2025年に登場したBXシリーズの「BX1LS」と「BX1ST」は、どちらもアスリートタイプを示す「1」のモデルですが、それぞれ明確な特徴を持っています。
本記事では、この2つのモデルの違いにフォーカスし、「何が異なるのか」や「自分に合うのはどちらか」を徹底解説します。
※「BX2HT(2025) vs B2HT(2023)」に関しては、下記記事をご覧ください。

外観・形状の違い|構えた瞬間に感じるフィット感
※左からBX1LS、BX1ST
BX1LSとBX1STは、2021年のB1ドライバーを系譜とする「1」のモデルですが、タイプが分かれているだけあって形状には明確な違いがあります。
BX1LS|シャープでコンパクトなヘッド形状
BX1LSは、ツアープロや上級者のニーズに応えるべく、シャープで引き締まったヘッド形状を採用しています。
- ヘッドサイズはやや小ぶりで、フェースの輪郭が明瞭
- 操作性を重視した設計で、フェード・ドローの打ち分けにも対応
- 逃げ顔で、左のミスを嫌う方が構えやすい
- トゥ側の高さが抑えられており、スクエアに置きやすい
このモデルは、”弾道をコントロールしたい”方にとって扱いやすさが感じられ、同時に”ヘッドスピードが速め”の方にとって振りやすさが感じられます。
BX1ST|やや大きめで安心感のある形状
BX1STは、ミスへの許容性と安定感を重視した設計で、BX1LSと比べると、より幅広い層のゴルファーに対応しています。
- ヘッドサイズはやや大きめで、フェース面積も広く見える
- トゥ~ヒールのボリューム感があり、スイートスポットの広さを視覚的に感じられる
- 構えたときに包み込むような安心感があり、力まずに振り抜ける
- 中級者でも違和感なく構えられる形状
このモデルは、”とにかくまっすぐ飛ばしたい”、”安心して振りたい”というニーズに応えていて、低スピンながらも、やさしさを取り入れた設計です。
打感・打音の違い|フィーリングで選ぶなら?
ドライバーの性能を語るうえで、打感と打音は「感性に訴える性能」として非常に重要です。数値では表しにくい部分ですが、実際のプレー中の満足度や集中力に大きく影響します。
BX1LSとBX1STは、打感・打音の方向性が明確に分かれていて、フィーリングの好みによって選び方が変わってきます。
モデル | 打感 | 打音 | 傾向 |
---|---|---|---|
BX1LS | ソリッドで芯を感じる | ミュートされた重厚な音 | 操作性・集中力重視 |
BX1ST | ソフトでしっかりした感触 | 小気味よく落ち着いた音 | 安定性・直進性重視 |
BX1LS|芯を喰った感覚と静かな重厚感
BX1LSは、打った瞬間に「芯をとらえた」感覚が手に残る、ソリッドで粘りのある打感が特徴です。
- フェースの剛性が高く、押し出すような感触が強い
- 打音は抑えられており、耳にやさしい重厚な響き
- 打球の質感にこだわるプレーヤーにとって、集中力を高める静かなフィーリング
操作性を重視するゴルファーにとって、打感の情報量が多く、弾道のコントロールがしやすいモデルです。
BX1ST|しっとりとした打感と安定した音響設計
BX1STは、フェースの食いつき感がありながらも、打感はソフトでしっかりしています。弾くというより「乗せる」感覚に近く、安心感のあるフィーリングです。
- 打音は小気味よく、金属的な高音は抑えられている
- スイートスポットが広く、芯を外しても硬さを感じにくい
- ラウンド中の集中力を妨げない、落ち着いた音響設計
打感よりも「安定性」や「直進性」を重視するゴルファーにとって、BX1STは非常に扱いやすいモデルです。
内部構造とテクノロジーの違い
BX1LSとBX1STは、いずれもブリヂストンの最新技術を搭載した2025年モデルのドライバーです。
共通する基本設計を持ちながらも、内部構造のチューニングによって性能の方向性が大きく異なります。
共通するテクノロジー
- 高初速を生む最新フェース素材(BITING FACE 2.0など)
- 空力性能を高めるクラウン形状とソール設計
- オープンフェース設計によるフェード系弾道の誘導
- 低スピン・低~中弾道を狙った重心設計
これらにより、どちらも「つかまりすぎない」「吹け上がらない」設計となっており、スイング軌道を安定させたいアスリートゴルファーに適しています。
BX1LSの特徴
BX1LSは、より攻撃的な弾道を狙うために、浅重心・低スピン設計が徹底されています。
- 重心位置が浅く、フェースの返りが速い
- 弾道は低~中、高さを抑えた強いライナー系
- つかまりは控えめで、フェード系の球筋が出やすい
- 操作性と直進性のバランスが良く、意図的な打ち分けが可能
特に、スピン量を抑えて飛距離を最大化したいプレーヤーにとって、BX1LSは「狙って打てる」モデルです。
BX1STの特徴
BX1STは、BX1LSと同様に低スピン設計ながら、やや深めの重心配置で安定性を高めています。
- 弾道は中弾道で、キャリーとランのバランスが良い
- つかまりはBX1LSよりわずかに強く、扱いやすさが向上
- ミスヒットへの強さと飛距離性能を両立
- フェード系を基本としつつ、直進性を重視した設計
安定した飛びと、やや寛容性を求める中〜上級者にとって、BX1STは「安心して振り抜ける」一本です。
弾道データで紐解く!BX1LS vs BX1ST
「BX1LS」と「BX1ST」はどちらもアスリート向けの低スピン・フェード系ですが、弾道の出方や高さの質には違いがあります。
BX1LSは浅重心・低ロフト(9.0°)で、強いライナー系の弾道を生み出す設計。風に強く、スピンを抑えて前に押し出すような球筋が特徴です。
一方、BX1STはやや深重心でロフト選択肢も広く(9.5°・10.5°)、キャリーと安定性を両立した中弾道設計。BX1LSよりもつかまりと寛容性が適度にあります。
項目 | BX1LS | BX1ST |
---|---|---|
打ち出し角 | 低めに押し出す | 低すぎず、高すぎずニュートラル |
スピン量 | 少なめで吹けにくい | やや多めで安定しやすい |
キャリー | ラン重視で、キャリーは抑えめ | キャリーでしっかり稼げる |
トータル距離 | 着地後によく転がり、飛距離が伸びる | キャリー+安定性で距離を確保 |
到達高度 | 軌道は抑えめで直線的 | 高さは出るが、吹けすぎない設計 |
降下角度 | 浅めに滑るように落ち、ランにつながる | やや急角度で止まりやすく安定 |
BX1LSは「押し出すような直線的な低弾道」、BX1STは「しっかり上げて止める中弾道」。どちらもフェード系でつかまりは控えめです。
スピンを抑えて強い球を打ちたいならBX1LS、安定した高さとキャリーを求めるならBX1ST。スイングタイプやプレースタイルに応じて、選ぶべきモデルは変わってきます。
※BX1LS、BX1STよりもやさしめのモデルに興味がある方は下記の「2」のモデルの比較記事をご覧ください。

BX1ST vs BX1LS|どちらを選ぶべきか?
BX1LSは「狙って打つ」ことにこだわるプレーヤーに、BX1STは「安定して飛ばす」ことを重視するプレーヤーに最適です。
どちらもアスリート向けの設計ですが、フィーリングと弾道の質に違いがあるため、自分のスイングタイプやプレースタイルに合わせて選ぶことが重要です。
BX1LSドライバー
特徴と選びどころ
「強いライナー系」「操作性と低スピンの両立」。これらを重視する方におすすめのドライバーです。
- 浅重心設計により、フェースの返りが速く、球筋の打ち分けがしやすい
- ロフト9.0°のみで、吹け上がりを抑えた低〜中弾道を実現
- スピン量が少なく、風に強く、ランで飛距離を伸ばせる
- 打感はソリッドで、芯を喰った感覚が明確に伝わる
- オープンフェース設計で、フェード系の球筋が出やすい
おすすめしたいゴルファー像
- 操作性と球筋コントロールを重視する上級者
- 芯をとらえた打感にこだわりたい方
- 低スピンで強い弾道を打ちたい方
- ランを活かして飛距離を伸ばしたい方
- フェード系の球筋を安定して打ちたい方
BX1STドライバー
特徴と選びどころ
「安定したキャリー」「直進性と許容性のバランス」。これらを重視する方におすすめのドライバーです。
- やや深重心設計で、打点のばらつきに強く、安定した弾道を実現
- ロフトは9.5°と10.5°の2種類から選択可能
- スピン量はBX1LSよりやや多めで、適度な高さとキャリーが出しやすい
- 打感はしっとりとした食いつき感があり、打音も落ち着いている
- オープンフェースながら、つかまりはBX1LSよりわずかに強め
おすすめしたいゴルファー像
- 適度な高さでキャリーもしっかり稼ぎたい方
- ミスヒットへの許容性を重視する方
- 安定した直進性を求める中級者以上
- 軽快でしっかりした打感が好みの方
- ロフト選択や弾道調整の自由度を活かしたい方
※「BX2HT(2025) vs B2HT(2023)」に関しては、下記記事をご覧ください。
