。
右のP7MCアイアンの方は、キャビティバックが採用されている分、ブレード、ソール面ともに、やや厚めになっています。
P7MBアイアンとP7MCアイアンの素材・構造・スペックの違いを比較
素材・構造の違い
モデル | P7MB | P7MC |
---|---|---|
形状 | マッスルバック | マッスルバック+キャビティバック |
素材 | 軟鉄(S25C) | 軟鉄(S25C) |
製法 | 鍛造 | 鍛造 |
どちらのアイアンも、素材・製法は同じで、軟鉄鍛造のいわゆるフォージドアイアンです。
やわらかな素材が用いられていますので、ツアープロ・上級者が求める吸い付くような打感が備わっています。
形状面では、前章のバックフェースのところでも触れた通り、P7MCの方は、軟鉄鍛造ながらバックフェースにキャビティが施されていますので、寛容性がプラスされています。
PGAツアープロによる使用状況によると、殆どの選手がP7MCアイアンかP7TWアイアンを使用しています。
以前はロリーマキロイがP7MBアイアンを使用していましたが、当記事執筆時点ではP730アイアンに移行しています。
<P7MBアイアンを使うPGAツアープロ>
ロリー・マキロイ(その後、P730に移行)
<P7MCアイアンを使うPGAツアープロ>
コリン・モリカワ、マシュー・ウルフ
スペックの違い
▼7番アイアンのスペック比較
モデル | P7MB | P7MC |
---|---|---|
ロフト角 | 35° | 34° |
ライ角 | 62.5° | 62.5° |
長さ | 37″ | 37″ |
オフセット | 1.6mm | 2.1mm |
ロフト角は3~8番までP7MCアイアンの方が1°フェースが立っていて、少しだけ飛距離性能を持たせた形となっています。
とは言え、35°と34°ですので、しっかり上げてスピンを掛けて、ピンをデッドに狙いにいく上級者向けのスペックです。
飛距離をクラブに頼りたい方は、P790、P770など、もう少しロフトが立ったモデルがオススメです。
弾道の違い
モデル | P7MB | P7MC |
---|---|---|
弾道 | 低 | 低~中 |
スピン | 中 | 中 |
飛距離性能 | 3.0 | 3.5 |
寛容性 | 1.5 | 2.0 |
操作性 | 5.0 | 5.0 |
※飛距離性能、寛容性、操作性は、5点満点での評価
P7MBアイアンとP7MCアイアンの試打・比較
P7MBアイアンとP7MCアイアンを比較試打されています。
<P7MBアイアンの試打・評価>
- マッスルバックなのに飛距離も良い。
- 打感は、吸い付く感じで最高。
- 低い球も打ちやすく、きれいにターフが取れそう。
- 操作性抜群。腕に自信があれば操れる。
- ショットの良し悪しがはっきり出る。
- シャープなヘッドで上級者好み。
- 構えやすくて、ショットのイメージがしやすい。
<P7MCアイアンの試打・評価>
- やさしくはないが、そこまでシビアではない。
- 中級者から上級者向き。
- 構えやすい。ボールを包み込むようなイメージが出る。
- MBと殆ど変わらず、打感・操作性が良い。
- 難し過ぎないところが良い。
- 飛距離も出て、トータルバランスが良い。
P7MBアイアンとP7MCアイアンのスペック
P7MBアイアン
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3 | 21 | 60.5 | 39 |
4 | 24 | 61 | 38.5 |
5 | 27 | 61.5 | 38 |
6 | 31 | 62 | 37.5 |
7 | 35 | 62.5 | 37 |
8 | 39 | 63 | 36.5 |
9 | 43 | 63.5 | 36 |
PW | 47 | 64 | 35.75 |
P7MCアイアン
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3 | 20 | 60.5 | 39 |
4 | 23 | 61 | 38.5 |
5 | 26 | 61.5 | 38 |
6 | 30 | 62 | 37.5 |
7 | 34 | 62.5 | 37 |
8 | 38 | 63 | 36.5 |
9 | 42.5 | 63.5 | 36 |
PW | 47 | 64 | 35.75 |
P7MBアイアンとP7MCアイアンの発売価格
<P7MBアイアン>
- Dynamic Gold EX TOUR ISSUE(S200)
6本セット(5~PW):¥144,000(税込価格 ¥158,400)
単品(3、4):¥24,000(税込価格 ¥26,400)
<P7MCアイアン>
- Dynamic Gold EX TOUR ISSUE(S200)
6本セット(5~PW):¥144,000(税込価格 ¥158,400)
単品(3、4):¥24,000(税込価格 ¥26,400) - NSプロ MODUS3 ツアー105(S)
6本セット(5~PW):¥144,000(税込価格 ¥158,400)
単品(3、4):¥24,000(税込価格 ¥26,400)