タイトリストの歴代フェアウェイウッドについて、タイトリストの歴史を振り返りつつ、これまでのモデルを時系列にまとめました。
タイトリストの歴代ドライバーは下記記事をご覧ください。
タイトリストはツアープロからの支持が厚い
ゴルフボールは、プロ使用率が70%越え!
タイトリストは、プロによるゴルフボールの使用率が異常に高いことで、ご存知の方も多いと思います。
タイトリスト ゴルフボールは、PGAツアーをはじめとする世界のツアーで平均70%以上の使用率を獲得し続けています。
*引用:titleist
メーカー公式サイトでの情報によると、使用率は70%を超えるとのことですから、驚異の使用率です。
契約プロの使用ギアを調べてみると、クラブ契約しているにも拘らず、ボールだけはタイトリストというケースが少なくありません。
実際、プロの試合を見ていても、ボールはタイトリストが非常に目に付きますので、品質に対する信頼度の高さがあらゆる面から伝わってきます。
ここまでの信頼を獲得したのには訳がありまして、ゴルフボールの芯に由来します。
タイトリストのサクセスストーリーの始まりは、1932年のとある日曜日にさかのぼります。その日、熱心なアマチュアゴルファーで精密形成ゴム会社のオーナーであるフィル・ヤングは、完璧に打ったはずのパットを外しました。病院のX線科長である友人とのラウンド中の出来事です。
ボール自体に問題があると確信したヤングは、友人と共に病院へと赴き、そのボールをレントゲンにかけました。そして、そのボールの芯が中心にないことを発見したのです。
引用:titleist
現在では、ゴルフクラブやゴルフボールはITや精密機器を駆使しして研究・開発・製造されていますので、芯がずれていることなど疑う人はいないと思います。
当時は、芯と中心が一致しておらず、タイトリストは3年間を費やした後、一定品質のボールが製造されました。ちなみに、タイトリストのボールは、現在でもX線に通されて検品されているそうです。
ドライバーの使用率も高い
アマチュアゴルファーの世界では、ゴルフクラブのメジャーなメーカーと言えば、テーラーメイド、キャロウェイ、そして、最近ではPINGを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、ツアープロの世界では、これまたタイトリストが高い使用率を誇っています。
最近では、「TS1」「TSi1」「TSR1」といった軽量モデルの分野もワールドワイドで展開していますので、ツアープロだけでなく、アマチュアゴルファーの幅広い層にまで商品を揃えてきています。
タイトリスト 歴代フェアウェイウッドのモデル年表
発売年 | シリーズ | モデル |
---|---|---|
2008年 | 909 | 909 F2フェアウェイ |
〃 | 〃 | 909 F3フェアウェイ |
2010年 | 910 | 910 Fフェアウェイ |
〃 | 〃 | 910 F・dフェアウェイ |
2012年 | 913 | 913 Fフェアウェイ |
〃 | 〃 | 913 F.d LowSpinフェアウェイ |
2014年 | 915 | 915 Fフェアウェイ |
〃 | 〃 | 915 Fdフェアウェイ |
2016年 | 917 | 917 F2フェアウェイ |
〃 | 〃 | 917 F3フェアウェイ |
2018年 | TS | TS2フェアウェイ |
〃 | 〃 | TS3フェアウェイ |
2020年 | TSi | TSi2フェアウェイ |
〃 | 〃 | TSi3フェアウェイ |
2022年 | TSR | TSR2フェアウェイ |
〃 | 〃 | TSR2+フェアウェイ |
〃 | 〃 | TSR3フェアウェイ |
2023年 | 〃 | TSR1フェアウェイ |
タイトリストのウッドは、遡ればプロトラジェクトリーもありますが、9系のフェアウェイウッドが始まった909シリーズから取り上げています。
この他に、日本市場向けのVG3シリーズもありますが、VG3フェアウェイは系統が異なりますので、改めて別記事にまとめます。
909シリーズ(2008年)
909シリーズは、905、907シリーズの後継シリーズで、9系としては3代目となります。
フェアウェイウッドは、プロトラジェクトリーの名称が続いていましたが、9系で登場するのは909からとなっています。
909シリーズでは、909F2と909F3の2機種のモデルがあります。
909 F2フェアウェイ
特徴
- 丸みを帯びたフォルムの高性能フェアウェイメタル。
- 大きく幅広のシャローフェース設計で、中スピンで高弾道。
- 909F3と比べると0.5°ロフトが寝ていて打ち出しが高い。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5° | 57° | 43インチ |
15.5° | 57° | 43インチ |
18.5° | 57.5° | 42.5インチ |
909 F3フェアウェイ
特徴
- 洋ナシ形状を採用したディープフェース仕様。
- 吹け上がりを軽減して、低スピンで強弾道+中弾道。
- 909F2と比べて0.5°ロフトが立っていて、よりフラットなボール軌道と弾道コントロールが可能。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13° | 57° | 42.5インチ |
15° | 57° | 42.5インチ |
18° | 57.5° | 42インチ |
910シリーズ(2010年)
910シリーズのフェアウェイウッドは、909シリーズと同様に2種類あります。
ただし、「2」がシャロー、「3」がディープというタイトリスト独自のネーミング体系ではなく、910Fがディープでオールラウンダー、910F・dがシャローでドライビングフェアウェイとなっています。
910 Fフェアウェイ
特徴
- ロフト角、ライ角を16通りに調整できるシュアフィットツアー・システムをネックに搭載。
- 様々なライコンディションに対応したオールラウンドタイプで、振りやすさ・直進性・強弾道を実現。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
17 | 57.5 | 42.5 |
19 | 58 | 42 |
21 | 58.5 | 41.5 |
910 F・dフェアウェイ
特徴
- ロフト角、ライ角を16通りに調整できるシュアフィットツアー・システムをネックに搭載。
- やや大きめのヘッドサイズが安定感と優れた飛距離を実現。
- 飛距離や方向をコントロールしたいティーショットでも活躍できるドライビング・フェアウェイ。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
913シリーズ(2012年)
913シリーズのフェアウェイウッドは、910シリーズと同様のラインナップ体系です。
オールラウンダーな913Fと、大きめヘッドでティーショットでも使える913F・d Low Spinです。
913 Fフェアウェイ
特徴
- 様々なライコンディションからの強弾道と操作性を実現。
- 前作同様、5種類の豊富な番手を採用し、13.5~21°までカバー。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
17 | 57.7 | 42.5 |
19 | 58 | 42 |
21 | 58.5 | 41.5 |
913 F・d Low Spin フェアウェイ
特徴
- 浅重心設計で、より低スピンで飛ばせる。
- 地面からのショットに加え、ティーショットにも威力を発揮。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
915シリーズ(2014年)
915シリーズのフェアウェイウッドも、910、913と同様に2種類のモデルがあります。
915Fは、飛距離性能と直進性が備わっていて、915Fdは操作性が備わっています。
タイトリストならではのモデル体型で言えば、915Fが「2」、915Fdが「3」のタイプとなります。
915 Fフェアウェイ
特徴
- 飛距離性能、直進性、許容性に優れている。
- 大きめのヘッドで安心感がある。
- 915Fdよりスピンが入り高弾道。
スペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3+ | 13.5 | 57 | 43 |
3 | 15 | 57 | 43 |
3 | 16.5 | 57.5 | 43 |
5 | 18 | 58 | 42.5 |
7 | 21 | 58.5 | 42 |
915 Fd フェアウェイ
特徴
- 操作性と許容性に優れている。
- コンパクトなヘッドで、高いコントロール性能を発揮。
- 915Fより低スピンで低弾道。
スペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|---|
3+ | 13.5 | 57 | 43 |
3 | 15 | 57 | 43 |
917シリーズ(2016年)
917シリーズのフェアウェイウッドは、これまでのF、Fdというモデル分けから、ドライバーと同様の「2」「3」という数字によるモデル分けとなっています。
モデルとしては、917 F2と917 F3が発売されています。
タイトリストでは、「1」を軽量、「2」を直進性・寛容性、「3」を操作性、「4」を超ハードヒッター向けという分け方があり、それを適用した形となっています。
917 F2フェアウェイ
特徴
- 様々なライから、 高弾道で大きく飛ばせる。
- ミスヒットに対する許容性が高い。
- 高打ち出しで、安定したキャリーが得られる。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
16.5 | 57.5 | 43 |
18 | 58 | 42.5 |
21 | 58.5 | 42 |
917 F3 フェアウェイ
特徴
- ディープなヘッドで、操作性が高い。
- やや低めでロースピンの風に負けない強弾道で飛ばせる。
スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
TSシリーズ(2018年)
2018年はタイトリストの大きな転機とも言える年です。
ツアープロの意見を重視していたと思われる9系シリーズを終了させ、スピードを重視したTS(Titleist・Speed)シリーズを新たに発足させました。
フェアウェアイウッドは、TS2、TS3の2機種ですが、ドライバーはTS1~4までの4タイプをリリースし、これまでに無い幅広いゴルファーをカバーしています。
TS2フェアウェイ
特徴
- 飛距離・許容性・直進性に優れたストレートドライブのフェアウェイ。
- 高く安定した弾道。
- まっすぐ伸びていくビッグキャリー。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 57 | 43 |
15 | 57 | 43 |
16.5 | 57.5 | 42.5 |
18 | 58 | 42 |
21 | 58.5 | 41.5 |
TS3 フェアウェイ
特徴
- タイトリスト独自の重心調整機能によるマルチな弾道を実現。
- 芯で打ち抜く確かな打感が備わっている。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
15 | 57 | 43 |
16.5 | 57.5 | 42.5 |
18 | 58 | 42 |
TSiシリーズ(2020年)
TSiシリーズは、2018年のTSシリーズの後継で、TSiの「i」には、Inovation(革新)、Inertia(慣性)、Integration(統合)、Impact(インパクト)の4つの「i」が込められています。
モデルは、TSと同じ分け方で2種類あります。
TSi2フェアウェイは直進性・許容性に優れ、TSi3はコントロール性能と打感に優れています。
TSi2フェアウェイ
特徴
- 高い打ち出しと優れた許容性が備わっている。
- 安心感のあるヘッド形状。
- ストレートに狙える。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 56.5 | 43 |
15 | 56.5 | 43 |
16.5 | 57 | 42.5 |
18 | 57.5 | 42 |
21 | 58 | 41.5 |
TSi3 フェアウェイ
特徴
- 移動式のウェイト調整機能を搭載。
- コンパクトなヘッド形状で、コントロール性能が高い。
- 中・上級者が扱いやすいヘッドサイズ。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 56.5 | 43 |
15 | 56.5 | 43 |
16.5 | 57 | 42.5 |
18 | 57.5 | 42 |
TSRシリーズ(2022・2023年)
TSRシリーズは、TSiの後継でTSシリーズの3代目となります。
前作のTSiの「i」と同様に、TSRの「R」には4つの意味が込められています。
- Refined:TSシリーズが進化した
- Repeatable Speed:スピードが一発だけではなく、何度でも出る
- Reputation:ツアーでNo.1の使用率を誇り、人気があり支持されている
- Ready:これまでの経験や評価が全て搭載されていて、パフォーマンスを発揮する準備が整っている
TSRシリーズでは、フェアウェイウッドが過去無いぐらい充実していて、TSになって初めて「1」のモデルが追加され、「2+」も加わり、全4モデルとなっています。
TSR1フェアウェイ
特徴
- ウルトラライトウェイト設計により、ヘッドスピードを出しやすい。
- 高い打ち出しと許容性が備わっている。
- 軽量ながらも可変スリーブによるロフト・ライの調整機能を搭載。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
15° | 56.5° | 43″ |
18° | 57.5° | 42” |
20° | 58° | 41.5” |
23° | 58.5° | 41″ |
TSR2フェアウェイ
特徴
- タイトリストのフェアウェイウッド史上で最も低重心を実現。
- 過度なバックスピンが入らず、高打ち出しで飛ばせる。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
15° | 56.5° | 43″ |
16.5° | 57° | 43″ |
18.0° | 57° | 43″ |
21.0° | 58° | 41.5″ |
TSR2+フェアウェイ
特徴
- ヘッドサイズが大きく、ティーショットでも使える。
- ロフト角は13°のみの1スペックで、フェアウェイメタル史上、最も深い重心ん設計で、許容性が高い。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13° | 56.5° | 43″ |
TSR3 フェアウェイ
特徴
- 5つのポジションによるウェイト調整機能を搭載。
- 可変スリーブと合わせて弾道のカスタマイズ性能が優れている。

スペック
ロフト角 | ライ角 | 長さ |
---|---|---|
13.5 | 56.5 | 43 |
15 | 56.5 | 43 |
16.5 | 57 | 43 |
18 | 57.5 | 42 |
まとめ
タイトリストのゴルフクラブは、ツアープロ向け・上級者向けというイメージがあると思います。
しかし、最近では他メーカーと歩調を合わせるかのようにモデル数を増やすことで幅広いゴルファーをカバーしています。
転機となったのは、9系シリーズの後に始まった2018年のTS Project(タイトリスト・スピード・プロジェクト)です。
TSシリーズからは、従来までの「2」「3」のモデルに加えて、軽量モデルの「1」、小ぶりな超ハードヒッター向けの「4」のモデルを揃えています。
これにより、ヘッドスピードが40m/s未満のゴルファーもタイトリストのゴルフクラブの対象ゴルファーとなっています。
