タイトリストから発売の913 D2ドライバー、913 D3ドライバーについて、ロフト角・ライ角、ウェイトの調整機能を取り上げます。
目次
913シリーズのドライバーは2種類ある
タイトリストの913シリーズは、913 D2ドライバーと913 D3ドライバーの2種類が発売されています。
シリーズによっては、D1、D4、D5といったモデルもありますが、913シリーズはD2とD3のみとなります。
なお、タイトリストのゴルフクラブについては、モデル名の最後に添えられた数字が概ね難易度を表しています。対象ゴルファーは、1がアベレージゴルファー、2がアベレージゴルファー~アスリート、3がセミアスリート~アスリート、4がアスリートといった感じで捉えてもらえると良いと思います。
調整機能はロフト角・ライ角、ウェイトの2種類
913シリーズのドライバーには、ネック部分にロフト角・ライ角を調整できる機能、ソール後方にウェイトの重量を調整できる機能が搭載されています。これらの2つの調整機能は、913 D2、D3のどちらにも搭載されています。
ネック部分のロフト角・ライ角の調整機能は、Sure Fit Tourホーゼルと呼ばれるもので、日本では可変スリーブやカチャカチャと呼ばれています。予め定められた16通りのセッティングに切り替えることで、ロフト角・ライ角を変更することができます。
ソールに搭載されたウェイトの調整機能は、Sure Fit Tourウェイトと呼ばれるもので、オプションの別重量のウェイトを購入して、ウェイトを交換することができます。ウェイトの設置場所は変えられないため、ドロー・フェードの調整は行えませんが、重心深度が変わり、スピン量やバランスを変えることができます。
Sure Fit Tourホーゼルによるロフト角・ライ角の調整方法
Sure Fit Tourホーゼルの仕組み
Sure Fit Tourホーゼルは、シャフトの先端にあるSure Fit Tourスリーブ、スリーブとヘッドの間に挟まるSure Fit Tourリングの2つで構成されています。
スリーブとリングには、それぞれ4種類のポジションがあり、その組み合わせにより、4×4=16通りのセッティングが可能となっています。
スリーブには1、2、3、4、リングにはA、B、C、Dの設定ポイントがありますので、組み合わせにより、上図の通りロフト角・ライ角を標準値から増減させることができます。
▼後継モデルの917シリーズの動画ですが、互換性があり同様の仕組みです。
他メーカーの一般的な可変スリーブは、調整リング無いタイプが殆どで、その場合、ロフト角とライ角を別々に調整することができず、ロフト角とライ角の組み合わせが予め決まった中から選択する形となります。
タイトリストのロフト角・ライ角の調整機能は、自由度が高い点が特徴です。
Sure Fit Tourホーゼルによるロフト角・ライ角の調整内容
(右用)ロフト角\ライ角 | +1.5° | +0.75° | 標準 | -0.75° |
---|---|---|---|---|
+1.5° | A3 | B3 | A4 | B4 |
+0.75° | D3 | C3 | D4 | C4 |
標準 | A2 | B2 | A1(標準) | B1 |
-0.75° | D2 | C2 | D1 | C1 |
上表は右利き用の設定値です。A1がスタンダードポジションとなりますので、調整の際にはここを基点として考えます。
少し分かりづらい印象がありますが、数字で弾道グループを4タイプに分けて、アルファベットで0.75°の調整があると考えると分かりやすいです。
- 1:ローフェード、2:ロードロー、3:ハイドロー、4:ハイフェード
- ロフト角:A=B>C=D
- ライ角:A=D>B=C
なお、左用は設定値が以下の通り異なっていますのでご注意ください。
(左用)ロフト角\ライ角 | -0.75° | 標準 | +0.75° | +1.5° |
---|---|---|---|---|
+1.5° | C1 | D1 | C2 | D2 |
+0.75° | B1 | A1 | B2 | A2 |
標準 | C4 | D4(標準) | C3 | D3 |
-0.75° | B4 | A4 | B3 | A3 |
Sure Fit Tourホーゼルによるロフト角・ライ角の調整方法
ロフト角・ライ角の調整方法は3つの手順で行います。
- 専用レンチをソール側から挿し込み、反時計回りに回転させて緩める。
- リング、スリーブを回転させ、好みのセッティングに変える。
- 再び専用レンチをソール側から挿し込み、時計回りに回転させて締める。(カチッと音がするまで回す)
Sure Fit Tourホーゼルの互換性
可変スリーブが搭載されているゴルフクラブでは、スリーブの互換性がある場合があります。メーカーによっては、全く同じ種類のクラブでさえ、互換を公式に認めていないケースがあり、取り扱いはまちまちです。
タイトリストでは、スリーブの互換について公式に説明がなされていて、互換があるモデルについて公表されています。
913 D2・D3のSure Fit Tourホーゼルは、以下のモデルと互換があります。
- 910、913、915、917(D2・D3)
- TS(1・2・3・4)
- VG3(2014・2016・2018)
Sure Fit Tourウェイトの調整方法
SURE FIT Tourウェイトの仕組み
Sure Fit Tourウェイトは、913 D2・D3ドライバーのソール後方に搭載されています。
調整を行う場合、別重量のウェイトをオプション購入し、専用レンチを用いて取り換えることで行うことができます。
Sure Fit Tourウェイトによる弾道の調整内容
ウェイトは、4g(白)、7g(緑)、9g(赤)、11g(青)、14g(黒)の5種類があります。形状は同じですが色で識別することができます。標準は9g(赤)で、その他のウェイトは別売りで、1つ1600円+税です。
ウェイトの装着箇所はソール後方のセンター1箇所となりますので、左右の重心バランスを変更してドロー・フェードにすることはできません。
センターにあるウェイトの重量のみの変更となりますので、バランスを変更し、ヘッドの重量感、クラブの振りやすさを調節することができます。
公式の取り扱い説明書には記載がありませんが、重心深度が変わってきますので、スピン量の変更も期待できると思います。
ウェイト | 4g | 7g | 9g | 11g | 14g |
---|---|---|---|---|---|
バランスの変化 | -3 | -1 | 0 | +1 | +3 |
Sure Fit Tourウェイトによる弾道の調整方法
ウェイトの交換は3つの手順で行います。
- 専用レンチをウェイトのネジ穴に挿し込み、反時計回りに回す。
- 既存のウェイトを取り外し、新たなウェイトを設置する。
- 再び専用レンチをウェイトのネジ穴に挿し込み、時計回りに回転させて締める。(カチッと音がするまで回す)