ドライバーをニューモデルの新品で購入すると、殆どのモデルが7~9万円ぐらいです。一方で、例外的に安いものもあれば、反対に超高級なものもあります。
ドライバーの値段と飛距離は関係があるのか?
こんな素朴な疑問に対して、6000円のドライバー、超高級な25万円のドライバー、そして、2021年の大人気ドライバーの3本で、飛距離を打ち比べてした企画がユーチューブにアップされていました。
なかなか興味深い結果となっていますので、詳しく取り上げてみます。
目次
6千円と25万円のドライバーで、飛距離を実際に比べてみた動画
こちらが激安ドライバー、一般的な人気ドライバー、超高級ドライバーで、飛距離を比較検証している動画です。
「値段と飛距離は関係があるのかどうか?」
「高いドライバーは、飛ぶのか?」
「安いドライバーは、飛ばないのか?」
この疑問を検証すべく、価格に差のある3本のドライバーで、飛距離を計測されています。
クラブを試打しているのは、試打ラボしだるTVでもお馴染みの石井プロです。
比較試打の結果については、以下にまとめましたが、お時間がある方は、動画をゆっくりご覧頂ければと思います。
検証した3本のドライバー
飛距離を検証したドライバーは、以下の3本です。
- 6000円:TEC プラス チタニウム マトリックス
- 約8万円:SIM2 MAXドライバー
- 約25万円:マジェスティ プレステジオ11ドライバー
激安なものは1万円を大きく切る6000円、反対に高級なものは、ゴージャスクラブで知られるマジェスティプレステジオの11代目ドライバーで、お値段は約25万円です。
もう一方、一般的なドライバーとして、2021年の大ヒットモデル、テーラーメイドのSIM2 MAXドライバーで、お値段は定価で約8万円です。
TEC プラス チタニウム マトリックス
こちらは激安代表のドライバーです。動画では、1万円を大きく切る6000円で購入されたそうです。
筆者がamazonで探してみたところ、17057円でしたが、いずれにしても相当に激安なことには違いありません。
マジェスティプレステジオ 11ドライバー
こちらは高級代表のドライバーです。高級クラブとしては有名なマジェスティゴルフのフラッグシップモデルで、お値段はなんと25万3000円です。
普通のドライバーが3~4本買えてしまうお値段です。
SIM2 MAXドライバー
高級でも激安でもなく、一般的なドライバーで人気のモデルとして、2021年の大ヒットモデルです。
激安・高級の2本が、あまりにも上下に振れ過ぎているので、普通がどうか分かるように恐らく3本目に入れているのでしょう。
激安・普通・高級の3本のドライバーの飛距離の結果
▼飛距離計測結果
ドライバー | ヘッドスピード | ボールスピード | ミート率 | スピン量 | キャリー | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|
SIM2 | 42.6 | 61.4 | 1.44 | 2840 | 213.8 | 239 |
〃 | 43.6 | 63.6 | 1.46 | 3066 | 228.8 | 248.7 |
Majesty | 44.9 | 65 | 1.45 | 3244 | 233.5 | 252.5 |
〃 | 47.2 | 66.5 | 1.41 | 2711 | 244 | 267.3 |
TEC | 43.5 | 62.9 | 1.45 | 3868 | 214.9 | 233.2 |
〃 | 44.8 | 63.6 | 1.41 | 2850 | 229.6 | 251.4 |
〃 | 44.9 | 64.3 | 1.43 | 3481 | 227.7 | 244.9 |
〃 | 45 | 64.2 | 1.42 | 3170 | 233.7 | 250.5 |
〃 | 47.9 | 68.2 | 1.42 | 4126 | 238.7 | 250.2 |
単純に飛距離の結果だけ見れば、以下のような結果になります。
- 超高級クラブは飛ぶ
- 超激安クラブは飛ばなくない
ただ、ヘッドスピードの違いがありまして、SIM2 MAXは一般的なヘッドスピードで打っていて、マジェスティは少し速め、TECはかなり速めでも振っています。
ヘッドスピードが同じだと、飛距離に差が出る
▼SIM2 MAXとTEC
ドライバー | ヘッドスピード | ボールスピード | ミート率 | スピン量 | キャリー | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|
SIM2 | 43.6 | 63.6 | 1.46 | 3066 | 228.8 | 248.7 |
TEC | 43.5 | 62.9 | 1.45 | 3868 | 214.9 | 233.2 |
こちらは、SIM2 MAXとTECで、ヘッドスピードが43.5ぐらいの同じ飛距離データを比較したものです。
総飛距離で言うと、15ヤード以上の差が出ています。
その要因としては、ヘッドスピードが同じにもかかわらず、ボールスピード・ミート率に差が出ていること、TECの方はスピン量が多いことが挙げられます。
▼MajestyとTEC
ドライバー | ヘッドスピード | ボールスピード | ミート率 | スピン量 | キャリー | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|
Majesty | 44.9 | 65 | 1.45 | 3244 | 233.5 | 252.5 |
TFC | 44.9 | 64.3 | 1.43 | 3481 | 227.7 | 244.9 |
次は、MajestyとTECのデータです。同じ44.9というヘッドスピードでの試打がありましたので、その結果を比較しました。
やはり、ボールスピードとスピン量に差があり、その結果、7ヤード以上の飛距離の差が出ています。
テーラーメイドのSIM2シリーズは、低スピン性能に優れていますし、マジェスティゴルフは独自のフェース設計に特徴があります。
有名ブランドのモデルは、研究開発がとても進んでいますので、同じ条件の場合、弾道・飛距離に大きく差が出ることが分かります。
激安ドライバーは、ヘッドスピードを上げても飛ばない
▼TECの試打データ
ドライバー | ヘッドスピード | ボールスピード | ミート率 | スピン量 | キャリー | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|
TEC | 43.5 | 62.9 | 1.45 | 3868 | 214.9 | 233.2 |
〃 | 44.8 | 63.6 | 1.41 | 2850 | 229.6 | 251.4 |
〃 | 44.9 | 64.3 | 1.43 | 3481 | 227.7 | 244.9 |
〃 | 45 | 64.2 | 1.42 | 3170 | 233.7 | 250.5 |
〃 | 47.9 | 68.2 | 1.42 | 4126 | 238.7 | 250.2 |
TECの試打・計測データで注目したいのは、ヘッドスピードを徐々に上げて行っても、飛距離が伸びてこず、殆ど変わらない点です。
最後の5回目の試打では、ヘッドスピードが47.9m/s出ていて、ハードヒッターのスイングですが、飛距離は250ヤードです。
結果につながらない原因としては、ヘッドスピードが上がると、スピン量が上がってしまっている点が挙げられます。
キャリーは伸びているものの、スピンが入る過ぎることで球が吹けてしまい、ランが出ず、トータル飛距離は伸びないという残念な結果となっています。
▼SIM2 MAX・Majestyの試打データ
ドライバー | ヘッドスピード | ボールスピード | ミート率 | スピン量 | キャリー | トータル |
---|---|---|---|---|---|---|
SIM2 | 42.6 | 61.4 | 1.44 | 2840 | 213.8 | 239 |
〃 | 43.6 | 63.6 | 1.46 | 3066 | 228.8 | 248.7 |
Majesty | 44.9 | 65 | 1.45 | 3244 | 233.5 | 252.5 |
〃 | 47.2 | 66.5 | 1.41 | 2711 | 244 | 267.3 |
一方、SIM2 MAXやマジェスティプレステジオ11の方は、ヘッドスピードを上げてもスピン量が増えすぎることが無く、キャリー、トータルともにしっかり伸びています。
ちなみに、マジェスティプレステジオの方は、ヘッドスピードを47.2まで上げると、ミート率が1.41とやや低くなっています。
これは、ここまでのハードヒッターが想定ユーザーではないため、この水準のヘッドスピードに対応したフェース設計を採用していないためと思われます。
とは言え、激安ドライバーでも250ヤード飛んでいる
ただ、激安ドライバーであっても、ヘッドスピード43.5で233ヤード、45で250ヤードという結果も出ています。
値段が6000円であることを考えれば、8万円や25万円との価格差からすると、随分頑張っている結果とも言えます。
この飛距離データだけを見る限りでになりますが、予算をできるだけ抑えたい方にとっては、十分、検討可能な選択肢ではないでしょうか?
注意点としては、TECのドライバーは320gあるのではないか?つまり、重たいと述べられています。
一般的なドライバーが290~300gですから、320gはかなり重たいドライバーとなります。この重たさのドライバーを使いこなすには、体がしっかりしている方、パワーがある方など、少し対象ゴルファーが限定されてきます。
また、ヘッドスピードが速すぎると吹けてしまいますので、45m/sぐらいまでの方という条件も加えておいた方が良さそうです。
まとめ
6000円・8万円・25万円のドライバーで、飛距離に差が出るかを検証した動画を取り上げました。
試打データを深堀りしてみると、やはり、反発性能、低スピン性能などで差が出るようです。
動画の中で石井プロが述べられていましたが、価格を抑えるのであれば、同程度の価格の中古ドライバーを探してみると良いと思います。