ゴルフのトップ位置での左手の向きについて、掌屈(しょうくつ)と背屈(はいくつ)という表現があります。
掌屈(しょうくつ)と背屈(はいくつ)は、ゴルフでは何を表すのか、そして、どちらにすべきかについて、詳しく解説します。
目次
掌屈(しょうくつ)、背屈(はいくつ)とは?
掌屈・背屈は、ゴルフではトップ位置での左手の手首の話で使われます。日常生活の中では中々使われない表現ですので、意味が分からない方も多いと思います。
掌屈・背屈は、漢字からどのようなことを表すかが分かります。
掌屈は、てのひら(掌)側に手首を折ることを意味します。一方、背屈は、背ですから反対側に折ることを意味します。
上の左手の図で言うと、掌側(右)に倒れるのが掌屈、甲側(左)に倒れるのが背屈です。
ゴルフスイングでの掌屈、背屈とは?
掌屈と背屈は、ゴルフのスイングでよく使われる言葉で、フェースの向きと密接な関係があります。
特に、最近は大型ヘッドが主流になってきていて、フェースを閉じたままスイングすることで、スライスを防ぐというスタイルがあり、ここでも掌屈・背屈が良く登場します。
ゴルフのスイングでは、左手を掌屈にすると、クラブを絞り込むように回転させるため、フェース面が閉じた状態になります。
反対に、左手を背屈にすると、クラブを反時計回りに回転させるため、フェース面が開いた状態になります。
掌屈 (しょうくつ) |
手首を掌側に折る | 左手が掌屈だとクローズ |
背屈 (はいくつ) |
手首を甲側に折る | 左手が背屈だとオープン |
具体的に、ツアープロのスイング映像で見てみましょう。
掌屈だと、トップでフェースが上を向く
ダスティンジョンソンと渋野日向子選手のスイングが似ていると話題になってますね👀
左手首のヒンジとシャローイングですね😊#dustinjohnson #ダスティンジョンソン #渋野日向子 #hinakoshibuno #shibunohinakoプロアマ問わず会員制メールでスイングチェック開催予定
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ドライバーのトップ位置での手首を見てみると、左手の手首が掌側に倒れていて、掌屈になっていることが分かります。
掌屈の場合、トップ位置でのドライバーのフェースは上を向きます。代表的なのが飛ばし屋のダスティン・ジョンソンです。
手首が思い切り掌屈していて、フェース面が天を向いています。
背屈だと、トップでフェースが前を向く
トップで掌屈するか、背屈するか?
今の流行りは掌屈→シャローみたいだけど、
カプルス信者のオレっちは背屈→スティープです。
この写真を見てくれ。
マスターズチャンピオンだぜ。
あれ、クラブがパーシモンだわ😅 pic.twitter.com/jUi2xbIOp4— シエンジ (@qian_xian_jp) November 13, 2019
こちらはトップで背屈の場合の映像です。
先程のダスティン・ジョンソンや渋野日向子と反対に、手首は甲側に倒れています。
そして、トップ位置でのフェース面は、上を向いておらず、前方向を向いています。
ツアープロでは、掌屈(しょうくつ)の方が多い!?
では、掌屈と背屈、どちらが良いかですが、最近のツアープロの傾向で言うと、掌屈の方が多いと言われています。
これは、最近のゴルフクラブは慣性モーメントを大きくする傾向にあることが関係しています。
慣性モーメントを大きくするためには、ヘッドを大型・深重心にするため、どうしてもヘッドの後ろ側が重たくなります。
後ろが重たいクラブは、スイングしていると重さに引きずられてしまい、ヘッドを返しにくくなります。
そのため、予めトップ位置で掌屈にして、フェースを閉じたまま(シャットの状態)でスイングするスタイルが流行りつつあります。
特にアマチュアのアベレージゴルファー向けのゴルフクラブの方が、大型・深重心で慣性モーメントが大きい傾向にあります。さらに、スライスで悩んでいるゴルファーが多いのもアマチュアです。
そうなると、クラブをトップでシャットにしたままのスイングが、スライス改善に効果的となります。
掌屈のドライバーショットは、渋野日向子のスイングが分かりやすい
こちらは渋野日向子プロのドライバーショットを後ろから見た映像です。
トップに持ってくるまでは、手首はスクエアですが、トップ位置(0:06頃)で、くいっと手首が掌屈になり、フェースも上を向く様子が分かります。
こちらは前から見た映像です。トップ位置(0:33頃)でフェースが上を向いている様子が分かります。
その後は、そのままダウンスイングに入り、最後に開放してスクエアなインパクトを迎えています。
スライスで悩んでいる方、大型ヘッド・大慣性モーメントのクラブを使っている方は、掌屈のスイングを参考にすると、改善する可能性があります。
背屈のドライバーショットは、森田理香子のスイングが分かりやすい
こちらは2013年の賞金女王、森田理香子プロのドライバーショットの映像です。
背屈のスイングで、トップ位置(0:54頃)でフェースが前(こちら)を向いている様子が分かります。
渋野日向子プロと比べると、体の回転やインパクトの際の手首の傾きも違いますので、掌屈と背屈でのスイングの違いが見て取れます。
まとめ
掌屈と背屈、どちらが良いかは一概には言えません。
単純にスライス改善だけに絞って考えた場合、インパクトの際の体の回転、手首の返しの具合によって、トップ位置でどちらにした方が良いかも変わってきます。
最近の主流としては、大型・深重心の大慣性モーメントのヘッドは、シャットにしたままのスイング、つまり掌屈をオススメする傾向にあるようです。
現在、掌屈になっていない方は、意識して取り入れてみて、改善するかどうか試してみると良いと思います。