バンカーショットや深いラフからのウェッジでのショット。
思い切りフェースを開いているシーンを見かけたり、ご自分でもやったことがある方は多いと思います。
感覚的には分かっていても、何故、フェースを開くのか?
この理由を解説します。
そもそもフェースを開くとは?
ウェッジでのバンカーショットや短い距離のアプローチショットなどで、フェースを開いて打つシーンがあります。
文字通り、フェースを右に向けて、つまりフェースを開いて打つ方法を表しています。
ただ、正確に言うと、フェースを右に向けているだけではありません。これではただ単に打ち出し方向が変わるだけです。
右に向けて、かつ、フェースを寝かせています。
つまり、フェースを右に向けて、ロフト角を大きくしている状態が、バンカーショットなどで使われる「フェースを開く」という状態です。
フェースを開く理由
筆者自身、ゴルフを殆どしたことが無い時に、友人にショートコースに連れていかれたことがあります。
この時、ショートアイアン、ウェッジ、パターの3本だけで回れる短い距離で、ゴルフがほぼ未経験の筆者ですら、誰から教わるわけでもなく、自然と短い距離、高く上げたい時には、フェースを開いていました。
感覚的にフェースを開くべきシーンは、殆どのゴルファーが自然と分かると思います。
しかし、何故、フェースを開くのか、メカニズムと理由を正しく理解することで、ショットの正確性、フェースを開くショットをグリーン周りだけでなくても応用したりできるようになります。
直接的な答えを先に行ってしまうと、ロフト角を大きくすることにあります。では、何故、ロフト角を大きくする必要があるのかですが、これには大きく2つの理由があります。
理由① 球を高く上げる
あごのあるバンカーや、目の前に小高い起伏がある場合など、普通に打ってはとても越えられないシーンがあります。
その場合、球を極端に高く上げる必要があります。
この時に必要になるのは、やはり、大きなロフト角です。
▼ミケルソンの危険すぎるロブショットです!
こちらのショットでは、スイングが当たってしまいそうな距離に背の高い男性が目の前に立った状態で、恐らく角度にして70°ぐらいの打ち出しのロブショットで男性をふわっと越えていく超絶ショットです。
ショット直前の映像を見るとわかりますが、スタンスは大きく開き、フェースも極端に開き、そして、寝かせています。
ロフト角を大きくすることで、高い打ち出しが可能となっています。
理由② スピンを掛ける
ツアープロがプレーするコースは、グリーンがとても高速です。そのため、グリーンを狙ったショットでは、スピンをしっかり掛ける技術が求められます。
▼松山英樹の超絶スピンショットです
スピンをしっかりかけるには、フェース面の溝にしっかりボールを噛ませる必要があります。
溝とボールの接触をできるだけ多くするには、フェースを寝かせた方が溝にひっかかりやすいですし、接触する面積も増えます。
また、フェースを寝かせることで、振り抜けも良くなりますので、バンカーや深いラフでのショットに向いているという利点もあります。
理由+α 楽に打てる
もう一つ、フェースを開く理由として挙げるとすると、楽に打てるという点があります。
ドライバーショットで思い切り叩きたい時に、思い切り開いて打つと、力強いショットが打てなさそうなのは、イメージしやすいと思います。
反対に、短い距離でフルパワーを出す必要が無い時は、開いて打っても力の入れ具合で不都合はありません。
そして、45°ぐらい思い切り閉じて打つのと、反対に開いて打つのとで、どちらが楽にスイングできるかイメージしてみると、体の構造上、開いている方が楽なのも感覚的に分かると思います。
開いて打った方が楽に打てますので、より自由に体を使いやすく、繊細なショットに向いているという利点があります。
まとめ
ウェッジでフェースを開いて打つ理由について、取り上げました。
本来の理由は、球を高く上げる、スピンを掛けるためで、そのための解決策がロフトを大きくするということになります。
感覚的にではなく、何故、開いて打つのかを理解しておくと、似たような要素があるシーンで、このメカニズムを取り入れて対応することも可能で、プレーの質が高まります。