ドライバーのシャフトはカーボンが主流ですが、アイアンのシャフトは今尚スチールが主流です。
一方で、アイアンの方もカーボンシャフトを推す声が聞かれます。
どうしてアイアンにもカーボンのシャフトが良いのか?カーボンにするとどのような良いことがあるのか?
カーボンがもたらす3つのメリットについて詳しく解説します。また、デメリットについても取り上げますので、アイアンにカーボンシャフトを検討されている方は、参考にしてみてください。
目次
アイアン用カーボンシャフトのメリット
メリット1:体への負担が少ない
体への負担と聞くと、ゴルフと離れた話のように聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。
アイアンがドライバーと大きく異なる点は、ティーアップしているかどうかです。
アイアンは地面にある球を打ちますので、ダフるリスクがあります。また、条件が悪い場面もあり、岩や木などを叩いてしまうリスクもあります。
地面などを思い切り叩いてしまうと、手首、肘、肩、首に衝撃が伝わり、肉体的なダメージが生じ、身体的な故障の原因となります。
アイアンのシャフトをカーボンにすることで、ダフリ自体が無くなることはありませんが、衝撃の伝わり方が大きく異なります。
硬い棒のようなスチールと比べて、カーボンシャフトの方が柔らかくしなりますので、衝撃を和らげてくれる効果があります。
実際、プロの世界でもアイアンにカーボンシャフトを取り入れている動きは以前からあり、ジャンボ尾崎は率先していましたし、渋野日向子も全英女子オープンでカーボンシャフトを使ってメジャーを勝ち取っています。
特に、長くゴルフを続けたいと考えている方は、年齢と共に怪我のリスクも高まりますので、軽くてしなりを生かせるシャフトを選べる点も含めて、カーボンにするメリットは大きくなります。
メリット2:スピンを掛けやすく、球が上がる
スチールシャフトとカーボンシャフトの大きな違いは、カーボンの方が柔らかくて、しなりやすい点です。
アイアンでカーボンを用いて、しなりを生かしてスイングすることで、スピンが入りやすくなります。また、スピンによる揚力に加えて、球をすくって上げやすく感じられる方もいます。
最近では飛び系アイアンが人気で、ロフトが極端に立ったストロングロフトのアイアンが増えています。
飛距離が出るというメリットと引き換えに、球が上がり辛い、グリーンで止まらないというデメリットも抱えています。
そこでスチールからカーボンにシャフトを変えると、スピンが掛かって球が上がることで、よりアイアンらしい弾道、アイアンらしいグリーンの狙い方がしやすくなります。
メリット3:ゴルフクラブ全体で、振り感が同じになる
カーボンシャフトとスチールシャフトでは、材質や製法の違いにより性質が大きく異なります。
スチールの方は硬い棒のようで、カーボンの方は柔らかくしなります。
挙動の異なるシャフトが自分のクラブセットの中で混在していると、シャフトの動きが異なり、扱い方・スイングにも違いや影響が生じます。
ただでさえ、異なるヘッド形状、異なる長さのクラブを使い分けるのは難しさがありますので、シャフトの材質を揃えることで、より同じようなスイング・振り感で扱いやすくなります。
アイアン用カーボンシャフトのデメリット
ここまでメリットを述べてきましたが、勿論、良いことづくめなわけではなく、デメリットもあります。
デメリット1:価格が高い
カーボンシャフトとスチールシャフトでは、カーボンシャフトの方が値段が高い傾向があります。
特にアイアンはクラブ本数が多いため、購入する場合、リシャフトの場合のどちらでも、価格へのインパクトが出やすいです。
▼カーボンシャフトとスチールの価格の違い
モデル | スチール | カーボン | 価格比 (カーボン/スチール) |
---|---|---|---|
ダンロップ ゼクシオ12アイアン |
22,000円 | 27,500円 | 1.25 |
テーラーメイド ステルスアイアン |
22,000円 | 25,300円 | 1.15 |
PING G425アイアン |
19,800円 | 23,100円 | 1.17 |
主流メーカーのアイアンの定価・メーカー希望小売価格を調べてみると、カーボンシャフトの方が、スチールシャフトより、大凡20%ほど高額となっています。
デメリット2:ショットが安定しやすい
スチールシャフトの方が硬いため、トルクが小さく、シャフトがねじれ難くなっています。
そのため、クラブがブレにくいため、弾道のブレにくさにも繋がり、ショットが安定しやすくなります。
デメリット3:打感が良い
カーボンシャフトは、柔らかくしなるため、衝撃を吸収してくれます。
逆に言えば、インパクトの衝撃を消してしまう方向に作用しますので、打感が伝わり難いということになります。
アイアンは特に打感を重視する傾向が強いクラブのため、打感を重視したいという方にとっては、この点がデメリットとして感じられるかもしれません。
まとめ
アイアン用シャフトをスチールからカーボンにした場合のメリット、デメリットについてまとめました。
カーボンにデメリットもありますが、体への負担が少ないというメリットは、特にゴルフを続けたいと考えているゴルファーにとっては、大きなポイントです。
また、最近の飛び系偏重のアイアンの傾向とも、カーボンシャフトは相性の良さがあります。
ご自分のゴルフスタイルとメリット・デメリットを照らし合わせることで、カーボンとスチールのどちらが良いかが見えてきます。