ドライバーは大きく分けると、ヘッド、シャフト、グリップに分かれます。
ドライバーそのものを取り上げると、ついついヘッド特性に話題が集中しますが、シャフトやグリップもゴルフクラブの特徴を決める上で重要な要素です。
そこで、本記事ではシャフトの特徴を表すスペックの一つである「キックポイント」について取り上げます。キックポイントにより弾道がどう変わるか、そして、自分にあったキックポイントの選び方も解説します。
目次
シャフトには、いろいろなスペック要素がある
シャフトの特徴を知る際には、スペックデータを見比べることで確認することができます。
代表的な項目としては、重量、フレックス、トルク、キックポイントなどが挙げられます。
シャフト重量
「重量」は、シャフトの重量です。同じヘッドでもシャフト重量が違うとクラブ重量が大きく変わりますので、とても重要な要素です。シャフトの種類によっては、同じシリーズで約10g刻みで重量ラインナップが用意されているものがあります。
フレックス
「フレックス」はシャフトの硬さを表していまして、メンズクラブではR、SR、S、X、レディースクラブでは、L、Aといった表記でされています。
キックポイント
「キックポイント」は、シャフトの「どこがしなりやすいか」を指すものです。シャフトは剛性が一様ではなく、先端をしなりやすくしたもの、手元側をしなりやすくしたものなど、製品により異なります。どこがしなりやすいかによって、弾道の高さに影響します。
トルク
「トルク」はシャフトの「ねじれやすさ」を表したものです。値が大きい程、ねじれやすく、ボールのつかまりが良くなるとされています。
「キックポイント」の種類
「キックポイント」は、”シャフトのしなりやすい位置を表す”と説明しました。実際の「キックポイント」の位置は、概ね以下の5種類となります。
キックポイント | しなりやすい位置 |
---|---|
先調子 | クラブの先端近く |
先中調子 | クラブの先端と中央の間 |
中調子 | クラブの中央 |
中元調子 | クラブの先端と中央の間 |
元調子 | クラブの手元近く |
上表で、「先、先端」はヘッドが刺さっている方を指しますので、先調子はクラブヘッドに近い位置がよくしなります。
「元、手元」はグリップが刺さっている方を指しますので、元調子はグリップに近い位置がよくしなります。
ここまでくるとお気付きの方もいると思いますが、シャフトの「調子」と「キックポイント」は同じものを指します。
なお、シャフトによっては、しやりやすい位置が2ヶ所あるものがあります。そういったものをダブルキックと言います。中央部の剛性を高めることで、手元と先端の両方がしなりやすくなっています。
「キックポイント」の選び方
シャフトの性質を決める要素がいくつかあり、ゴルフクラブ全体で考えた場合、ヘッドやグリップの組み合わせも影響します。
そのため、キックポイントだけを取り出して、最適なものを決めるのは恐らく無理があります。
ですが、ゴルファーの身体能力・スイングの特徴等から、大凡の適したキックポイントはあります。
この章ではキックポイントが与える影響などから、最適なキックポイント選びを探っていきましょう。
キックポイントが弾道に与える影響
ここでは、キックポイントを両極端の先と元の2タイプに分け、弾道に与える影響を解説します。
一般に、先調子のクラブは、インパクトの際にヘッドが上を向きやすいため、弾道が高くなります。そして、ヘッドが返りやすいため、ボールのつかまりも良くなります。
その反対に、手元側がよくしなる元調子は、トップではシャフトが大きくしなっていますが、インパクトの際に先側がしなりにくいため、弾道が低くなります。そして、球のつかまりも良くありません。
弾道の高さで言えば、ボールを上げたい人は先調子、低く抑えたい人は元調子ということになります。
なお、ボールのつかまりを良くして、弾道も高くしたい場合、キックポイントだけに頼ると相反する性質となります。このような方は、ダブルキックのシャフトが良いとされています。
弾道の調整はキックポイントだけで行うものではありませんので、つかまりはヘッド特性や重心調整、弾道の高さはロフト角でも変わってきます。
ここまで説明すると、自分の弾道からキックポイントが決まってくるように思えてきますが、自分に合ったキックポイントはスイングの傾向に合わせた方が良いという意見が多いようです。
自分に合ったキックポイントは、スイングで決まる!?
自分に合ったキックポイントについては、弾道から判断するという考え方もありますが、当サイトでおすすめしたい方法は自分のスイングから判断する方法です。
スイングから見たキックポイントの選び方については、横田真一プロがシャフトの専門家に相談している動画にて詳しく解説されていて、とても分かりやすい内容になっています。
▼3:00からキックポイントとスイングの話が出て来ます。
簡略化して、キックポイントを先と元の2種類で考えた場合、トップでの切り返しが早い方は「先調子」、トップでためが出来る方、ゆったり触れる方は「元調子」となります。
元調子のシャフトを、トップ位置でしっかりためが出来る方が使うと、切り返しの前に十分しならせることができますので、シャフトに持たせた性質が発揮されやすくなります。
折角、元調子のシャフトを選んでも、切り返しが早い場合、シャフトがしなりきる前にしなりをストップさせてしまいます。
「切り返しが早いか否か」
これが元調子か先調子かを判断する重要なポイントとなります。
- 元調子が合うゴルファー
切り返しがゆっくりで、しっかりためを作るタイプのゴルファー。 - 先調子が合うゴルファー
切り返しが早く、ためができないタイプのゴルファー。
切り返しだけで調子(キックポイント)を選ぶと、球の上がりやすさ、つかまりやすさは望んでいる方向とは異なってしまう場合があります。
実際に打ってみて、反対の傾向が出る場合は、ロフト角・ライ角を変える、左右の重心を変えてドロー・フェードのバイアスを作るといった対応を検討すると良いと思います。
まとめ
シャフトの「キックポイント」について、弾道に与える影響、適したゴルファータイプを解説しました。
シャフトのスペックは「キックポイント」以外にも重要な要素がありますので、選び出すとはまって楽しくなってきます。
ゴルフを始めたばかりの方は、ヘッド選びで精一杯かもしれません。上達するにつれ、グリップやシャフトにも興味や求めたいものが自然と出て来ると思います。