テーラーメイドから発売の「Mシリーズ」「SIMシリーズ」は、常に新しいテクノロジーを搭載し、人気のモデルとなっています。
これまで発売されている「Mシリーズ」「SIMシリーズ」のドライバーについて、歴代モデルを時系列にまとめます。
Mシリーズ・SIMシリーズとは?
Mシリーズとは?
ここ数年のウッド市場では最も人気があるのではないかと思われるMシリーズ。そもそもMシリーズとはどんなモデルなのか、振り返ってみましょう。
Mシリーズの「M」は「Multi Material」の頭文字からきています。「複数の素材」という意味で、チタンやグラファイトなど多様な素材を用いた複合構造です。複合構造を取ることで、軽量化・重量配分の自由度が高まり、クラブ性能を追求することができます。
SIMシリーズとは?
SIMシリーズは、Mシリーズの次のシリーズとして、2020年に誕生しています。
新たなシリーズではありますが、2019年のM6ドライバーと2020年のSIM MAXドライバーを見比べてみると、形状が似ていて、搭載されているテクノロジーもほぼ重なっています。
SIMの方は、イナーシャジェネレレータが採用され、ソール中央に縦に走る突起構造がエアロ設計により斜めになっている点が大きな特徴です。
Mシリーズの名前の由来でもあるマルチマテリアルは、SIMでも採用されていて、カーボンに留まらず、アルミニウムも用いられています。
Mシリーズでは数字が大きい方、SIMシリーズではMAXが付く方がやさしいモデル
Mシリーズ・SIMシリーズでは、各年のモデルが上級者向けとアベレージ向けで大きく2種類存在します。
さらにMシリーズでは上級者向けはヘッドサイズが異なる2種類のモデルが存在します。Mシリーズは、各年、上級者向けが2種類、アベレージ向けが1種類となっています。
例えば2016年の初代モデルでは、M1 430、M1 460、M2といった具合です。M1が上級者向け、M2がアベレージ向け。そして、M1の430・460はヘッド体積を表していますので、M1 430は上級者向けの中でも更に操作性が高いモデルとなっています。
一方、SIMシリーズでは、やさしい方のモデルであるMAXに、ドローバイアスモデルも存在します。そのため、SIMシリーズは、各年、上級者向けが1種類、アベレージ向けが2種類となっています。
Mシリーズ・SIMシリーズのモデル年表
世代 | 発売年 | モデル名 |
---|---|---|
Mシリーズ 初代 | 2016年 | M1 430ドライバー |
〃 | 〃 | M1 460ドライバー |
〃 | 〃 | M2ドライバー |
Mシリーズ 2代目 | 2017年 | M1 440ドライバー |
〃 | 〃 | M1 460ドライバー |
〃 | 〃 | M2ドライバー |
Mシリーズ 3代目 | 2018年 | M3 440ドライバー |
〃 | 〃 | M3 460ドライバー |
〃 | 〃 | M4ドライバー |
Mシリーズ 4代目 | 2019年 | M5ツアードライバー |
〃 | 〃 | M5ドライバー |
〃 | 〃 | M6ドライバー |
SIMシリーズ 初代 | 2020年 | SIMドライバー |
〃 | 〃 | SIM MAXドライバー |
〃 | 〃 | SIM MAX-Dドライバー |
SIMシリーズ 2代目 | 2021年 | SIM2ドライバー |
〃 | 〃 | SIM2 MAXドライバー |
〃 | 〃 | SIM2 MAX-Dドライバー |
Mシリーズは当初、M1・M2の2種類のモデルで、M1が上位モデル・M2が下位モデルという構成でした。発売から3年目より、モデル名の数字をカウントアップし、M3・M4がリリース、その翌年の2019年は、M3 2019、M4 2019がリリースされるのではという予測もありましたが、M5・M6がリリースされました。
3代目の2018年モデルからはカウントアップを続けていますので、2代目のネーミングだけが例外的だったようです。
このままMシリーズの人気が続くと、2020年がM7ドライバー、M8ドライバー、2021年がM9ドライバー、M10ドライバーとなり、2022年のネーミングがどうなるのか興味深いです。
Mシリーズは2019年で終了し、2020年からはSIMシリーズとなっています。
2016年モデル(初代)
M1 430 ドライバー 2016
2016年の初代M1ドライバーで、ヘッドサイズが小さい方の430ccモデルです。上級者向けモデルは初代からスライダー式の縦横の重心調整機能が搭載されています。ロフト角調整機能も搭載していますので、Mシリーズの上級者向けモデルは、初代から調節の自由度が極めて高いです。
M1 460 ドライバー 2016
2016年の初代M1ドライバーのヘッドサイズが大きい方のモデルです。460ccありますので、430ccモデルよりアドレスした時の安心感が感じられます。
M2ドライバー 2016
初代Mシリーズのアベレージ向けモデル、M2ドライバーです。M1のような重心調整機能は無く、ホーゼルの角度調整のみで、基本的にオートマチックに扱えるモデルとなっています。
2017年モデル(2代目)
M1 440 ドライバー2017
2017年の2代目 M1ドライバーです。ソールのウェイトシステムは継承されています。大きく異なる点として、ヘッドサイズが10cc大きくなっていて、やさしさ重視に寄ってきています。
M1 460 ドライバー2017
2代目のM1 460ドライバーです。上級者向けのヘッドサイズが大きい方のモデルで、ヘッドサイズは前作と変わらず最大サイズの460ccあります。
M2ドライバー 2017
2代目のM2ドライバー。タイガーウッズが手にしたことでも話題になったモデルで、フェース面積が初代よりも7%拡大していて、安心感も備わっています。
また、ジオコースティックデザインが搭載され、打感・打音にも拘ったモデルで、フィーリングを重視するアベレージゴルファーにも好まれているドライバーです。
2018年モデル(3代目)
3代目のMシリーズ、M3・M4ドライバーは、ツイストフェースが初めて搭載されたモデルです。
フェースを捩じるという新発想は、ハイトゥ・ローヒールに打点のバラツキが集中する傾向に対して、弾道をセンターに戻してくれる機能で、この年のドライバー市場で最も注目されるテクノロジーの一つとなりました。
M3 440 ドライバー
3代目Mシリーズの上級者向けモデルであるM3ドライバー。2種類あるヘッドサイズの内、小さい方の440ccモデルです。
前作との大きな違いはスライダー式のウェイトのレールがT字型からY字型に変わった点です。横方向と縦方向のレールが一体化しましたので、重心調整がしやすくなっています。
M3 460 ドライバー
上級者向けモデルであるM3ドライバーのヘッドサイズが大きい方です。前作、前々作と同じく460ccありますので、上級者向けでありながら、構えた時の安心感が備わっているモデルです。
M4ドライバー
3代目となるMシリーズはデザインががらりと変わりました。ツイストフェースの話題性もあり爆発的に売れたモデルです。直進性が高く、ボールもあがりやすく、アベレージゴルファーが扱い安いモデルですが、右に滑りやすいという声も聞かれ、スライス気味の方は前作のM2の方がセンターに飛びやすいとも言われています。
2019年モデル(4代目)
M5・M6ドライバーは、「スピード・インジェクション」という新たな開発手法が採用されています。ルール違反の高反発モデルを敢えて製造し、仕上にフェース全面からレジンを注入して反発係数をルール限界値に合わせるという、これまでと逆の手法で、全てのモデルが最大反発となっています。前作で話題となったツイストフェースは引き続き搭載されています。
M5 ツアードライバー
前作のM3ドライバーとの大きな変更点としては、まず、ウェイト調整のY字トラックが丸みを帯びたT字型にかわりました。可動域が広がっていますので、重心調整の幅が広がっています。
もう一つの変更点はヘッドサイズです。前作のM3では440ccでしたが、435ccと若干小さくなっています。
M5 ドライバー
M3の後継モデルであるM5ドライバー。発売当初はM6の出来の良さを評価する声が高かったですが、じわじわとM5を推す声が増えています。
スピン量が抑えられ、弾道が強く、つかまりも適度にあり、上級者がリラックスして使いやすいモデルです。
M6ドライバー
M4の後継モデルにあたるM6ドライバー。前作のM4は右に出やすいという評価が聞かれましたが、M6はつかまりが良くなっています。また超低重心・深重心設計により、高弾道で直進性が高い点も評価されています。
2020年モデル(初代)
2020年からはMシリーズからSIMシリーズへと変わっています。
Mシリーズで搭載されていたテクノロジーは、ほぼSIMシリーズに受け継がれていて、さらに、新たにイナーシャジェネレータと呼ばれる空力と低重心を生み出す構造が取り入れられています。
SIMドライバー
SIMドライバーは、前作に当たるM5ドライバーと比べると、縦方向のレール式ウェイトが未搭載となっています。
ウェイトによる弾道調整は、左右によるドロー・フェードのみとなっています。
SIM MAXドライバー
SIM MAXドライバーは、M6ドライバーの後継に当たるモデルです。形状もとてもよく似ていますが、SIMシリーズではエアロ設計が取り入れられていますので、センターの突起構造が斜めになっています。
SIM MAX-Dドライバー
SIM MAX Dドライバーは、SIM MAXのドローバイアスモデルです。Mシリーズまではドローバイアスモデルでは、日本にて発売がありませんでしたが、SIMシリーズでは遂に日本テーラーメイドからドローバイアスモデルが発売となっています。
ベースとなっているSIM MAXドライバーとの違いは、ウェイト配置だけでなく、フェースもより大きくなっていて、反発エリアが大きく確保されています。スライス気味の方、そして、打点のバラつきが出やすい方に適しています。
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