オノフから発売のKM-700アイアン 2022について取り上げます。
KM-700アイアン 2022の特徴
KM-700アイアンは、軟鉄鍛造のマッスルバックアイアンで、2022年に発売されています。
現行モデルとしては、この他にKB-302(2023)、PI-401(2021)、TC-101(2020)、TB-ZERO(2019)の4モデルがあります。
外観からすると、マッスルバックのためTB-ZEROに近い位置付けに思われそうですが、ハードな順で言うと、TB-ZERO、TC-101に次ぐ3番目のモデルとなります。
三浦勝弘会長モデル
KM-700アイアンは、三浦勝弘会長の監修により開発に5年を要したモデルです。
KMは、Katsuhiro Miuraの略で、バックフェースには「勝」の文字が刻み込まれていて、会長の思いが込められたアイアンであることが分かります。
振りやすさを追求
ゴルフクラブは、打ち出し角、スピン量など特徴や性能が数値で表されますが、KM-700アイアンは、「振りやすさ」を追求して開発されています。
重量配分に試行錯誤を重ねて辿り着いたという答えは、その独特なヘッド形状に表れています。
通常、アイアンはネックの重量負荷が高いことから、トゥ側に重量を寄せたものが多いです。
しかし、KM-700アイアンでは思い切ってトゥ側を削り取ることで、振り抜けの良さを持たせてあります。
マッスルバックでありながら、やさしい
まずフェース形状は結構はっきりとしたハイトゥで、面長なフェースと合わさって、好みが分かれるところかもしれません。
ネックとフェースの関係にも工夫が凝らされていて、ヒールエンドの位置がトゥ側に3mm移動されていることで、見た目にもシャフトの軸線よりも外側(トゥ側)にフェースがあり面長感があります。
これにより、TC-101よりも長い重心距離が実現されていて、左右の慣性モーメントを大きくし、打点ブレに対する強さを発揮してくれます。
上図は三浦技研のアイアンのマトリクスチャートです。
名前からするとキャビティのTC-101の方がやさしいイメージを持ちそうですが、実際には異なっていて、操作性、ヘッドスピードという2軸に対して、KM-700は、TB-ZERO、TC-101よりも左下方向(やさしい位置)にマッピングされています。
KM-700アイアン 2022の試打・評価
KM-700とTC-101の試打・比較の結果
- 一見するとマッスルバックだが、見た目以上に簡単。
- ソールトゥ側を思い切りカットしていて、振り抜きやすくなっている。
- バウンス角は少ないが、ソールは丸みを帯びているので、滑りやすくなっている。
- ネック形状を工夫していて、7番の重心距離が35mmあり、TC-101より長い。ヘッドの性能でつかまえに行きやすい。
- TC-101よりKM-700の方が左に打出した。ロングアイアンはKM-700、ショートアイアンはTC-101というコンボも面白い。
KM-700アイアンをトラックマンで計測試打・評価
<試打クラブ>
7番(33°):NSプロ MODUS3 ツアー120 S
<主な試打評価>
- ソール形状がとにかく独特。トゥ側に重さを持たせるアイアンが多いが、KM-700はトゥ側を落してある。
- ネックの線上よりもフェースがヒール側にあり、重心距離を長くしている。
- 芯を外すと打感が硬いので、打つ場所を教えてくれるよう。
- 距離を飛ばそうというアイアンではない。
- ヘッドは薄いけど、打ってみるとやさしい。フェースが面長で、TC-101よりも芯が広い。
ゴルフショップスタッフによるKM-700アイアンの開封・試打
- トップブレードは薄いと思うが、(打ってみると)思ったより簡単な感じ。
- 芯も広い感じがする。簡単に球が上がる。33°これだけ上がれば良い。
- トップブレードの薄さは気にならないが、トゥの高さは慣れが必要。ドローが出やすそうな感じがする。
- 全然ミスが出ない。TC-101より楽で、とても簡単。
- ヘッドはあまり回らない。OTi85との組み合わせは、シャフトの特性もあってドローが出る。
KM-700アイアン 2022のスペック
ヘッドスペック
番手 | ロフト角 | ライ角 | 重量 | FP | バンス角 |
---|---|---|---|---|---|
4番 | 23 | 60 | 250 | 3.5 | 1.5 |
5番 | 26 | 60.5 | 257 | 3.5 | 1.5 |
6番 | 29 | 61 | 264 | 4 | 2 |
7番 | 33 | 61.5 | 271 | 4 | 3 |
8番 | 37 | 62 | 278 | 4 | 3 |
9番 | 41 | 62.5 | 286 | 4.5 | 4 |
Pw | 46 | 63 | 294 | 5 | 6 |
シャフト一覧
公式サイトにてシャフト選択として掲載されていたモデルの一覧です。
- NS.PRO.ZELOS8 (R、S)
- NS.PRO.950GH (R、SR、X)
- NS.PRO 950GH NEO (R、SR、S、X)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 40 (R)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 50 (R、SR)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 60 (R、S)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 80 (R、S)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 10 (S、SX)
- UTS MAMIYA ATTAS IRON 115 (S、X)
- Fujikura MCI 50 (R、S)
- Fujikura MCI 60 (R、S)
- Fujikura MCI 70 (R、S)
- Fujikura MCI 80 (R、S)
- Fujikura MCI 90 (R、S)
- Fujikura MCI 100 (S、X)
- Fujikura MCI 110 (S、X)
- Fujikura MCI 120 (S、X)
KM-700アイアン 2022の発売日・発売価格
KM-700アイアン 2022の発売日は、2022年5月20日です。発売価格は、ヘッドが4番・5番が単品で33,000円、6~9・PWが5番手セットで165,000円となっていますので、実際にはこれにシャフトの価格が加わります。