
2025年11月7日、キャロウェイから新作パター「Square 2 Square TRI-HOT(S2S TRI-HOT)」が発売されました。
ゼロトルク設計の進化系として、構えやすさとストロークの安定性を両立していて、スクエアにストロークするタイプの方には注目のパターです。
パターはついつい細かなテクノロジーや設計が見逃されがちですが、この辺りも詳しく解説しますので、興味を持った方が、より製品理解を深めることができます。
パッティングはメンタルが大きく左右しますので、パターの性能を理解することで、より自信と確信を持ったパフォーマンスの発揮につながります。
Square 2 Square TRI-HOTは全4タイプ

Square 2 Square TRI-HOTは、発売開始時点では4タイプあります。
上図の左から
- セブン(#7)
- JAILBIRD
- JAILBIRD CRUISER
- ROSSIE
となっています。
ちなみに中央の二つは同じに見えますが、左のJAILBIRDが通常タイプとすると、右のJAILBIRD CUISERは長尺・重ヘッドタイプです。
CRUISEには”ゆったり巡る”という意味があり、ゆったりストロークして安定性を重視する方に人気があります。
それでは、S2S TRI-HOTの特徴について、3つのポイントで解説していきます。
ポイント① シャフトが“まっすぐ”で構えやすい

S2S TRI-HOTの最大の特徴は、シャフトがヘッド前方に対して“まっすぐ”挿さっている構造にあります。
従来のゼロトルクパターでは、グリップ側が飛球線方向に傾いている設計が多く、自然なハンドファーストを促す一方で、構えた際に違和感を覚えるゴルファーも少なくありませんでした。
S2S TRI-HOTでは、シャフトがフェース近くに垂直に装着されているため、アドレス時にフェース面が視覚的に“まっすぐ”見えやすく、脳内での補正が不要。
その結果、ボール位置やフェース向きを意識的に調整する必要がなく、自然体で構えやすいというメリットがあります。
とは言え、構えやすさの感じ方は個人差があります。クランクネックやスラントネックの方がしっくりくるという方もいますので、最終的には好みやストロークタイプに応じた選択ということになります。
あともう一つ個人的に気になった点として、
が特徴的です。
フェース面の向きやスクエア感を視覚的に捉えやすいというメリットがあります。
一方で、ヘッドから伝わってくる情報量が少ない方が良いという方も少なくないようですので、そういった方は、デザイン的な主張が程よいかどうか、よく吟味する必要がありそうです。
ポイント② ヘッド構造:3素材の融合で浅重心化

S2S TRI-HOTでは、タングステン・ステンレス・アルミニウムの3素材を戦略的に配置することで、ヘッド重量の約80%をフェース側に集中させています。
- フェース周囲・ソール前方:タングステン(高密度)
- ホーゼル周辺:ステンレス(中密度)
- ヘッド後方:アルミニウム(軽量)
この構造により、ヘッドの重心がフェース寄りかつ浅くなりますので、以下のような効果が得られます。
<メリット>
- フェースの開閉が抑えられ、ストロークの安定性が向上
- 打ち出し方向のブレが少なく、ラインに乗せやすい
- 手元との一体感が強まり、操作性が高まる
<デメリット(注意点)>
- 深重心に比べて慣性モーメントが小さく、ミスヒット時の許容度はやや低め
- 打感がシャープに伝わりやすく、好みが分かれる可能性あり
浅重心設計は、操作性と順回転の安定性を重視するゴルファーにとって理想的な構造で、S2S TRI-HOTではその効果を最大限に引き出すための素材配置が徹底されています。
ポイント③ 打感と転がりを安定させる2重インサート構造
S2S TRI-HOTのフェースには、キャロウェイ独自のAi-DUALインサートが搭載されています。
これは約15,000回のシミュレーションと72種類のプロトタイプを経て開発された2層構造のフェーステクノロジーです。

<外層:柔らかいウレタン樹脂>
- 打感をマイルドにし、インパクト時の衝撃を緩和
- 手元への振動を抑え、フィーリングを安定化
<内層:硬質ウレタン樹脂>
- ボール初速を均一化し、距離のバラつきを抑制
- 打点のズレに強く、広範囲で安定した反発力を発揮
この2層構造により、フェース全体で安定したボールスピードと順回転が得られる設計となっています。特にミスヒット時でも、距離感と方向性の安定性が向上するのが大きなメリットです。
Square 2 Square TRI-HOTの発売価格・スペック
スペック
| モデル | #7 | JAILBIRD | ROSSIE | JAILBIRD CRUISER |
|---|---|---|---|---|
| ロフト角 | 3° | 3° | 3° | 3° |
| ライ角 | 72° | 72° | 72° | 72° |
| 長さ | 34″ | 34″ | 34″ | 38″ |
| グリップ | 約66g | 約66g | 約66g | 約84g |
| ソールウェイト | 約15g×2 | 約15g×2 | 約15g×2 | 約20g×2 |
ヘッド形状はセブン、JAILBIRD、ROSSIEの3タイプ。JAILBIRDのみ長尺・重ヘッドタイプのCRUISERがあります。
少し“ゆったり動かす”肩主体のストローク”で、体全体で微妙な調整を行うタイプというより、機械的にストロークすることを良しとする方に好まれているようです。
発売価格
発売価格は、セブン、JAILBIRD、ROSSIEの3タイプが82,500円、JAILBIRD CRUISERが89,100円となっています。
まとめ:4タイプの形状と適合ゴルファー
S2S TRI-HOTシリーズは、プレースタイルやストロークタイプに応じて選べる4モデルが展開されています。
それぞれの形状別にどんなゴルファーに向いているかをまとめました。モデル選びの参考にしてください。
<#7(ツノ型マレット)>
- 特徴:高慣性モーメント設計でフェースバランス寄り
- 適合:ストレート軌道で打つタイプ。安定性重視の中〜上級者
- 補足:最も汎用性が高く、左用モデルも展開あり
<JAILBIRD(ブレード型に近いマレット)>
- 特徴:コンパクトなマレット形状。操作性と安定性のバランス型
- 適合:ストレート〜ややイン・トゥ・イン軌道のプレーヤー
- 補足:視覚的に構えやすく、ライン取りに集中しやすい
<JAILBIRD CRUISER(長尺モデル)>
- 特徴:38インチの長尺設計。カウンターバランス仕様
- 適合:安定したテンポで打ちたい方、手元のブレを抑えたい方
- 補足:長尺パターに慣れている方に特におすすめ
<ROSSIE(丸型マレット)>
- 特徴:丸みのあるヘッド形状。ややトゥハング寄り
- 適合:イン・トゥ・イン軌道で打つプレーヤー
- 補足:打感や操作性を重視する方に好まれる傾向

