ゴルフボールの違いにより、飛距離・スピン量・打ち出し角などにどのような違いが出るかは、興味深いところです。
実際、ツアープロが使用するボールは硬めだったり、飛距離アップのために柔らかボールがあったりなど、ゴルフクラブと同じくらい、ボールの性能には注目が集まっています。
本記事では、ボールの材質や構造ではなく、温度により違いがあるかについて、取り上げます。
実際、ゴルフボールの温度は気温により異なる!
ゴルフは屋外でプレーするスポーツのため、外気の温度の影響を受けます。
冬は体が硬く、飛距離が落ちやすいのは経験から感じられる方も多いかと思います。
気温の影響を受けるのは体だけではなく、ゴルフボールにも当てはまります。
▼東京の2010~2019の平均気温は、年間で22°の差がある
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
5.7 | 6.3 | 10.0 | 14.7 | 19.9 | 22.5 | 26.7 | 28.0 | 24.3 | 18.9 | 13.3 | 8.1 |
こちらは2010年から2019年までの10年間の月別平均気温です。最も寒いのが1月の5.7℃、最も暖かいのが8月の28.0℃で、年間の差は約22℃あります。
ゴルフボールには樹脂素材が使われていますので、温度差により影響を受けることは、何となく想像しやすいのではないでしょうか?
ゴルフボールの温度を変えて、実際に検証!
ボールの温度差により弾道にどのような変化が出るかについて、youtuberになったプロゴルファー、横田真一プロが実際に検証されています。
上掲の動画では、ホッカイロで30℃以上に温めたボールと、冷蔵庫で0℃以下に冷やしたボールで、弾道計測されています。
プロゴルファーらしからぬチャレンジと感じられる方もいるかもしれませんが、気温は自然との闘いの一要素でもありますので、実はとても現実的で重要な検証と言えます。
ボールの温度の違いによる飛距離・弾道の違い
上掲の動画で測定された結果を、以下の表にまとめました。
30℃以上のボールでの飛距離・弾道の計測結果
計測回 | 飛距離 | キャリー | ラン | スピン量 | ミート率 |
1回目 | 289.5 | 260.9 | 28.6 | 1682 | 1.46 |
2回目 | 287.9 | 257.5 | 30.4 | 1814 | 1.48 |
3回目 | 286.8 | 261 | 25.8 | 2113 | 1.47 |
平均 | 288.1 | 259.8 | 28.3 | 1869 | 1.47 |
0℃以下のボールでの飛距離・弾道の計測結果
計測回 | 飛距離 | キャリー | ラン | スピン量 | ミート率 |
1回目 | 285.1 | 259.3 | 25.8 | 1939 | 1.44 |
2回目 | 274.1 | 249.2 | 24.9 | 2151 | 1.43 |
3回目 | 284.1 | 256.8 | 27.3 | 1832 | 1.44 |
平均 | 281.1 | 255.1 | 26 | 1974 | 1.44 |
結果は明らかに大きな差が出ています。
動画を見ると、まず打音の違いも感じられますが、ミート率、キャリー、ラン、トータル飛距離の全て下がっています。
中でも注目したいのはミート率です。一般的な試打動画で、ミート率が1.45以下というのは殆ど目にしたことがないので、温度が低いボールではミート率が極端に低いことが分かります。
この動画からボールの温度が低いと、ミート率が下がり、飛距離が下がるということが言えると思います。
まとめ
取り上げた動画での検証では、ホッカイロと冷凍庫を用いてボールの温度の意図的に変えていますが、夏と冬を考えると、このような温度差は自然と生まれます。
夏の暑い日と冬の寒い日では、ミート率に大なり小なり差が出ると考えられますので、夏と冬で体の動きの差も加味すると、飛距離に大きな差が出る可能性があることは、季節要因として踏まえておいた方が良さそうです。