キャロウェイから大きいゴルフボール「スーパーソフト MAXボール」が発売されています。
大きいことで生まれるメリット・デメリットなど、取り上げてみたいと思います。
目次
スーパーソフト MAXボールは3%大きい
スーパーソフト MAXボールは、2021年3月5日に発売の新たなボールです。スーパーソフト MAGNAボールの後継に当たります。
このボールの特徴は大きさにありまして、ノーマルなタイプと比べると、約3%大きく作られています。
ボールが大きくなることで、メリット・デメリットがありますので、特徴がピタッとあう方には注目のボールです。
特に、フェアウェイウッドやユーティリティなど、芝の上から打つショットが苦手な方にはオススメしたいボールです。
このボールの解説というより、ボールのサイズに関するルールや、大きいことでどんなメリット・デメリットがあるかについて、解説します。
ゴルフボールは、重さ・大きさの規定があるが、上限は無い!
ゴルフボールは、全て、同じ大きさと思っている方もいると思いますが、実は、規程上、大きさは一定に定められているわけではありません。
規程では、重さが1.62オンス(45.93g)以下、大きさが直径1.68インチ(42.67mm)以上というものがあります。ちなみに、硬さ(柔らかさ)に関する規則はありません。
つまり、直径が42.67mm以上であれば、いくら大きくても構わないということになります。そのため、3%大きなゴルフボールということが実現しますし、ルール違反でもありません。
カップにも大きさ規程がある
ボールの大きさに上限が無いとなると、サッカーボールぐらい大きくても良いのか?と考える方もいると思います。
そもそも、サッカーボールぐらいにすると、デメリットが出まくりますので、良いことは「目立つ」以外、無いと思いますが、それ以外にも致命的な問題があります。
実は、カップの方にも規程がありまして、こちらが直径108mmと決められています。
しがたい増して、108mmより大きなボールを使うと、カップインできないという事態に陥ります。ある意味、「無限ゴルフ」ですね。
そのため、理論上、ボールの大きさは42.67mm~10.8mmでなければならないということになります。
ボールが大きいことのメリット・デメリット
それでは、ボールが大きいとどういうことになるか見ていきましょう。
長所の裏は短所、短所の裏は長所ですので、メリット・デメリット両方があります。
メリット
まず、ボールが大きいことのメリットですが、単純に直径が大きいことで、ボールを地面に置いた時の高さも高くなります。
ボールの中心(重心)も高くなりますので、ドライバーショットで言えば、ティーを高くする効果が生まれます。
ドライバーショットであれば、何もボールの大きさで高さを調整するという面倒なことをする必要はありませんが、ラフなどにあるボールを打つ時は、ボールが大きいことで捉えるべき位置が高くなります。
フェアウェイウッドやハイブリッドで、球が上りにくいという方、原因が地面にボールがあることであれば、大きいボールを使うことで打ちやすくなる可能性があります。
ちなみに、スーパーソフト MAXボールで、どのぐらいボールの中心位置が高くなるかについては、この後、試算していますので、興味がある方はご覧になってみてください。
また、ボールが大きくなることで、安心感が生まれる方もいると思います。「ゴルフってボールが小さいな」と感じられる方は、プラスの効果が生まれそうです。
デメリット
反対にデメリットとしては、飛距離に表れてきます。一般に、よく飛ぶボールというのは、小さくて重いものと言われています。
大きくなると、空気抵抗が大きくなりますので、飛距離ダウンの要素となります。
それを補うぐらいの重さがあれば、飛距離アップも理論上有り得るかもしれませんが、既に一般的なボールは最適設計されていますので、過剰に大きくして重くし過ぎると、恐らく飛距離ダウンの効果の方が勝ってしまうのではないかと思います。
ボールが3%大きくなると、何mmの差が出るか?
「スーパーソフト MAXボール」は約3%大きくなっています。この3%が体積なのか直径なのかの説明が、キャロウェイの発表からは見つかりませんでした。
一般的には体積を表すのではないかと思われますが、体積、直径の両方で、何mmの差が出るかを試算してみます。
標準ボールの大きさは、ルール規程下限の42.67mmとします。
直径が3%アップの場合
もし、3%アップが直径の長さだとした場合、これは話が簡単です。
42.67mm × 103% = 43.95mm
ボールの中心の高さは、半径と等しいですから、
- 標準のボール: 42.67mm ÷ 2= 21.335mm
- 3%拡大ボール: 43.95mm ÷ 2= 21.975mm
半径の差を計算してみます。
21.975mm - 21.335mm = 0.64mm
つまり、0.64mm、ボールの打つべき位置が高くなります。
体積が3%アップの場合
もし、3%アップが体積の場合、先程より計算が少し複雑になります。
体積は単位がmm3で3次元、直径や半径は単位がmmで1次元です。
3%アップ、つまり103%になるということは、長さの3乗で103%になることになります。
103%の三乗根を求めると、
3√103 ≒ 1.01
となります。
つまり、体積103%のボールは、直径が101%になっています。
42.67mm × 101% = 43.1mm
ボールの中心の高さは、半径と等しいですから、
- 標準のボール: 42.67mm ÷ 2= 21.335mm
- 3%拡大ボール: 43.1mm ÷ 2= 21.55mm
半径の差を計算してみます。
21.55mm - 21.335mm = 0.215mm
つまり、0.215mm、ボールの打つべき位置が高くなります。
ということで、3%拡大が直径の場合、半径の場合で、0.64mmと0.215mmですから、約3倍ぐらいの違いになります。
まとめ
キャロウェイの「スーパーソフト MAXボール」について取り上げました。
3%ボールが大きくなるということで、ボールの大きさが変わることによるメリット、デメリットについても取り上げました。
ボールの見え方、高さが変わりますので、大きくなることのメリットに魅力を感じる方は、一度、試されてみては如何でしょうか?