ブッシュネルから発売されているゴルフ用のレーザー距離計のピンシーカー プロX3ジョルトとツアーV6シフトジョルトについて、違いを解説します。
どちらを購入しようか迷われている方だけでなく、そもそも違いが良く分からない方にも参考になる内容なっています。
【位置づけ】プロX3は最上位機種、ツアーV6は最新機種
▼左がプロX3、右がツアーV6
ブッシュネルのレーザー距離計で、当記事執筆時点で公式サイトには4モデルが掲載されています。
ですが、実際に市場で販売されているモデルは、楽天・Amazon・大手家電サイトといった主要なマーケットで確認してみると以下の3モデルとなっています。
▼発売年順
- ツアーV6シフトジョルト(2023年)
- プロX3ジョルト(2022年)
- ツアーV5シフトスリムジョルト(2021年)
プロX3は2022年に発売されていて機能・性能が優れたハイエンドモデルで、ブッシュネルのフラッグシップモデルとして位置づけられています。
V6はV5の後継モデルで、2年振りにリニューアルされた2023年の最新機種です。V5からスリムの名が外れていますが、サイズ・重量に大きな差は無く、実態としてはスリムなままです。
【価格】市場での価格差は1万円
▼プロX3とツアーV6の販売価格
どちらのモデルもオープンプライスですが、メーカー販売価格はプロX3が8万円超えの超高級品、ツアーV6はそれより低いながらも6万円超えでこちらも高級品です。
市場での販売価格を調べてみると、一定の価格規制のようなものがあるためか、基本的にメーカー価格での出品が大半ですが、値引きされているものも少なからず確認できます。
どちらのモデルもAmazonでの出品が安く、プロX3は65,010円、ツアーV6は56,230円が最安値でした。
メーカー価格では約2万円の差がありますが、市場価格での差は1万円まで縮まっています。
どちらもレーザー距離計としては高価格なため、差が1万円に縮まっているとは言え、安い方が良いに越したことはありません。
プロX3とツアーV6の機能・性能面での違いをこれから解説していきますので、それが1万円の差に相当するかを判断されると、どちらのモデルがご自分に適しているかが決まってきます。
ちなみに筆者の個人的な意見としては、折角、ブッシュネルを購入するのであれば、機能・性能が優れた最上位モデルのプロX3がオススメです。
【ディスプレイ】プロX3は、赤色・黒色での表示が可能
▼プロX3のディスプレイ表示
測定結果は、スコープ内に表示されまして、プロX3とツアーV6では表示の色に違いがあります。
上図の通り、プロX3はハイエンドモデルだけあって赤色表示が採用されています。さらに赤色に固定ではなく、本体側面に設置されたボタンにより黒色への切り替えも可能となっています。
一方、ツアーV6の方は黒色表示のみです。
ゴルフ場でのレーザー距離計での測定では、背景が薄暗い場合があり、一般的な黒色表示では見にくい場合が多々あります。
一般的な黒色表示のレーザー距離計で、測定結果の見にくさを実感したことがある方は、プロX3の赤色表示はとてもオススメです。
【測定性能】どちらも優れている
▼測定性能の比較
モデル | プロX3 | ツアーV6 |
---|---|---|
測定距離 | 5~1,300ヤード | 5~1,300ヤード |
ピンサーチ測定 | 5~600ヤード | 5~500ヤード |
測定誤差 | ±1ヤード | ±1ヤード |
望遠倍率 | 7倍 | 6倍 |
上表は、測定性能に関する主だったスペックをまとめたものです。
業界No.1ブランドのブッシュネルだけあって、どちらも最大測定距離が1,300ヤードというのは極めて高いスペックです。ちなみに筆者が知る限りで、これを超えるスペックのものはありません。
ピンサーチ測定距離はプロX3の方が100ヤード優れていますが、ツアーV6の方も500ヤードまで可能です。これは他メーカーの一般的なモデルと比べると、2倍近くの性能がありますので非常に優れています。
なお、測定最大距離に関しては、「飛距離を考えれば250ヤード測れれば十分」という声も聞かれますが、これには大きな誤解があります。
同じ距離を測定するにしても、より優れたスペックの方が測定が容易になります。例えば、280ヤードを測定する場合、最大300ヤードの製品より、最大1000ヤードの製品の方が容易に測れるのは想像つくかと思います。
ただ、プロX3とツアーV6で差があるとは言え、どちらも極めて高いスペックですので、どちらも使い勝手としては問題ないレベルです。
結論としては、測定性能はどちらのモデルも非常に高い満足度が得られます。
【測定機能】プロX3は高低差機能が高性能
プロX3とツアーV6の大きな差は、測定機能にあります。
どちらも、高低差を加味して打つべき目安距離を算出してくれますが、そのアルゴリズムがプロX3の方が高性能となっています。
▼プロX3に搭載のエレメント機能
プロX3では、エレメント機能、ホームエレベーション機能が備わっていて、気温・高度(気圧)といった自然条件を考慮して算出してくれます。
野球でも標高が高い方がボールが良く飛ぶように、ゴルフもプレーする場所(標高)やタイミング(時間帯・季節)によって、ボールの飛びが変わってきます。
特に暑い時期・寒い時期の両方でプレーされる方、標高が異なるゴルフ場でプレーされる方は、プロX3を使うことで、より正確な打つべき目安距離を知ることができます。
【サイズ・重量】ツアーV6の方がスリムで軽量
▼サイズと重量の比較
モデル | プロX3 | ツアーV6 |
---|---|---|
サイズ | 120×83×43mm | 114×78×40mm |
算出体積 | 428cm3 | 356cm3 |
重量 | 340g | 236g |
プロX3は、いわゆるブッシュネルらしいしっかりとしたサイズ感・重量感があります。
一般的なレーザー距離計と比べても、大きさ・重さはしっかりあります。
一方、ツアーV6の方は、こちらも一般的なものと比べるとやや大きくやや重いですが、プロX3と比べるとコンパクト・軽量に仕上がっていることが分かると思います。
▼左がプロX3、右がツアーV6
デザインも右のツアーV6の方がブッシュネルとしては珍しくホワイトを基調としたライトなカラーリングで、スポーティーで軽快さが感じられます。
▼プロX3を手にしている動画
このように説明すると、プロX3はとても大きいように思われるかもしれませんが、ゴルフ専用として開発されていますので、持ち運びに困るようなものではありません。
上掲の動画では実際にプロX3を手にしていますので、こちらでサイズ感は確認頂けると思います。
【防水性能】どちらも完全防水だが、プロX3の方が優れている
- プロX3:完全防水(IPX7)
- ツアーV6:完全防水(IPX6)
メーカー公式サイトでは、プロX3、ツアーV6共に「完全防水構造」と説明されています。
しかし、IPコードと呼ばれる防水等級は、ツアーV6がIPX6、プロX3がIPX7で、防水対応レベルには差があります。
▼防水等級
保護レベル | IPコード | 保護の程度 | テスト方法 |
---|---|---|---|
0 | IPX0 | 水の浸入に対して特には保護されていない | テストなし |
1 | IPX1 | 垂直に滴下する水に対して保護されている | 200mmの高さより3〜5mm/分の水滴、10分 |
2 | IPX2 | 垂直より左右15°以内からの降雨によって有害な影響を受けない | 200mmの高さより15°の範囲・3〜5mm/分の水滴、10分 |
3 | IPX3 | 垂直より左右60°以内からの降雨によって有害な影響を受けない | 200mmの高さより60°の範囲・10ℓ/分の放水、10分 |
4 | IPX4 | いかなる方向からの水の飛沫によって有害な影響を受けない | 300〜500mmの高さより全方向に10ℓ/分の放水、10分 |
5 | IPX5 | いかなる方向からの水の直接噴流によって有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に12.5ℓ/分・30kpaの噴流水、3分間 |
6 | IPX6 | いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響を受けない | 3mの距離から全方向に100ℓ/分・100kpaの噴流水、3分間 |
7 | IPX7 | 規程の圧力、時間で水中に沒しても水が浸入しない | 水面下・15㎝〜1m、30分間 |
8 | IPX8 | 水面下での使用が可能 | 製造者によって規定される条件下で、連続的に水面下に浸漬 |
数字が大きい程、防水性能は優れていて、IPX7は上から2番目、IPX6は上から3番目です。
どちらも「完全防水構造」と謳っていますが、プロX3のIPX7は水没OK(一定条件下)なのに対して、ツアーV6のIPX6は全方向からの直接噴流に対応しているものの水没はNGです。
もう少し具体的に言いますと、ツアーV6は雨でも大丈夫、プロX3は雨に加えて浅い池などに落としても大丈夫という防水レベルになります。
なお、一般的なレーザー距離計の防水レベルはIPX4が殆どのため、IPX6・IPX7と言う高い防水レベルはさすがブッシュネルと言ったところです。
【過去モデルとの比較】ツアーV6に興味があるなら、ツアーV5も検討したい
冒頭でツアーV6はツアーV5の後継モデルと説明しました。
ツアーV5の方は、まだ楽天やAmazonでも購入が可能で、前のモデルだけあって価格がかなり下がっています。
▼ツアーV6とツアーV5の販売価格
ツアーV6とツアーV5は、性能・機能面で大きな差は無く、それでいて市場での価格差は2万円近くあります。
当記事執筆時点での調査では、ツアーV5はAmazonにてツアーV6よりも2万円以上安い価格で出品されていますので、かなり予算を抑えて購入することが可能です。
さらにツアーV5シフトスリムジョルトは、名前からも分かる通り、サイズが小さく、重量も軽いため、スリム設計という点で優れています。
ツアーV6に興味があるのであれば、大幅に安いツアーV5の方も合わせて検討されることをオススメします。
まとめ
ピンシーカー プロX3ジョルトとツアーV6シフトジョルトについて、違いを詳しく取り上げました。
筆者の結論としては、「価格」のところでも述べましたが、折角、ブッシュネルを購入するのであれば、1万円の価格差があってもハイエンドなプロX3の方がオススメです。
いずれにしても、ブッシュネルはPGAツアープロによる使用率が圧倒的なNo.1で、ワールドワイドでブランド力があります。
ブッシュネルは、品質の良さだけでなく所有感も大事にされる方にとって満足度が得られるブランドです。