タイトリストから発売のT100アイアンの2023年モデル(3代目)について、試打・評価・製品の特徴について取り上げます。
目次
T100アイアン 2023(3代目)の特徴
タイトリストのTシリーズアイアンは、APアイアンの後継シリーズとして、2019年に初代モデルが発売されています。
その後は2年サイクルでリニューアルされていて、2023年のTシリーズは3代目となります。
Tシリーズアイアンは100、200、300といった数字でモデル分けされていて、数字が小さい程、上級者向けとなります。本記事で取り上げているT100は最上位のモデルで、ツアープロに最も多く採用されています。
トゥ・ヒールにタングステンを搭載
最上位のアイアンというと、軟鉄鍛造のマッスルバックをイメージしそうですが、T100アイアンは、上図のように組み立てた構造となっています。
トゥ・ヒールには高密度のタングステンが搭載されていて、低重心化と左右方向の慣性モーメントの向上が図られています。
また、ベースとなるヘッドはダブルキャビティと呼ばれる形状が採用されていて、中間にバックバーが設けられることでソリッドな打感が生み出されています。
ソールの抜けが良くなっている
ソール形状は、ツアープレーヤーからのフィードバックに加えて、ボーケイチームとの共同開発が行われ、バリアブルバウンスソールが採用されています。
トレーリングエッジがよりスムーズにデザインされることで、地面から受ける抵抗を減らし、振り抜けの良さが向上しています。
ターフを取るショットでも、スムーズに抜けてくれます。
上級者好みのコンパクトなフェース・オフセットの小さいネック
今回の3代目モデルも、ブレードは薄く、フェースはコンパクトに仕上がっています。
ネック形状もオフセットが抑えられていますので、意図した通りに弾道を操りたい方に好まれる形状です。
タングステンが搭載されているとは言え、ツアープロも使う操作性の高いアイアンのため、打点ブレに対する寛容性を期待する方は、T200、T350などを検討されると良いでしょう。
T100アイアン 2023年モデルと2021年モデルの違い
ヘッド形状
▼左が2023年モデル、右が2021年モデル
バックフェースの外観はかなり変わった印象を受けます。
ただ、トゥ・ヒールにタングステンを搭載していて、それを搭載する前のベース構造は、どちらもダブルキャビティです。
加えて、フェース中央を横方向に走るバー状の肉厚部分も共通しています。
ダブルキャビティと中央の肉厚構造により、寛容性とソリッドな打感を産み出す構造は、引き続き採用されています。
ソール形状
どちらもブレードが薄く、上級者好みの形状です。
2023年モデルの方は、ボーケイチームがトレーリングエッジの形状に関わっていて、スムーズなデザインになっています。
スペック
クラブセッティングは、2023年モデルも2021年モデル共に3~9、PW、Wまでの9本です。
ロフト角は、2019年モデルから2021年モデルになったときに、3~9番までフェースを1°寝かせましたが、2023年モデルでは同じ設定となっています。
7番で34°なので、しっかり球を上げて狙い方向けとなります。
T100アイアン 2023(3代目)の試打・評価
T100アイアン 2023をトラックマンで計測試打・評価
試打クラブは、T100アイアンの7番(34°)
- 初代はソールが丸っこかったが、2代目の四角っぽい形状は踏襲されている。
- 7番より上はタングステンが入っている。
- 極端にムチムチ柔らかい感じがする。表面はパチンと乾いた感じがして、前作のT100と似ている。軟鉄より爽快。SAP-10は軟鉄よりの弾き感がある。
- 高さが出てスピンも出てランディングをしっかり確保するのが、タイトリストのコンセプト。
- キャロウェイのAPEX CB・MBと弾道が近く、対抗馬になる。
- マッスルバック、ツアー物のキャビティが打てる方は、やさしく感じられる。
- ハンディキャップでいうと10切るぐらい、スコア80前半ぐらい。将来を見越してハンディキャップ18ぐらいの人が頑張って練習するのも良し。
T100アイアンを忖度無く試打・評価
- タイトリストのTシリーズの中で、最もハードヒッター向けアイアン。US PGAで高い使用率を誇る超アスリート向けモデルの中で、マッスルやキャビティではないハイテクアイアン。
- ブレードはシャープで薄い。初代からどんどんカッコ良くなっている。ロフトも前作から34°になっていて、ターゲットゴルファーが上の方に絞られている。
- スピン性能はとても高い。安定して高スピンで集まる。キャリーが安定してミスの幅が小さく収まる。
- 方向安定性も高く、打感も良い。
- 外観はシンプルでまとまったデザインで、カッコ良い。
- 悪い点はない。
アマチュアゴルファー2名がT100アイアンを試打・評価
- 上から見た時に、ブレードが薄く安心感は無い。カッコ良さで気持ちは上がる。
- 打感が凄く良い。吸い付いて気持ち良い。
- 球は上がりやすい。
- 慣性モーメントは小さめ。操作性が高く、やや難しめ。打点は超シビア。
- ソールが薄いので、少しダフルと滑らずに引っ掛かる。
2023 Tシリーズアイアン全モデルを試打・解説
Tシリーズ 2023年モデルのアイアン全4機種について、違いや特徴についてゴルフライターが詳しく解説しています。
- T100アイアンはもっとも小ぶりでシャープ。ジョーダン・スピースが使っている。
- プレーヤーズアイアンと呼ばれていて、中・上級者が好むルックスとフィーリングに仕上げられている。
- フィーリング面は、前作よりもソリッドな打感になっている。
T100アイアン 2023(3代目)のスペック
クラブスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3 | 21° | 61° | 39.00″ |
4 | 24° | 61.5° | 38.50″ |
5 | 27° | 62° | 38.00″ |
6 | 30° | 62.5° | 37.50″ |
7 | 34° | 63° | 37.00″ |
8 | 38° | 63.5° | 36.50″ |
9 | 42° | 64° | 36.00″ |
P | 46° | 64° | 35.75″ |
W | 50° | 64° | 35.50″ |
シャフトスペック
公式サイトでは、2種類のシャフトが掲載されています。
- ダイナミックゴールド
- N.S. PRO MODUS3 ツアー115
シャフト | 材質 | フレックス | 重さ | トルク | 調子 |
---|---|---|---|---|---|
ダイナミックゴールド | スチール | S200 | 129g | - | 手元調子 |
NSプロMODUS ツアー115 | スチール | S | 118.5g | 1.6° | 手元調子 |