スリクソンから発売のZシリーズ ドライバー。アスリート向けモデルとして、上級者のゴルファーを中心に支持されている国内ブランドの人気モデルです。これまで発売されているかZシリーズのドライバーについて、歴代モデルを時系列にまとめます。
目次
スリクソンのZシリーズ・ZXシリーズとは?
Zシリーズは2012年にスタート
スリクソンのZシリーズは、プロ・上級者向けのゴルフクラブとして2012年に誕生したブランドです。ドライバーからアイアンまで発売されていて、2年毎にニューモデルがリリースされています。
アスリート向けブランドではありますが、年を追うごとにやさしい方向にシフトしてきています。
2018年からはコンセプトが大きく変わった!
これはスリクソンに限ったことではありませんが、ゴルフメーカー各社、難しいクラブは年々廃止されていて、ドライバー全体としてツアープロ向けとアベレージ向けの垣根がなくなってきています。
スリクソンでも2018年モデルのZ85シリーズでは「ZERO SRIXON」と銘打ち、ターゲットゴルファーを広げました。
メーカーの表現を引用すると、「やさしく飛ばせるクラブでゴルフを楽しみたいというライトユーザー」がターゲットとなっていますので、アベレージゴルファーの利用を想定したモデルであると言えます。
各年のモデルの3桁目の数字が大きい方が上級者向け、2桁目はモデルの年度を表している!
Zシリーズドライバーは、Z565、Z785といった具合に、3桁の数字でモデル名が付けられています。3桁目の数字は、5、7、9が用いられ、数字が大きいほど難しいモデルとなっています。例えば初代の2012年モデルではZ525が最もやさしく、Z725が中間的、Z925が最も難しくなっています。
次に、2桁目は年数を表していまして、2012年モデルはZ525やZ725、2014年モデルはZ545やZ745となっています。ところで、2020年モデルは2桁目が0になってしまい、うまくありません。恐らく、新たなネーミング体系になるものと思われます。
Zシリーズの「Z」の意味、そして、「SRIXON」の意味は?
「Z」は究極を表す
ついでですので、Zシリーズの「Z」について触れておきます。Zには意味がありまして、アルフベットでZは最後の文字のため、これ以上・これより先は存在しない、つまり究極という意味だそうです。
2020年に「Z」から「ZX」にシリーズ名を改称
2012年から定期的にニューモデルをリリースしてきたZシリーズですが、2020年にシリーズ名が改称となり、「Z」から「ZX」となっています。
ZXの意味については、プレスリリースの中で、「Z(究極の) X(飛び) 」という説明がありました。
SRIXONは造語
もう一つついでに、SRIXONの意味ですが、SRI+X+ONの造語です。
- SRI:Sumitomo Rubber Indusutries
- X:Unlimited
- ON:Going onwards
これら3つを連結して「限りなく将来に向かうSRI」という意味が込められているそうです。
Zシリーズ・ZXシリーズ ドライバーのモデル年表
世代 | 発売年 | モデル名 |
---|---|---|
初代 | 2012年 | Z525ドライバー |
〃 | 〃 | Z725ドライバー |
〃 | 〃 | Z925ドライバー |
〃 | 2013年 | Z725リミテッドモデルドライバー |
2代目 | 2014年 | Z545ドライバー |
〃 | 〃 | Z745ドライバー |
〃 | 〃 | Z945ドライバー |
3代目 | 2016年 | Z565ドライバー |
〃 | 〃 | Z765ドライバー |
〃 | 〃 | Z765リミテッドモデルドライバー |
〃 | 2017年 | Z565TGドライバー |
4代目 | 2018年 | Z585ドライバー |
〃 | 〃 | Z785ドライバー |
5代目 | 2020年 | ZX5ドライバー |
〃 | 〃 | ZX7ドライバー |
スリクソンのZシリーズは、どのモデルを初代とするか解釈が分かれるかもしれません。人によっては、2006年のスリクソンZR-600や2009年のスリクソンZ-TXから数えるべきという意見があるかもしれません。
本記事では、「スリクソンZ」という呼びなが初めて登場した2012年モデルを初代としています。
スリクソン Z・ZXドライバーの調整機能
スリクソンのドライバーは、ソールに搭載されたウェイトによる重心調整機能と、可変スリーブによるロフト角の調整機能の2種類があります。
前者のウェイトについては、モデルにより搭載のされ方や搭載有無が異なります。
2012年モデル(初代)
初代 Zドライバーの概要
初代のZドライバーは、ソールウェイトが左右に一つずつ搭載されていて、交換することで重心調節が可能となっています。
また、QTSスリーブ(可変スリーブ)も搭載されていますので、ロフト角・ライ角・フェース角を12ポジションから選択して変更することもできます。
重心と角度の調節が行えるため、チューニングによりカスタマイズしやすいドライバーです。
ヘッドシェイプはディープな洋ナシ型で、上級者が好む操作性の高いヘッドとなっています。最も小さいZ925は380ccとかなり小ぶりです。
スリクソン Z525 ドライバー
ヘッド体積が460ccで、初代の中で最も大きくやさしい方のドライバーです。大きさを感じさせないヘッドシェイプで、高弾道で飛ばせるモデルです。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:460cc
- シャフト:Miyazaki KENA Blue 6/SV-3026J/ツアーAD GT-6
スリクソン Z725 ドライバー
ヘッドサイズが425ccで、シリーズの中で真中のヘッドサイズとなっています。アドレスした時に打ち出しのラインをイメージしやすく、中弾道で飛ばせるモデルです。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:425cc
- シャフト:Miyazaki KENA Blue 6/SV-3026J/ツアーAD GT-6
スリクソン Z925 ドライバー
ヘッドサイズ380ccで、スリクソンの歴代Zドライバーの中で最も小さいヘッドサイズです。ディープな洋ナシ形状で、ヘッドスピードが速い人が左を恐れずに思い切り叩けるモデルです。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:380cc
- シャフト:Miyazaki KENA Blue 6/SV-3026J/ツアーAD GT-6
2013年モデル(初代)
スリクソン Z725 リミテッドモデル ドライバー
前年(2012年)のZ725をベースとした限定モデル。カラーリングがフェース、ソールまでブラックになっただけでなく、ヘッドサイズが5cc小さい420ccとなっている。
シャフトは約10g重いMiyazaki KENA リミテッドモデル7が装着され、調子も中から先に変わり、ノーマルなZ725よりもハードスペックなドライバ―となっている。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:420cc
- シャフト:Miyazaki KENA リミテッドモデル 7
2014年モデル(2代目)
2代目 Zドライバーの概要
初代のZドライバーは、チューニング性能が高かったところが特徴となっていましたが、2代目はヘッドサイズが大きいモデルのみウェイトが前後に2つで、残りの2つのヘッドはウェイトが1つとなっています。
ヘッドサイズも、初代は、460、425、380ccと刻み幅が大きかったですが、2代目は460、430、400と狭まっていて、全体的にやさし方向にシフトしています。
スリクソン Z545 ドライバー
「ウエイトフィッティングシステム」が搭載され、ソールの前後のウェイトは交換して重心の深さ・高さを調整することができます。
前作のような左右の調整機能はなくなりましたので、ドロー・フェードの設定はありません。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45インチ
- シャフト:Miyazaki Kosuma Blue 6/RX-45/Diamana R60/TOUR AD MJ-6/KUROKAGE XT60/Motore Speeder 661 Evolution/ATTAS ロックスター6
スリクソン Z745 ドライバー
前作からヘッドサイズが5ccアップし430ccとなっています。ウェイトはソール中央のややヒール寄りに搭載されています。ヘッドの特徴としては、ドロー・フェードを打ち分けやすいモデルとなっています。
- ロフト角:8.5、9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:430cc
- 長さ:45インチ
- シャフト:Miyazaki Kosuma Blue 6/Diamana R60/TOUR AD MJ-6/KUROKAGE XT60/Motore Speeder 661 Evolution/ATTAS ロックスター6
スリクソン Z945 ドライバー
ヘッドサイズが前作の380ccから400ccに大きくアップしています。とは言え、400ccはかなり小振りな部類になりますので、ヘッドスピードが速くインテンショナルナなショットができる上級者向けのヘッドで、つかまり過ぎを気にせずに思い切り叩けます。ロフト角は、8.5、9.5°の2種類になっています。
- ロフト角:8.5、9.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:400cc
- 長さ:45インチ
シャフト:Miyazaki Kosuma Indigo 6/Diamana R60/Motore Speeder 661 Evolution/ATTAS ロックスター6
2016年モデル(3代目)
3代目 Zドライバーの概要
Zドライバーは、5・7・9のモデルで3種類のヘッドサイズがありましたが、3代目では最もヘッドサイズが小さい9のモデルが廃止されました。
このモデルの特徴としては、波型のパワーウェーブソールが搭載され、ヘッド下部を撓ませて反発性能を高めています。
モデルのコンセプトとしても、「飛距離」「バラつかない」という2軸が込められていて、9のモデルの廃止もあり、さらにやさしい方向にシフトしています。
スリクソン Z565 ドライバー
5のモデルは従来通りヘッドサイズが460ccで、左右方向の慣性モーメントが大きく、「しっかりつかまえて飛ばす」モデルとなっています。
3代目ぐらいから、セミアスリートや上を目指すアベレージゴルファーでも扱えるヘッドになっています。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45インチ
- シャフト:Miyazaki Kaula MIZU 5/SRIXON RX/Diamana BF60/Speeder 661 EvolutionⅢ/ATTAS PUNCH 6
スリクソン Z765 ドライバー
前作からヘッドサイズが15ccアップし445ccとなっています。Z565同様、左右の慣性モーメントが大きくなっていますので、思い切り叩いても弾道がブレにくく、中弾道で飛ばせるモデルとなっています。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:57.5°
- ヘッド体積:445cc
- 長さ:45インチ
- シャフト:Miyazaki Kaula MIZU 6/SRIXON RX/Diamana BF60/Speeder 661 EvolutionⅢ/ATTAS PUNCH 6
スリクソン Z765 リミテッドモデル ドライバー
Z765のリミテッドモデルは、ノーマルモデルよりもヘッドサイズが5cc小さい440ccとなっています。
Z565、Z765と大きく異なるのは、ウェイトがソール前方の左右に一つずつ搭載されている点です。左右方向の慣性モーメントを高めつつ、浅重心いより低スピンで打ち出し角を抑えた強い弾道で飛ばせるハードヒッター向けのモデルです。
- ロフト角:8.5、9.5°
- ライ角:56.5°
- ヘッド体積:440cc
- 長さ:45インチ
シャフト:Miyazaki Kaula MIZU 6/Diamana BF60/Speeder 661 EvolutionⅢ/ATTAS PUNCH 6
2017年モデル(3代目)
スリクソン Z565 TG ドライバー
Z565をベースとしたモデルで、チタングレー(TG)のカラーリングとなっています。スペックも若干異なっていて、ヘッド重量は2g軽量化、ライ角は2°アップライト、重心距離は約3%短くなっています。
ノーマルのZ565よりもやさしいモデルで、アベレージゴルファーにも扱いやすく、つかまえて高弾道で飛ばすことができます。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:59.5°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45インチ
- シャフト:Miyazaki Melas Ⅱ
2018年モデル(4代目)
4代目 Zドライバーの概要
4代目Zドライバーは、「ZERO SRIXON」というキャッチコピーがつけられ、はっきりとやさしい方向にシフトし従来と大きく変化したモデルです。
従来まではヘッドサイズが異なるヘッドをラインナップしていましたが、5・7の両方のモデルでヘッドサイズが460ccに統一されています。
さらに、ボディーに初めてカーボン素材が採用され、打音にも拘ると共に、ゼクシオのカップフェースも搭載されています。反発エリアは2倍近い176%拡大していますので、ターゲットゴルファーがアベレージ向けに大きく広がりました。
クラブ長さも0.25インチ長くなりましたので、飛距離性能を重視したクラブ設計となっています。
スリクソン Z585 ドライバー
ソールのウェイトがヒール寄りに搭載されていて、ボールのつかまりを意識したウェイト配置となっています。ヘッド形状もストレッチが長めに確保されていて、直進性が高いモデルとなっています。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:58°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45.25インチ
- シャフト:Miyazaki Mahana/Miyazaki MIZU 6
スリクソン Z785 ドライバー
7のモデルで初めて460ccとなり、5とヘッドサイズの違いがなくなりました。ウェイトはZ585と比べると、ヒールから若干離れて配置されていますので、つかまり過ぎず、ヘッドスピードが速く思い切り叩きたいゴルファーに適しています。
慣性モーメントが大きくなっていますので、思い切り叩いても弾道がブレにくく、中弾道で飛ばせるモデルとなっています。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:58°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45.25インチ
- シャフト:Miyazaki Mahana/Miyazaki MIZU 6
2020年モデル(5代目)
5代目 Zドライバーの概要
5代目Zドライバーは、REBOUND FRAMEという新たなテクノロジーが搭載され、「柔」と「剛」のエリアが交互に繰り返させることで、ボールスピードを速めてくれます。
4代目と同様に、5・7の2種類のヘッドのみで、サイズも共に460ccです。
スリクソン ZX5 ドライバー
ZX5ドライバーは、ソールのウェイトが1つのみで、後方の中央に搭載されています。カーボン素材も使われ軽量化が図られ、深重心・低重心となっています。高いMOIにより、安定してストレートに飛ばしやすくなっています。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:59°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45.25インチ
- シャフト:-
スリクソン ZX7 ドライバー
前作同様、7のシリーズですがヘッドサイズは460ccあります。ZX5ドライバーと比べるとストレッチは短めです。ソールウェイトは深すぎない位置に左右1つずつ搭載され、慣性モーメントを保ちながら浅重心になっています。スピン量が抑えられ、突き刺すような強い弾道が特徴です。
- ロフト角:9.5、10.5°
- ライ角:59°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45.25インチ
- シャフト:-
スリクソン Zドライバーのまとめ
スリクソンZドライバーは、2012年の初代のZ925ドライバ―が380ccの長小振りなヘッドで、バリバリのアスリート向けモデルがリリースされていました。年々ヘッドサイズは大きくなり、2018年の4代目で460ccに統一されています。
それと共にクラブに働かせる、いわゆるオートマチック性が強まってきていまして、アスリートゴルファーだけでなく、セミアスリート、アベレージゴルファーが扱えるモデルとなっています。
ヘッドサイズは統一化されても、操作性を求めるニーズと直進性を求めるニーズは共に残るため、シャロー・ディープといったヘッド形状の違いで2種類のヘッドはリリースされてくるのではないかと思います。