テーラーメイドから発売のステルスアイアンとステルスグローレアイアンについて、違いを解説します。
ステルスアイアンとステルスグローレアイアン
ステルスアイアンとステルスグローレアイアンは、どちらも2022年に発売のモデルです。
ステルスグローレの方は、グローレにステルスの最新テクノロジーを搭載したモデルのため、厳密にいうとステルスシリーズではなくグローレシリーズとなります。
同様のコンセプトで生まれたグローレ融合モデルは、これまでMグローレ、SIMグローレがあり、ステルスグローレは3作目となります。
グローレはアジア市場専門に展開していて、軽量でやさしいという特徴がベースにありますので、グローレ融合モデルは日本人がとても扱いやすく感じられ、評価が高く人気もあります。

ヘッド形状はステルスの方がシャープ
▼ステルスアイアン
▼ステルスグローレアイアン
ヘッド形状については、ステルスアイアンの方はシャープでコンパクトに仕上がっていて、反対にステルスグローレアイアンの方はブレードが長く全体的に丸みを帯びています。
フェース形状にはかなり違いがありますので、好き好きが分かれてくるところだと思います。
ソールについては、ステルスグローレの方がかなりワイドソールになっていますので、ダフリにくく、寛容性にも優れています。
いわゆる優しさ重視の方は、ステルスグローレアイアンの方がミスを救ってくれます。
クラブ重量はステルスグローレの方が軽い
▼カーボンシャフトでのクラブ重量の違い
モデル | ステルス | ステルスグローレ |
---|---|---|
7番 S | 372g | - |
7番 SR | - | 358g |
7番 R | 366g | 353g |
上表は純正のカーボンシャフトを装着した場合のクラブ重量を比較したものです。
同じRスペックでみると、ステルスの方は366gで、ステルスグローレの方は353gで、13gの違いがあります。
そもそもグローレはアジア市場向けで、日本人の体格に合わせた振りやすいクラブ設計が採用されています。
軽いクラブで楽に振りたい方で、ゼクシオやPHYZアイアンなどが使いやすいと感じられる方は、ステルスグローレアイアンの方が振りやすいと思います。
ロフトはステルスグローレの方が立っている
▼ロフト角の比較
番手 | ステルス | ステルスグローレ | 差 |
---|---|---|---|
#5 | 21° | 21° | 0° |
#6 | 24° | 24° | 0° |
#7 | 28° | 27° | 1° |
#8 | 32° | 31° | 1° |
#9 | 37° | 36° | 1° |
PW | 43° | 41° | 2° |
AW | 49° | 47° | 2° |
SW | 54° | 54° | 0° |
ステルスアイアンとステルスグローレアイアンは、どちらも番手が5~9番・P・A・Sと同じセッティングになっています。
ロフト角も5番の21°から始まって、SWは54°になっていますが、間の番手のロフトの持たせ方に違いがあります。
7番~AWまで、ステルスグローレアイアンの方が1~2°ストロングになっていて、短い距離での飛距離性能を持たせたスペックになっています。
どちらもロフト以上に球を上げやすい
テーラーメイドのディスタンス系アイアンと言えば、SIM2 MAX OSアイアンがとても評価の高いモデルで、7番のロフト角は25.5°と強烈なストロング仕様でした。
2022年のニューモデルのアイアンでは、このようなストロングロフトのアイアンは無く、テーラーメイドとしてはぶっ飛び系を控え、アイアンらしい弾道を追い求めているようです
それでも、7番のロフト角はステルスで28°、ステルスグローレで27°ですから、このスペックだけみるとディスタンス系です。
ただ、実際に打ち出される弾道は、軽量化と低重心化により、ロフト以上に球が上がりやすく、しっかり高さを出しやすくなっています。
それよりなにより、バチーンと強く前に飛ばしたいという飛距離最優先の方は、一つ前のモデルとなるSIM2 MAX OSアイアンの方を検討されることをオススメします。

打感はステルスの方が柔らかい
打感・打音については、ステルスアイアンの方がソフトに感じられます。
ステルスアイアンのヘッド内部には、エコーダンピングシステムがフェース裏側に幅広く搭載されています。
インパクトの際に生じる衝撃を吸収してくれますので、ディスタンス系でありながら、フィーリングにも配慮された構造となっています。
ステルスグローレの方は、グリップが握りやすい
▼ステルスグローレのグリップ
ステルスグローレアイアンの方のグリップは、公式サイトでバックラインありとは記されていませんが、裏面に握りをサポートするような形状が施されてあります。
ラムキンの説明を見ると、同種の形状のグリップについて、「独自開発の全く新しいバックラインを備えたグリップ」「従来のバックラインよりも、握った際により分かりやすい」と説明があります。
好き好きがありますが、バックラインがある方が握りやすい方は、ステルスグローレの方がしっくりくると思います。
ステルスアイアンとステルスグローレアイアンのスペックの違い
クラブ長さは同じですが、ロフト角はステルスグローレアイアンの方が下の番手で1~2°立っています。
ステルスアイアンのスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
#5 | 21 | 62 | 38.5 |
#6 | 24 | 62.5 | 37.875 |
#7 | 28 | 63 | 37.25 |
#8 | 32 | 63.5 | 36.75 |
#9 | 37 | 64 | 36.25 |
PW | 43 | 64.5 | 35.75 |
AW | 49 | 64.5 | 35.5 |
SW | 54 | 64.5 | 35.25 |
ステルスグローレアイアンのスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
#5 | 21 | 61 | 38.5 |
#6 | 24 | 61.5 | 37.875 |
#7 | 27 | 62 | 37.25 |
#8 | 31 | 62.5 | 36.75 |
#9 | 36 | 63 | 36.25 |
PW | 41 | 63.5 | 35.75 |
AW | 47 | 63.5 | 35.5 |
SW | 54 | 63.5 | 35.25 |
カーボンシャフトについては、ステルスがTENSEI RED TM60で、ステルスグローレがFUJIKURA SPEEDER NX for TMとなっています。
ステルスの方は中調子なのに対して、ステルスグローレの方は先中調子になっていますよで、よりヘッドの走りを活かしやすいタイプとなっています。
また、シャフト重量は同じRスペックで、ステルスの方が9g重くなっています。そして、グリップも5.5g重くなっていて、クラブ重量の13gの差の大半がシャフト・グリップにあります。
そのため、バランスはAWの1ポイント違いを除くと、残りの全ての番手は同じため、ステルスとステルスグローレでヘッドの重量感はほぼ同じになっています。
SIMグローレからの移行は、積極的にはオススメしない
SIMグローレとステルスグローレは、性能的には大きな変化は感じられない方が多いと思います。また、昨今の物価上昇によりステルスグローレの発売価格は値上がりしています。
逆に、コスパの良さからSIMグローレの方を検討されることをオススメします。
また、SIMグローレを所有していて買い替えを悩まれている方は、少しでも打感が柔らかい方が良いという方以外は、積極的には移行をオススメしません。
SIMグローレに不満があるという方は、ステルスアイアンやSIM2 MAXアイアンを含めて検討されることをオススメします。

