タイトリストの「TSR」シリーズのドライバーに搭載されている調整機能「SURE FIT」について、ロフト角・ライ角調整機能、CGトラック、ウェイトオプション、スリーブ・トラックの互換性を詳しく取り上げます。
SURE FITには3つの調整の仕組みがある
「SURE FIT」はタイトリストのドライバーやフェアウェイウッドなどに搭載されている調整機能です。重心位置やバランスを変更することで、弾道・振りやすさを調整することができます。
TSRシリーズの「SURE FIT」は、3種類の調整の仕組みがあります。
- SURE FIT ホーゼル
ヘッドとシャフトの装着部にあるスリーブによる調整機能で、ロフト角・ライ角の調整が可能です。 - SURE FIT CGトラックウェイト
ヘッド後方に搭載された移動式ウェイトによる弾道調整機能です。左右に移動させることで、ドロー・フェードの調整が可能です。 - SURE FIT ウェイト
ウェイトはオプションで別重量が用意されています。別重量に交換することで、重心深度・重心高・バランスなど、ウェイト重量の効き具合の調整が可能です。
移動式ウェイトはTSR3ドライバーのみに搭載
SURE FITを構成する3つの調整機能は、TSR1~4のモデルにより搭載されているものが異なります。
モデル | TSR1 | TSR2 | TSR3 | TSR4 |
---|---|---|---|---|
SURE FIT ホーゼル | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SURE FIT CGトラックウェイト | - | - | 〇 | - |
SURE FIT ウェイト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
SURE FITホーゼルは全4種のドライバーに搭載されています。スリーブとリングの装着の組み合わせ・方向を変えることで、ロフト角・ライ角を調整することができます。
SURE FIT CGトラックウェイトは、TSi3で初めて搭載された移動式ウェイトで、後継となるTSR3にも搭載されています。ドロー・フェード共に2段階の調整が可能です。
それでは、個々の調整機能について詳しく見ていきましょう。
SURE FIT ホーゼルの完全ガイド
SURE FIT ホーゼルとは?
SURE FITホーゼルは、ロフト角とライ角を独立的に調整できる機構です。専用レンチでヘッドとシャフトを取り外し、シャフトに装着されているスリーブ、そして、間に挟まったリングの組み合わせを変えることで、ロフト角・ライ角を変更することができます。
SURE FIT ホーゼルの調整内容
シャフト側のスリーブの凸部分には1、2、3、4の刻印、スリーブの先に装着されているリングの凹部分にはA、B、C、Dの刻印があります。
この数字とアルファベットを組み合わせすことで、ロフト角とライ角の組み合わせを4×4=16通りに切り替えることが可能です。
日本ではカチャカチャとも呼ばれる可変スリーブは、他メーカーで多く採用されているものの場合、調整リングがないため、予めロフト角とライ角の組み合わせた決められています。
しかし、タイトリストの場合、間に調整リングがあることで、ロフト角とライ角を独立的(つまり、個々別々)に切り替えることができ、高い調整の自由度を有しています。
SURE FIT ホーゼルのセッティング表(右利き)
上の表は、スリーブ(1~4)とリング(A~D)の組み合わせによる調整内容です。
ロフト角は0.75°刻みで-0.75~+1.5°まで、ライ角も0.75°刻みで-0.75~+1.5°までの調節が可能となっています。
ロフト角は上げると高弾道、下げると低弾道になり、ライ角は上げるとドローに、下げればフェードになります。
SURE FIT ホーゼルのセッティング表(左利き)
左利きの方はスリーブとリングの組み合わせによる設定内容が異なりますので、ご注意ください。
出典:https://www.titleist.co.jp/surefit/
SURE FIT ホーゼルの設定動画
タイトリストにより公式説明動画です。日本語字幕が添えられていますので、調整手順・注意点など確認することができます。
SURE FITホーゼルの互換性
USタイトリストによると、TSRドライバーは、TSi、TS、917、915、913、910との互換性があります。
一つ前のTSiシリーズでは、「TS、917、915、913、910、VG3(2018/2016/2014)ドライバー用SURE FIT ホーゼル付きシャフトと互換性がある」と記されています。
恐らく、VG3(2014年以降)とも互換性が保たれているものと思われます。
SURE FIT CGトラックウェイトの完全ガイド
SURE FIT CGトラックウェイトとは?
タイトリストのドライバーには、917シリーズからドローフェードのウェイト調整機能が搭載されています。917シリーズ、TSシリーズでは、棒状のウェイトパーツを用いた少し変わったギミックでしたが、前作のTSi3からポートにウェイトを移動させる一般的な形式が採用されています。
調整の仕組みとしては、ヘッド後方に5つのウェイトポートが用意されていて、ウェイトを移動させることで、ニュートラルに加えて、2段階のドロー・フェードで、合計5つのポジション変更による弾道調整が可能となっています。
なお、同様のギミックは、PINGのG410・G425ドライバー、ブリヂストンのツアーB X・B1ドライバーなどにも採用されていて、テーラーメイド・キャロウェイのスライダー式と並んで、業界標準の1つとなりつつあります。
SURE FIT CGトラックウェイトの調整内容
現時点では、まだTSRシリーズのカタログがWEB公開されていないたえ、同様の5つのポジションを有しているTSi3のものを紹介します。
ウェイトの装着ポジションは、センターのN、左右にH1、H2、T1、T2があります。Hはヒール、Tはトゥの頭文字で、添え字の1、2は弱、強という意味でしょう。
ウェイトを移動させるには、専用のレンチを用います。
ソール側にあるポートにレンチを挿し込んで緩めることで、ウェイトの抑えを持ち上げることができます。
ウェイトは5つあるポジションの中から好みの場所に移動させます。
最後に、再びレンチを用いて締めることで、ウェイトの抑えが下がりウェイトが固定されます。
SURE FIT CGトラックウェイトの設定動画
こちらはTSiシリーズのものとなりますが、調整の機構はTSRと同様です。
英語バージョンですが、調整機能の仕組み・調整の仕方を把握する上では問題ありません。

SURE FIT ウェイトの完全ガイド
SURE FIT ウェイトとは?
TSRシリーズのドライバーに搭載されているウェイトは、TSR3の移動式のものを除くと、全て同じものが採用されています。
初代のTSシリーズでは、モデルによりウェイトの形状が異なりましたが、前作のTSiシリーズ、今作のTSRシリーズでは、固定式のTSR1・2・4で同一形状のウェイトとなっています。
特に、TSR4ではウェイトがソールの前と後ろで、異なる重量のウェイトが搭載されていますので、これらを入れ替えることで、バランスなどの調整が可能です。
SURE FIT ウェイトの調整内容
正式な情報が確認され次第、掲載します。



