フェアウェイウッドは、苦手なクラブとして挙げる方が多いです。
「長い」「地面から打つ」からといったことが背景にあるようですが、その結果、何本か入れていても上手に使い分けが出来ていないケースも多いようです。
本記事では、フェアウェイウッドの3番と5番を上手に使いこなせない方向けに、クラブのスペックから見た改善点について3つ解説します。
3番と5番が使いこなせないケース
フェアウェイウッドを上手に使えないという方に話を聞くと、球が上がらない、飛距離が出ないというものが多いですが、もう少し具体的な悩みも聞かれます。
「3番ウッドと5番ウッドの使い分けが出来ない」
このケースをもう少し具体的に聞いて行くと、
「飛距離の差が殆ど無い」
「5番の方が飛ぶ」
と言った話が出て来ます。
こういったケースの場合に、クラブのスペックに問題があることが多々あります。
そもそもウッドは、クラブのスペックフローに偏りがある?
ウッドは、1番(ドライバー)、3番、5番、7番、9番あたりが、市販モデルで一般的に用意されている番手です。
これらのスペックについて、メジャーなメーカーのキャロウェイの標準的なモデルで見てみましょう。
▼ローグST MAXのウッドのスペック
番手 | ロフト角 | ヘッド体積 | 長さ |
---|---|---|---|
1番 | 10.5° | 460cc | 45.5″ |
3番 | 15° | 174cc | 43″ |
5番 | 18° | 148cc | 42.5″ |
7番 | 21° | 139cc | 42″ |
9番 | 24° | 136cc | 41.5″ |
こちらはキャロウェイのローグSTシリーズで、スタンダードモデルであるローグST MAXのドライバー・フェアウェイウッドのスペックをまとめたものです。
ドライバーは、1番ウッドとも言いまして、3番、5番などと並ぶ一番上のモデルとなります。
本来、番手間のスペックの際は等間隔であることが望ましいですが、ドライバーは可能な限り遠くに飛ばすという特殊な使い方をするクラブのため、スペックも特殊です。
ただそうは言っても、次に続くクラブとの間で飛距離の差が大きく開くわけにはいかないので、クラブ性能も近いものが等間隔で続いていくのが理想的です。
その視点でスペックを見てみると、ドライバーと3番はロフト角・ヘッド体積・長さなど、あらゆるスペックが大きく開いているのに対して、3番と5番はかなり近いスペックになっていることが分かると思います。
3番と5番を上手に使いこなせない理由の一つに、この微妙なスペックの違いを発揮させるのが難しいという点が挙げられます。
この点について、解決へのアプローチを3つ紹介します。
解決方法1:3番と5番のスペックを広げてみる
まず見直して見てもらいたいのは、3番と5番のスペックです。
多くの場合、ロフト角に目が行きがちですが、もう一つ注目してもらいたいのがクラブ長さです。
クラブは長い程、遠心力が効いてきますので、飛距離が出ます。
1番と3番は2.5インチの差がありますが、3番と5番は0.5インチしか違いがありません。
そこで、5番の長さを短くすることで、スペックの差により、飛距離性能に差をつけることができます。
実は、3番と5番の長さの差が0.5インチというのは、業界標準ではあります。
一方で、キャロウェイと並ぶ2大メーカーの一つ、テーラーメイドでは、この点について違った考え方を取り入れています。
テーラーメイドのフェアウェイウッドは、3番と5番で長さに1インチの差をつけています(例外もあります)。
▼ステルスフェアウェイウッドの3番と5番のスペック
番手 | 3番 | 5番 |
---|---|---|
ロフト角 | 15° | 18° |
ライ角 | 57° | 57.5° |
ヘッド体積 | 190cc | 165cc |
長さ | 43.25″ | 42.25″ |
長さが違えば、自然と飛距離の差も出やすくなりますので、3番と5番の使い分けが解決する可能性があります。

解決方法2:ミニドライバーを入れてみる
最近のゴルフでは、ミニドライバーの価値が見直されてきています。
要因の一つとして、50代で初のメジャー制覇を成し遂げたフィル・ミケルソンが、長尺ドライバーとミニドライバーの2刀流にしていることも少なからず影響しているように思います。
3番が思うように飛距離を出せないのであれば、スペック的にドライバーに近づける意味で、2番ウッドとも言われることがあるミニドライバーに変えてみると、ピタッと嵌って解決する可能性があります。


解決方法3:差が無いなら、1本にしてしまう
3番と5番で飛距離が出ないということであれば、これを1本に統合してしまうという方法があります。
5番で十分飛距離が出るなら、3番は外してしまっても良いでしょう。
事実、大手メーカーから発売されているクラブセットでは、ウッドは1番と5番の2本だけというパッケージが多くみられます。
▼こちらでも大手メーカーのゴルフセットは1番・5番のみのものが多い

もし、5番で飛距離に不安があるという場合は、キャロウェイやゼクシオにすると4番ウッドが用意されているモデルがありますので、そちらを検討してみるのもオススメです。
また、モデルによっては、可変スリーブを搭載していてスペックを切り替えられるものもあります。例えば、PINGのウッド(ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティ)では、全てに可変スリーブが搭載されています。

フェアウェイウッドを1本に統合できると、クラブを1本他のところで増やすことができます。
よく聞かれるのは、ウェッジを手厚くするケースがありますし、ユーティリティやアイアンを足すというのも良いでしょう。
まとめ
「3番ウッドと5番ウッドの使い分けが出来ない」ケースについて、クラブのスペック面から見た解決方法を3つ紹介しました。
この種の話は、技術的な問題として扱われやすいですが、技術の前に、適したスペックのクラブを使うこともとても重要です。
特に、フェアウェイウッドのスペックの差の付け方は、メーカーによって、また、モデルによって大きく違います。
自分の課題が3番にあるのか、5番にあるのかでも変わってきますので、問題のあるクラブを中心に、前後のクラブスペックとの差を見てみましょう。