ブリヂストンから発売の「PHYZシリーズ」は、軽量で振りやすく、シニアやレディースゴルファーを含むゴルフを楽しむ大人のゴルファーに人気があります。
最近ではパターの発売は無くなったものの、ドライバーからアイアン、そして、ボールに至るまで同じシリーズで揃えることもできます。
これまで発売されている「PHYZシリーズ」のドライバーについて、歴代モデルを時系列にまとめます。
PHYZの意味は?
「PHYZ」シリーズがリリースされたのは2011年で、大人のアベレージゴルファー向けに、新たなゴルフの愉しみを提案する新しいコンセプトのゴルフブランドとして誕生しました。
「PHYZ」の意味については、そもそもPHYZという言葉は存在せず、ブリヂストンによる完全な造語となります。「ファイズ」と読み、意味についはプレスリリースの際に説明されています。
理想的なバランス=黄金比を表す記号 「φ(ファイ)」と、頂点を表す「Zenith(ゼニス) の頭文字「Z」を組み合わせ、 『PHYZ(ファイズ)』と名付けました。 ゴルファーの理想的なバランスを支える 最高のパートナーになって欲しいという想い を込めています。
ツアープロ、アスリートといったタイプのゴルファーではなく、生活を豊かにするための1つのアクティビティーとしてゴルフをとらえるような、ゆったりとゴルフを楽しもうというタイプがコアターゲットとなっています。
初代はツアーステージのモデルとして発売
ブリヂストンには、2015年頃まで「ツアーステージ」というアスリート向けブランドがありましたので、PHYZが誕生した2011となると、ツアーステージとは一線を画したシリーズのように思えます。
ですが、初代のPHYZは、「ツアーステージ PHYZドライバー」の名称でリリースされていますので、ツアーステージに属するモデルということになります。
その後、2012年の2代目からは「ツアーステージ」の冠が取れ、純粋な「PHYZ」シリーズとしてリリースされています。
PHYZドライバーのモデル年表
世代 | 発売年 | モデル名 |
---|---|---|
初代 | 2011年 | ツアーステージ PHYZドライバー |
2代目 | 2012年 | PHYZドライバー |
3代目 | 2014年 | PHYZⅢドライバー |
4代目 | 2016年 | PHYZドライバー |
5代目 | 2019年 | PHYZドライバー |
ツアーステージ PHYZドライバー 2011年モデル(初代)
コンセプト・特徴
- 手になじむしっくり感と、インパクト時のしっかり感を両立する「デュアルフィールグリップ」
- 自然にアドレスしやすく振りやすいイメージのヘッド、シャフトデザイン
- ゆったり振って楽につかまる「オートシンクロアクション設計」
- 心地よい打感と爽快な澄んだ打球音で、やさしく気持ちよく飛ばす
PHYZドライバーの初代モデルは、「力を入れなくても、飛ぶ、打ちやすい大人向けのクラブ」として2011年に発売されています。
名称からも分かる通り、「ツアーステージ」と言うブランド名が付いていますので、アスリート向けブランドに属した形となっています。
とは言え、PHYZドライバー自体は、軽量で大重心角・短重心距離でつかまりが良く、アベレージゴルファーが楽に扱える設計になっています。
- ロフト角:9.5、10.5、11.5°
- ライ角:58.0°
- ヘッド体積:460cc
- フェース向き:フック
- シャフト:PZ-501W(R2、R、SR、S)、PZ-601W(S)
- 長さ:46.25インチ
PHYZドライバー 2012年モデル(2代目)
コンセプト・特徴
- 振りやすく、安定したスイングへ導き、ボールスピードアップを実現する「スイングダイナミクステクノロジー」
- ハイドローで飛ばすヘッド重心設計「ドロードライブ設計」
- りきみから解放し、ゆったりと淀みのないスイングへ導く「ゴルファー五感 」
初代モデルの翌年、2012年に発売の2代目モデルは、ツアーステージという名称が外れ「PHYZドライバー」の名称でリリースされています。
初代と同様に、ゆったり気持ちよく振りぬきやすく、さらに、ドロードライブ設計が採用され、ドロースピンが生み出されてさらなる飛距離アップが図られています。
クラブ長さは0.25インチ長尺の46.5インチとなっていますが、シャフト・グリップの手元重心化によりクラブ全体の重心位置がグリップ側に寄せられ、振り難さが解消されています。
- ロフト角:9.5、10.5、11.5°
- ライ角:58.0°
- ヘッド体積:460cc
- フェース向き:フック
- シャフト:PZ-503W(R2、R、SR、S)、PZ-603W(S)
- 長さ:46.5インチ
PHYZⅢドライバー 2014年モデル(3代目)
コンセプト・特徴
- 新たな「パワースリット」によるPHYZ 史上最高の飛び
- タメたエネルギーを飛びに変換する「PHYZ Ⅲ 専用設計シャフト」
- 「バリアブル アジャスト システム」に「長さ可変機構」をプラス
2014年に発売のPHYZの3代目モデルは、従来の「大人ゴルファー向け」から「大人げないほどの飛び」に表現が変わり、飛距離性能を全面に打ち出したモデルとなっています。
またPHYZシリーズで初めてシャフト長さの調整機能が搭載され、方向性重視で曲げたくないコースでは標準仕様の45.5インチのまま、飛距離重視で飛ばしたいコースでは46インチへの長尺化が可能となっています。
初代・2代目が46.25インチ、46.5インチと長尺ドライバーでしたが、長さのアジャストが可能になったことで、長尺が得意な人も苦手な人も、両タイプのゴルファーが扱えるようになっています。
- ロフト角:9.5、10.5、11.5°
- ライ角:58.0°
- ヘッド体積:460cc
- フェース向き:フック
- シャフト:PZ-504W(R2、R、SR、S)
- 長さ:45.5インチ(46.0インチに調整可能)
PHYZドライバー 2016年モデル(4代目)
コンセプト・特徴
- 軽量化によるヘッドスピードアップ
- 進化したパワースリット
- 進化したパワーミーリング
2016年に発売のPHYZ4代目モデルは、このシリーズでは初となるカスタムフィッティングモデルで、「体力やスイングが違うゴルファーひとり一人のスイングに合った最長飛距離を追求するクラブ」がコンセプトとなっています。
3 球で行う素早いスイング診断により、ゴルファー一人一人のスイングに合った方向性と飛距離のアップが図られます。
スクエアインパクトに近づけるために重心アングルが最適化され、さらに、スイングのタイミングに合ったシャフトを選定することでインパクト時のシャフトのしなり戻りが最適化されます。
PHYZドライバー 2019年モデル(5代目)
- PHYZ 史上最軽量の設計と最大の重心アングル
- 初速をアップさせるシャフト技術
- 最適弾道を追求したテクノロジー
2019年に発売のPHYZ5代目モデルは、更に軽量化が進んでヘッドスピード38m/s前後のゴルファーが扱いやすいドライバーとなっています。
初代・2代目モデルと同様に、シャフトは2スペック用意されていて、Rスペックでは270g、R-Lightスペックでは266gという超軽量ドライバーになります。
重心角はPHYZ史上最大となる32°に設定され、ヘッドが返りやすく、そして、ロフト角は10.5°の1スペックに絞られ、ターゲットゴルファーがかなり絞られた分かりやすいモデルとなっています。
- ロフト角:10.5°
- ライ角:59.0°
- ヘッド体積:460cc
- フェース向き:フック
- シャフト:PZ-409W(R、R-Light)
- 長さ:45.75インチ
まとめ
PHYZドライバーは、ゴルフを楽しむ大人ゴルファー向けのブランドとしてスタートしました。
その後は、クラブの軽さ、振りやすさの特徴から、シニア・レディースを中心としたヘッドスピードが遅めの方に好んで利用されていて、同じ国内ブランドのXXIOとターゲット層が似ています。
ゼクシオよりも始まりは11年遅いものの、発売開始から10年以上が経過していますので、国内のゴルフクラブとしては息が無いブランドになりつつあります。
