ブリヂストンから発売のBX2HTアイアンについて、製品の特徴、試打した感想・評価を取り上げます。
BX2HTアイアンの特徴

特徴① 対象ゴルファーはアベレージゴルファー
ブリヂストンのアイアンは、通常「245MAX」「258CBP」など、年式を冠したモデルが主流です。そんな中、ウッド系と同じ「BX」シリーズとして突如登場したのが、今回のBX2HTアイアンです。
ちなみに、同名のBX2HTドライバーは「安定したつかまりと高弾道のキャリーで飛ばす」というキャッチコピーを掲げ、アベレージゴルファー向けのやさしいモデルとして展開されています。
BX2HTアイアンも「高初速・高弾道・ソフトな打感でやさしく飛ばせる」とされていて、ドライバーと同様にアベレージ層をターゲットにした位置づけであることが分かります。
スペック比較:7番アイアンのブレード長とロフト角
| モデル | ブレード長 | ロフト角 |
|---|---|---|
| 220MB | 74.4mm | 33° |
| 221CB | 76.3mm | 32° |
| 222CB+ | 79.0mm | 31° |
| 258CBP | 79.0mm | 30° |
| 233HF | 83.2mm | 28° |
| BX2HT | 84.2mm | 28° |
| 245MAX | 86.2mm | 27° |
この表は、ブリヂストンの最近のアイアンにおける7番のブレード長とロフト角を整理したものです。
BX2HTは、ブレード長が80mmを大きく超えていて、面長で”安心感”のあるフェース形状。ロフト角も28°と立っているため、いわゆる“飛び系アイアン”に分類されます。
比較対象として挙げられるのは233HFアイアンです。構造こそ中空とキャビティで異なりますが、スペックは非常に近く、ターゲット層も重なります。
ターゲット層の整理
アベレージゴルファー向けという点では、以下のような棲み分けが分かりやすいでしょう。
- 初心者寄り:245MAX
- セミアスリート寄り:BX2HT
BX2HTは、やさしさと飛距離性能を両立しつつ、ある程度のスイング安定性があるゴルファーにヒットするモデルです。
特徴② つかまりは控えめ、飛び系なのに球が上がり、打感も良好
モデルの位置づけが見えてきたところで、次に気になるのは弾道性能です。
BX2HTは7番アイアンでロフト28°と、飛距離を求める設計。にもかかわらず、しっかりと高さが出て、アイアンらしい弾道で狙えるのが特徴です。
- 高初速・高弾道設計:飛び系ながらも高さが出せる
- 制振材入りバックフェース:打感が硬くなりがちな飛び系構造を緩和
- グースネックは控えめ:245MAXよりも抑えられており、つかまりはニュートラル
簡単に言えば、アベレージゴルファー向けの“やさしく飛ばせる”アイアンですが、過度につかまってズドーンと左へ行くようなオートマチック感はありません。
ロフトが立っているにもかかわらず、しっかり高さが出るため、「アイアンらしい弾道で狙いたい」層に適した設計です。

ただし、ネック形状にはややグースがあり、操作性を楽しみたい層にとっては、やや扱いにくさを感じる可能性もあります。
特徴③ ウェッジのロフトピッチには注意
BX2HTと245MAXは、7番アイアンのロフト角がそれぞれ28°と27°で、一見すると大差ないように見えます。
しかし、ショートアイアン〜ウェッジにかけてのセッティングには明確な違いがあります。
| 番手 | BX2HT | 245MAX |
|---|---|---|
| 5 | 22° | - |
| 6 | 25° | 24° |
| 7 | 28° | 27° |
| 8 | 33° | 31° |
| 9 | 38° | 35° |
| PW/P1 | 44° | 39° |
| P2 | - | 44° |
| AW | 50° | 50° |
| SW | 56° | 56° |
ストロングロフト設計では、番手ごとの飛距離差を確保するためにロフトを立てる必要があります。その結果、ショートアイアン〜ウェッジのロフトピッチが広がりやすくなるのが宿命です。
- 245MAXはPWをP1・P2に分割:ウェッジ4本構成でピッチを均等化
- BX2HTはPW・AW・SWの3本構成:AWとSWが同じロフト(50°→56°)にもかかわらず、PWとの間に6°の開きがある
このように、8番→9番→PWのピッチが広く、距離階段が不安定になりやすいため、ウェッジ4本構成に慣れている方は注意が必要です。
<こんな方は特に注意>
- ウェッジ4本構成(P1・P2・AW・SW)に慣れている方
- ショートゲームで距離感を細かく刻みたい方
- PW〜AW間の距離ギャップに敏感な方
BX2HTアイアンの試打・評価
- アスリート向けのシリーズとしてBXシリーズが有り、この中で展開されているが、アベレージ向けっぽいやさしいアイアン。
- ブレードサイズは84mmぐらい。ヘッドはかなり大きい。構えた時に安心感があるタイプ。
- やさしいわりに打感が結構良い。フォージドとは違うが、かなり良い。
- ロフトが立っているわりに、打ち出しから球が上がってくれて、スピンも適度に入る。飛ばせるけど、グリーンに止めやすい。
BX2HTアイアンのスペック
クラブスペック
| 番手 | ロフト角 | ライ角 | FP | 長さ |
|---|---|---|---|---|
| 5 | 22 | 61 | 1.25 | 38.5 |
| 6 | 25 | 61.5 | 1.45 | 38 |
| 7 | 28 | 62 | 1.7 | 37.5 |
| 8 | 33 | 62.5 | 1.95 | 37 |
| 9 | 38 | 63 | 2.15 | 36.5 |
| PW | 44 | 63.5 | 2.35 | 36 |
| AW | 50 | 63.5 | 3.15 | 35.75 |
| SW | 56 | 63.5 | 3.25 | 35.5 |
シャフトスペック
| シャフト | 硬さ | 重量 | トルク | 調子 |
|---|---|---|---|---|
| Diamana BS50iⅡ | S | 60g | 3.2 | 中 |
| 〃 | R | 58g | 3.2 | 中 |
| SPEEDER NX BS50i | S | 59g | 3.2 | 先 |
| N.S.PRO 850GH neo | S | 88g | 2.0 | 中 |
BX2HTアイアンの発売日・発売価格
BX2HTアイアンの発売日は、2025年9月5日です。発売価格はセット、単品でシャフトにより以下の通りとなっています。
| シャフト | 5本セット (6~9,PW) |
単品 (5,AW,SW) |
|---|---|---|
| Diamana BS50iⅡ | 132,000円 | 26,400円 |
| SPEEDER NX BS50i | 132,000円 | 26,400円 |
| N.S.PRO 850GH neo | 132,000円 | 26,400円 |
