「つかまりの良さ」と「高弾道」で人気を集めたブリヂストンの「B2HT」ドライバー。 その後継として登場した「BX2HT」ドライバーは、直進性と飛距離性能をさらに高めた“正統進化”モデルです。
本記事では、「B2HT」と「BX2HT」の違いにフォーカスして、「どこが変わったのか」「どちらが自分に合うのか」を解説します。
構えた瞬間に違いが見える|外観・形状の変化
※左からBX2HT、B2HT
ブリヂストンの「2」のモデルは、つかまりの良さを備えたドライバーで、その基本思想は2025年モデルの「BX2HT」でも継承されています。
※左からBX2HT、B2HT
2023年モデルの「B2HT」は丸みのあるヘッド形状で、フェースがやや被って見えるのが特徴的。構えた瞬間に「つかまる」イメージが持てるため、スライスに悩むゴルファーにとって安心感があります。
一方、「BX2HT」は輪郭がシャープで、フェースの向きも比べるとスクエアに見えやすくなっています。構えたときの収まりが良く、ターゲットに対して真っすぐ構えやすい形状です。
どちらもヘッド後方の最深部がヒール寄りに偏っていますので、つかまりの良さは歴然ですが、どちらかと言えば、2023年モデルの「B2HT」の方がドローバイアスを感じられる形状です。
※左からBX2HT、B2HT
つかまりを持たせたドライバーは、極端なシャローバックが多いですが、「BX2HT」「B2HT」のどちらもヘッド厚が程よくあります。
なお、ヘッド後方の最深部は、「BX2HT」の方がやや持ち上がって見え、全体的にぷっくりしてみえます。
この形状変化は、通常、”ヘッドの機敏さ”と”スピン量の低下”を生み出しますので、ヘッド特性としては、「BX2HT」の方が”操作性”と”低スピン性能”で有利に働きます。その意味では、アスリート寄りになったと言って良いでしょう。
打ってみて分かる”フィーリングの差
「BX2HT」と「B2HT」では、打感・打音に明確な違いがあります。以下にそれぞれの特徴を整理します。
<B2HTドライバー>
- 軽めで弾くような打感
- 芯を外しても硬さを感じにくい設計
- やや高めの金属音で、爽快感がある
<BX2HTドライバー>
- 押し込むような打感で、芯を喰う感覚が強い
- 打音は低めで重厚感があり、集中力を保ちやすい
- 手に残る粘りと沈み込みがあり、乗せる感覚もある
打感は人によって良し悪しの評価も含め、感じ方は千差万別ではありますが、「B2HT」は軽快で爽快、「BX2HT」はソリッドで重厚に感じられる方が多いと思います。
それぞれのモデルで“気持ちよさ”の質が異なるため、打感にこだわる方は、ぜひ実際に試打クラブで打ってみることをおすすめします。
内部構造とテクノロジーの違い
両モデルとも、やさしさと飛距離性能を両立する設計ですが、内部構造には進化があります。
項目 | B2HT | BX2HT |
---|---|---|
フェース | スリップレスバイトミーリング | バイティングフェース2.0(密度UP) |
重心設計 | 深重心 | セミモノコック構造 |
打点許容性 | 高い | より高い |
「BX2HT」では、上下方向の慣性モーメント(MOI)を強化することで、上下の打点ズレに対する寛容性が向上が感じられます。これにより、弾道の再現性が高まり、縦距離のバラつきが抑えられる設計となっています。
さらに、セミモノコック構造の採用により、ヘッド剛性と反発効率が最適化されていて、フェース全面での初速性能が進化しています。
単なる“やさしさ”ではなく、打点のばらつきに対して構造的に納得感のある設計へと”正統進化”しています。
弾道データで紐解く!BX2HT vs B2HTのチューニング傾向
「BX2HT」と「B2HT」はどちらも高弾道を謳っていますが、弾道の出方には違いがあります。
2025年モデルの「BX2HT」は上下MOIを高めることで、打点の上下ズレに強く、スピンを抑えながら高さを出す設計です。
一方、2023年モデルの「B2HT」は左右MOIを重視し、つかまりと高さを優先する設計で、スピン量はやや多めです。
項目 | B2HT(2023) | BX2HT(2025) |
---|---|---|
打ち出し角 | やや控えめに上がる | 高めに押し出す |
スピン量 | 空中でよく浮くが、吹けやすい | 前に進む力が強く、風に強い |
キャリー | 高さで稼ぐが、伸びは控えめ | 高さ+前進力でしっかり伸びる |
トータル距離 | 止まりやすく、ランは少なめ | 着地後もよく転がり、飛距離が伸びる |
到達高度 | 高く舞い上がる | 高さは出るが、軌道は抑えめで直線的 |
降下角度 | 落ち際が急で止まりやすい | 滑るように浅く落ち、ランにつながる |
※主要レビュー記事やスペック情報をもとに、傾向の違いを整理
「BX2HT」は押し出すような高弾道、「B2HT」は舞い上がるような高弾道です。
どちらも高弾道ですが、その“高さの質”が異なるため、プレーヤーの打ち方や求める弾道によって選ぶべきモデルは変わってきます。
BX2HT(2025) vs B2HT(2023)|どちらを選ぶべきか?
BX2HTドライバー(2025)
特徴と選びどころ
「高さと前進力の両立」「打点ズレへの強さ」。これらを重視する方におすすめのドライバーです。
- 上下MOIを高めた設計で、打点の上下ズレに強く芯を外しても安定
- 高めの打ち出し角と抑えたスピンで、キャリーとランのバランスが良い
- カーボンセミモノコック構造により、打感と剛性の両立
- スリーブ調整+ウェイト交換で、弾道チューニングの自由度が高い
おすすめしたいゴルファー像
- 高弾道で飛距離を伸ばしたい方
- 打点のばらつきに悩みたくない方
- キャリーとランの両方を活かしたい方
- 厚みのある打感が好みの方
- 弾道調整機能を積極的に使いたい方
B2HTドライバー(2023)
特徴と選びどころ
「高さとつかまりの安心感」「空中で止まる球」。これらを求める方におすすめのドライバーです。
- 高スピン・高弾道設計で、球がよく上がり、キャリー重視の弾道
- 左右MOIを重視し、直進性と寛容性が高い
- つかまりやすく、スライス傾向の方にも安心
- 固定ウェイト設計で、シンプルに使いやすい
おすすめしたいゴルファー像
- 球が上がりづらいと感じている方
- キャリーでしっかり飛ばしたい方
- 軽快な打感が好みの方
- スライスを抑えたい方