韓国のキム・シウーは、マスターズでのパター破損に続いて、翌週のRBCヘリテージの3日目に、またもグリーン上での珍事に見舞われました。
▼パター破損の件は、下記記事をご覧ください。
≫ キム・シウーが3番ウッドをパター代わりにした理由がコチラです
目次
もうちょいでカップに入りそうなので、根気よく待った結果
グリーン上での珍事の一部始終が映像に収められています。
PAR4の3打目を、キム・シウーがグリーンの外からパターで攻めるところからことは始まります。
ボールは見事にラインに乗って、カップに吸い込まれるように進んでいきます。
カップの直前でホールのエッジで球がよれたのか、ボールは入りませんでした。
問題はここからです。
キム・シウーはゆっくりとホールに歩いて近づいていきます。そして、ホールの直ぐ近くに到着後、キャディーらと囲むように眺めますが、ボールは一向にカップに入ろうとしません。
それでも根気よく眺め続け、キム・シウーは異変を感じたのか、途中からしゃがみ込んで、よりボールの近くで眼力を送るかの如くボールに視線を注ぎます。
そして、ホールに近づいてから約55秒後、ボールはついにカップに吸い込まれて行きました。
3打目が入りましたので、見事にバーディーかと思いきや、ここからこの出来事の後半が始まります。
PAR4を3打で沈めたが、結果はパーセーブ
キム・シウーの3打目は、55秒待った末に、カップに入りました。
これで、PAR4を3打で沈めたことになります。
しかし、ゴルフにはこのようなケースに対してルールがあります。
ボールが止まっているのか、それともカップに入る過程にあるのか、見定めるための時間がルールで定められています。
まず、ゴルフには不当な遅延を禁止するルールがありますので、パッティングした後、ボールの状況を判断するために、遅滞なくホールに近づかなければなりません。
この行為が不当に遅い場合、遅延行為として2打罰を受けることとなります。
ホールに近づいた後、ボールの状況を見ることとなりますが、これに要することができる時間が10秒と定められています。
逆に言えば、ホールに遅滞なく近づいた後、10秒以内にボールが動き出せば問題ありません。
キム・シウーがホールに近づいてから約55秒経過してからカップインした
さて、ここでキム・シウーのケースをルールと照らし合わせながら振り返ってみましょう。
パットを行って、ボールが止まってしまうのが、上記動画で0:09です。
そこで困惑の表情を見せ、最初はホールに向かっていく気配が0:17には歩み寄っていく様子が確認できます。
ややキム・シウーの動き出しが遅い感がありますが、これぐらいは許容範囲でしょう。遅延行為とはみなされず、2打罰とはなりません。
そして、歩みを進めてボールが止まってしまった地点に辿り着いたのが0:26です。ここからキャディーらとボールの状況を眺め、様子を見守りに入ります。
状況が変わったのは52秒後です。1:18にキム・シウーが声を上げていますので、ボールが動いている様子が確認できたのかもしれません。映像でボールが動いてカップインを確認できたのが1:21です。
ホールに辿り着いてからボールが動くまで、ざっと52~55秒の時間を要しています。
これは、先程、説明した10秒ルールを大きく超えていますので、1打罰が加算されます。
記録上は、3打で入れたこととなりますが、1打罰の追加で4打となります。
思い出されるのは、タイガー・ウッズの2005年のマスターズ
ホールの淵に留まったボールというと、多くの人が思い出すのは、2005年のマスターズ、タイガー・ウッズのスーパーショットではないでしょうか?
グリーンエッジから、傾斜を完璧に読み切ったショット。
ボールは90°方向を変えてカップに吸い寄せられて行きます。
そして、淵で一度とまり、タイガー・ウッズも頭を抱えて倒れ込みそうになりますが、ボールは見事にカップイン。
会場も揺れんばかりの大歓声。この瞬間、地球上で最大の興奮の渦は、間違いなくマスターズの16番ホールにありました。
ちなみに、このタイガー・ウッズのスーパーショットは、ボールは止まって直ぐに動き出しますので、10秒ルールには全く該当しません。
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