最近のドライバー市場は、実に様々なテクノロジーが登場しています。これまではスイートスポットの拡大、スリット、フェースの偏肉など、反発性能とミス許容度の競争が多く、最近では、キャロウェイのJAIL BREAKテクノロジー、テーラーメイドのハンマーヘッドなど、ヘッドの撓みにフォーカスしたモデルが増えています。
そんな中、テーラーメイドが搭載した驚きのテクノロジーが「ツイストフェース」です。実はこのツイストフェース、筆者としては思っていたのと反対の仕様になっていましたので、ツイストフェースの仕様と効果について掘り下げてみました。
ツイストフェースの解説の前に、バルジとロールとは!?
まず、ツイストフェースにいくまえに、従来のフェースについておさえておきましょう。従来のフェースは、フェースセンターを頂点としてこんもりした形をしています。いわゆる、バルジとロールです。
出典:http://www.bs-sports.co.jp/callcenter/question/golf/club/basic_knowledge/head/head11.html
こちらのブリヂストンの画像を見て頂くとよりイメージできると思います。丸いものを丸いもので叩くという、より難しくしてるようにも思えます。しかし、ハンマーは打面が丸くなっていますし、バットも丸くなっています。
これは、打点が定まらないがために、それに対応すべく丸まっています。(実はこれが後述するツイストフェースの不思議を解き明かすポイントになってきます)
ツイストフェースの仕様
さて、ツイストフェースですが、フェースがねじれているのは名前からも明らかです。ポイントはどの方向にねじれているかです。
ハイトゥ、ローヒールが沈み込む方向にねじられています。バルジやロールのような丸みが、ハイトゥ、ローヒールで強調される形になっています。
では、フェースをツイストする理由は?
テーラーメイド社では、今回のM3ドライバー、M4ドライバーの開発にあたって、50万発にも及ぶ打球データを解析しました。その結果、90%のゴルファーの打点がハイトゥ、ローヒールによるということが分かりました。そして、この偏りに対応すべく、ツイストフェースという結論に至ったわけです。
ツイストは逆にすべきでは!?
では、ハイトゥやローヒールと呼ばれる、フェースを向かって前から見た時に左上と右下に打点がある場合、そこがより一層凹んでいる構造になっていたら、ボールの左右・上下への反れが強調されてしまいそうに思いませんか?
実際、マシンによるテストでは、そのようになってしまいます。ですが、ヒューマン、つまり人間の場合は、打点がずれている=スイングも乱れているという傾向があり、マシンによる弾道とは異なってきます。
ハイトゥ、ローヒールはスイングに違いある
人間がスイングする場合、スイング軌道はマシンのようにはなりません。実際は、ハイトゥの場合、フェースが閉じた状態でヒットし、ローヒールの場合、フェースが開いた状態でヒットする、このようなスイングの場合に、ツイストフェースが効果を発揮してくれます。
例えば、ハイトゥでフェースが閉じてヒットした場合、フック気味になってしまいますが、ツイストフェースによりバルジ・ロールが強調されていれば、つかまりが抑えられた弾道を飛ばすことができます。ローヒールではこれが逆に作用しますので、どちらの場合でも弾道がセンターに集まります。
ツイストフェースの効果について
テーラーメイド社による調査では50万発の内、90%が該当する傾向を対象としていますので、極々簡単に考えると、10人に1人はこれに当てはまらないと言えます。
それは、先に述べた打点のバラツキ(ハイトゥ・ローヒール)・スイング(フェースの閉じる・開く)の傾向によりますので、試打の機会を利用して、自分にあっているかを試してみることをおすすめします。