テーラーメイドのドライバーには、ロフト角の調整機能が多くのモデルで搭載されています。
購入時のスペックから変更することができるため、より構えやすくしたり、弾道を変化させたり、とても便利な機能です。
一方で、デメリットや注意点もありますので、活用する前に知っておきたい3つの点について、詳しく解説します。
目次
テーラーメイドのロフト角調整機能とは?
テーラーメイドのウッドには、「アジャスタブル・ホーゼル」と呼ばれる角度を調整する仕組みが採用されているものが数多くあります。
▼ウッド系クラブでのアジャスタブル・ホーゼルの搭載状況
モデル | 可変スリーブ有無 |
---|---|
ステルスPLUSドライバー | ○ |
ステルスドライバー | ○ |
ステルスHDドライバー | ○ |
300miniドライバー | ○ |
SIMグローレドライバー | - |
ステルスPLUSフェアウェイ | ○ |
ステルスフェアウェイ | - |
SIMグローレフェアウェイ | - |
ステルスPLUSレスキュー | ○ |
ステルスレスキュー | - |
SIMグローレレスキュー | - |
上表は、アジャスタブル・ホーゼルの搭載状況について、当記事執筆時点での現行モデルで整理したものです。
アスリートゴルファー向けモデルには基本的に搭載されていて、アベレージゴルファー向けモデルではまちまちとなっています。
角度調整の仕組みとしては、スリーブと呼ばれるパーツがシャフトの先端に装着されていて、ヘッドに差し込む向きを変えることで、ロフト角・ライ角・フェース角を切り替えることができます。
なお、切り替える(調整)内容については、予めロフト角・ライ角・フェース角の組み合わせが12個定められていて、その中から選ぶ形となります。
注意点① 最初から10.5°と、調整して10.5°は、同じではない
アジャスタブル・ホーゼルによる調整機能は、購入状態からスペックを変更することができますので、とても便利です。
この機能は、「ロフト角調整機能」「ロフト調整」などと呼ばれることが多々ありますが、これは誤解を生じさせる呼び方です。
前章で説明している通り、テーラーメイドの可変スリーブでは、ロフト角・ライ角・フェース角の3つが連動して調整されます。つまり、ロフト角だけ変更して、ライ角・フェース角を変更しないという自由度の高い調整はできません。
ロフト角だけ変えられると間違って解釈していると、ロフト角9°を購入して+1.5°に調整すれば、ロフト角10.5°になると勘違いしてしまいます。
実際に、ロフト角9°をロフト角10.5°に調整した場合、どうなるか見てみましょう。
調整ポジション12個の中から、ロフト角を+1.5°にするポジションは以下の二つがあります。
ロフト角 | ライ角 | フェース角 |
---|---|---|
+1.5° | +1.25° | +3° |
+1.5° | +2.75° | +3° |
ロフト角を9°から+1.5°して10.5°にすると、ライ角が+1.25°または+2.75°になり、フェース角が+3°となります。
つまり、最初から10.5°のドライバーと比べると、アップライトでフェースクローズになりますので、同じ構え方をした時にトゥが高くなり、球がつかまりやすくなります。
この違いを理解した上で購入されるのであれば問題ありませんが、角度調整したクラブは、他の2つの角度も変わる点を把握しておく必要があります。
注意点② レスキューの可変スリーブは仕様が異なる
アジャスタブル・ホーゼルは、ドライバー、フェアウェイウッド、レスキュー(ユーティリティ)に採用されています。
ドライバーとフェアウェイウッドは、同じ0.335のチップ径のものが採用されていますが、レスキューは0.370の異なるものが採用されています。
ドライバー、フェアウェイウッドの場合、ロフト角は±2°の調整が可能なのに対して、スレキューは±1.5°で調整幅が異なります。
ドライバーとフェアウェイウッドでは長さが異なるため、シャフトの相互利用はあまりないとは思いますが、可否で言えば互換可能です。
一方、レスキューはチップ径が異なりますので、レスキューのスリーブをドライバーやフェアウェイウッドのヘッドに刺すことはできず、互換性がありません。
注意点③ ロフト角調整機能が有ることのデメリット
アジャスタブル・ホーゼルは、全てのウッド系に搭載されているわけではなく、搭載されていないモデルもあります。
それには理由がありまして、アジャスタブル・ホーゼルがあることによるデメリットもあるためです。
デメリット1 重量負荷がかかる
まず、一つ目のデメリットは重量面です。
ゴルフクラブは軽量化が重要なテーマですが、アジャスタブル・ホーゼルを搭載すると、ネックに大きな重量負荷を伴います。
その分、自由な重心設計が行えなくなったり、クラブ重量が重くなったりします。
例えば、SIMグローレというアジア市場向けのシリーズでは、クラブ重量を軽くすることに特徴がありますので、アジャスタブル・ホーゼルは搭載されていません。
デメリット2 ネック形状
左がアジャスタブル・ホーゼル有り、右が無しです。
アジャスタブル・ホーゼルがあると、ネック周りにギミックがありますので、すっきり感は下がります。
構えた時の上からの見た目にも違いがありますので、ゴルファーによっては、アジャスタブル・ホーゼルが気になって、構えにくいという方もいます。
すっきりとしたネック形状を好む方にとっては、可変スリーブが無いことの方がメリットが大きい場合があります。
まとめ
テーラーメイドのアジャスタブル・ホーゼルについて、活用する場合の3つの注意点についてまとめました。
特に、一番最初に取り上げた「最初から10.5°と、調整して10.5°は、同じではない」件については、ライ角、フェース角の違いが生じて全く別のスペックのクラブになってしまいます。
調整機能を使うことを全体とされている場合は、この点について事前に把握した上で、購入されることをオススメします。