テーラーメイドのP770アイアンの2020年モデルについて、試打・評価・スペックなど詳しく取り上げます。
目次
P770アイアンの2代目 2020年モデルの特徴
中空構造を採用
P770アイアンは、2代目とは呼び難いぐらい大きく変わりました。引き継がれているのは、ブレード長(77)と7番以降のロフト角ぐらいではないかと思います。
上の写真がほぼ全てを物語っていまして、一つずつ解説していきます。
まず、アイアンの特徴を大きく左右する形状ですが、これまでの軟鉄鍛造ボディーから中空構造に変更されています。
中空と言っても、ソールは分厚くなく、マッスルバックに近いシャープでかっこいい形状になりました。
外観を重視される上級者にも、すんなりと受け入れられるフォルムです。
スピードフォーム充填剤によりフィーリングも重視
アスリート向けアイアンで中空となると、飛距離性能が高くなるのは容易に想像できます。気になるのは打感・打音です。
中空の内部にはスピードフォームと呼ばれる素材が充填されていて、制振効果を発揮してくれます。
インパクトの際の無駄な振動が抑えられますので、バチーンという超弾きな感覚ではなく、一枚物の軟鉄アイアンとは違いますが、柔らかさが備わっています。
ただ、弾き感が少しあるのは否めず、それが逆に飛距離性能の高さの表れでもあります。
タングステンウェイトによる寛容性
中空の利点は、クッション素材だけではありません。
内部には最大で最大46.5gのタングステンウェイトが搭載されていて、寛容性が備わっています。
ヘッドが小ぶりで、ネックもほぼストレートで、操作性がありますが、オートマチックに何でもかんでも真っ直ぐではありませんが、ある程度の寛容性があります。
クラブに少しお助け要素が欲しい、飛距離を補って欲しいという方に適しています。
スピードポケットを搭載
アベレージゴルファー向けのMシリーズの方のアイアンでは、スピードポケットと呼ばれる溝構造がソールに搭載されていて、寛容性と反発性が高めてあります。
Pシリーズには採用されていませんでしたが、中空構造のP770アイアンでは、スピードポケットが搭載されています。
これにより、フェース下目でのヒットに強さを発揮してくれますので、寛容性アップにつながっています。
P770アイアン 2020年モデルと2017年モデルの違い
P770アイアンの2代目(2020)と初代(2017)モデルとの違いについて、比較しながらみてみましょう。
構造が全く異なる
ボディそのものは、軟鉄鍛造から中空に大きく様変わりしています。初代の方は打感が備わっていて、スピンが入って狙いやすく、2代目の方は打感が硬めで飛距離が出ます。
こちらは横から見た映像を並べたものです。縮尺が異なりますので、大きさは比較できませんが、2代目の方は中空構造の仕掛けの入れやすさを活かして、トゥ側にもネジ状のウェイトが搭載されています。
アイアンはネック寄りに重量が集まりですが、トゥ側にウェイト負荷を持たせることで、芯をよりフェースセンターに近づける働きがあります。
2代目はスピードポケットを搭載
こちらはソールからの映像を並べたものです。
右の2代目の方は、テーラーメイドならではの構造であるスピードポケットが、アスリート向けアイアンでありながら採用されています。
中空構造が採用されることで、こういった細工のしやすがあり、搭載に至ったのではないかと思われます。
スピードポケットがソールに備わることで、寛容性や飛距離性能が高まるだけでなく、特にフェース下目でのミスヒットに強さを発揮してくれます。
スペックの違い
▼P770の初代・2代目のロフト角の比較
番手 | 初代 | 2代目 |
---|---|---|
#3 | 20.5 | 19.5 |
#4 | 23 | 22.5 |
#5 | 26 | 25.5 |
#6 | 29.5 | 29 |
#7 | 33 | 33 |
#8 | 37 | 37 |
#9 | 41.5 | 41.5 |
PW | 46 | 46 |
7番以降のロフト角は同じですが、それより前のロング・ミドルアイアンでは、2代目の方が0.5~1°フェースが立っています。
リニューアルにより、より飛距離性能を高めた仕様になっています。
P770アイアンの2代目 2020年モデルの試打・評価
P770アイアンをトラックマンで計測試打・評価
- P760には弾き感が無く、飛ばすアイアンではない。飛ぶ感覚が要らない人向け。
- P770の方は弾いて、高さが出る。シャープな形状が良いが、クラブに助けて欲しい人向け。
- 打感はP760とP770は全くの別物。
- P770は軟鉄鍛造のマッスルバックような柔らかさはないが、中空タイプなのにこんなに柔らかいことに驚き。
P770アイアン 2020をヘッドスピードを変えて試打
- 見た目以上にやさしく、スイートエリアが広く、球がとても上がりやすい。
- 打ち込んでも、払っても、どちらでも打てる。
- ドライバーのヘッドスピードで43m/sぐらいあれば、十分、使いこなせる。
- 打音は、やや弾き系で、中空ならでは。弾き系とは言っても、インパクトの時にボールを包み込む感覚もしっかりある。
- 前作のP770より、はるかに簡単。
P770アイアンの2代目 2020年モデルのクラブスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
#3 | 19.5 | 60.5 | 39 |
#4 | 22.5 | 61 | 38.5 |
#5 | 25.5 | 61.5 | 38 |
#6 | 29 | 62 | 37.5 |
#7 | 33 | 62.5 | 37 |
#8 | 37 | 63 | 36.5 |
#9 | 41.5 | 63.5 | 36 |
PW | 46 | 64 | 35.75 |
P770アイアンの2代目 2020年モデルのシャフトスペック
公式サイトで掲載されているシャフトは、スチールが2種類です。
<NSプロ MODUS3 ツアー105>
硬さ | 重さ | トルク | 調子 |
---|---|---|---|
S | 106.5g | 1.7 | 元 |
<ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー>
硬さ | 重さ | トルク | 調子 |
---|---|---|---|
S200 | 131g | - | 元 |
P770アイアンの2代目 2020年モデルの発売日・発売価格
P770アイアンの2代目 2020年モデルの発売日は、2020年9月11日です。発売価格は以下の通りです。
- 6本セット(5~PW):¥156,000(税抜き)
- 単品(3、4番):¥26,000(税抜き)