上田桃子プロの練習方法について、その独特な内容と意図をご自身がYouTubeにて詳しく解説されていましたので、詳しく取り上げます。
- 練習メニュー
- 取り入れている練習器具
- スイングで注意しているポイント
その内容は驚くべきもので、ほぼ9番アイアンだけで、ドライバーを打たない日も多いとのこと。
横田真一プロの質問に答える形のため、練習の意図・注意している点・目指している方向も詳しく解説されています。
上田桃子プロの凄さは、生涯獲得賞金を見れば一目瞭然!
若手の躍進が止まらない女子プロゴルフ界にあって、上田桃子プロは過去2シーズンを連続して賞金ランキングでTOP10入りしています。
今や20歳前後が女子プロゴルファーのピークではないかと思えそうな厳しい世界の中、こんなにも長くトップで居続ける日本人女子プロゴルファーは上田桃子プロのみです。
当然、長く勝ち続けていませうので、その結果は生涯獲得賞金という形でしっかり表れています。
▼JLPGA生涯獲得賞金のTOP10
順位 | 氏名 | 生涯獲得金額 |
---|---|---|
1位 | 不動 裕理 | 1,370,292,382 |
2位 | 申 ジエ | 1,332,003,222 |
3位 | 全 美貞 | 1,289,970,197 |
4位 | 李 知姫 | 1,248,684,528 |
5位 | アン ソンジュ | 1,100,114,790 |
6位 | 横峯 さくら | 1,066,768,138 |
7位 | 上田 桃子 | 1,064,425,879 |
8位 | 大山 志保 | 974,909,343 |
9位 | 福嶋 晃子 | 909,087,761 |
10位 | 鈴木 愛 | 888,586,709 |
上田桃子プロの生涯獲得賞金は、何と10億円を超えています。
同様にベテランながらモンスター級の活躍を続ける韓国選手もいますが、日本人選手の中では一つ上に横峯さくらプロ、そして、堂々の一位には不動裕理プロの2名です。
現在の活動内容を考えると、日本人選手の中でトップに立つのは時間の問題と言って良いでしょう。
上田桃子プロが練習内容を解説
こちらが横田真一プロのYouTubeチャンネルにて、ご自身が出演して練習内容を解説している動画です。
練習内容は以下に詳しくまとめましたが、プロの人柄にも興味がある方は、動画の方もゆっくりご覧になってみてください。
ちなみに、上田桃子プロはドローヒッターですが、「フェードも打てる」とうっかり言ってしまったことから、フェードヒッターの横田真一プロの前で披露することとなりました。
その時の慌てふためいている様子が何ともチャーミングで好感しかありません。気になる方は、動画後半の19:50頃からご覧ください。
上田桃子プロの練習内容
練習は大きく3種類のメニュー
- ウェッジ(60°)で10・20・30ヤードの距離感の確認
- 辻村棒で体の回転を確認
- 9番アイアンでスリークウォーター、フルショット、芝から60ヤード
タイトルでも記載している通り、基本の練習は9番アイアンのみで行っています。
そのためドライバーは打たない日も多いとのことで、打っても5球ぐらいだそうです。
思い切り叩くドライバーこそ、曲がらないか、変なクセがでないか、入念なチェックを行いそうですが、そうではないんですね。
9番アイアンを選んでいる理由も特にないそうで、スイングというより体の使い方の確認がほぼ全てです。
ちなみに、最近、流行りの打ち方は取り入れておらず、ヘッドスピードの速さがどうとかには気にせず、体重を乗せて強くボールを叩くことを意識しているとのこと。
良いと思うスイングは、ベンホーガンや初期の頃のタイガーウッズと述べられています。
改めてベンホーガンのスイングを見ると、素晴らしくスムーズで人間の体の構造に合っているように思えます。
GGスイングの両脚外旋といったメカニズムは、取り入れようとするとこれまでのスイングを壊すリスクも有りますので、新理論を捨て去る潔さも一つの前向きな選択です。
3つのメニューを詳しく解説
① 10・20・30ヤードの打ち分け
最初はスイングのチェックではなく、距離感の確認を行っています。
10ヤード、20ヤード、30ヤードの地点にカップを置いておいて、クラブは60°を用いて狙います。
何球打つというのではなく、その距離をしっかり打てるなと思えたら、20ヤード、30ヤードと伸ばしていきます。
② 辻村棒で回転をチェック
次はボールを打たず、練習器具を用いて正しい体の回転を身につける練習です。この後に行う9番アイアンの練習の前の運動をウォーミングアップも兼ねているようです。
辻村棒と呼ばれるもので、辻村コーチ考案のスイング練習器具です。
<練習のやり方>
- 胸・腰のラインを平行に保つ
- 左かかとを上げず、体の捻転を作る
<注意しているポイント>
- スイング後半で左脇を開けず、締める
→ドローヒッターの変なクセをなくす - 体の近くで回転する
→ヘッドを遠回りさせない
弾道が乱れないようにするには、正確なスイングが求められます。
それには、体の動きが全てで、確認と矯正をひたすら繰り返して行っています。
③ 9番アイアンで3種類の打ち込み
ここからようやく本格的な打ち込みです。
用いるのは9番アイアンのみで、上田桃子プロは打ち過ぎて溝が消えてしまっています。
まずはスリークウォーターで打って、その次にフルショットで打ち、最後に芝の上から60ヤードを狙って打ちます。
この練習をただただひたすら行うとのことです。
<注意しているポイント>
- フェースを寝かさない
- 手が遅れて振り遅れないよう、体と同じに動かす
この2つは、ドローヒッターであるが故に、左を恐れた時につかまり過ぎないよう自然と出てしまうクセだそうです。
プロ野球の落合博満氏が、ボールを体の正面から投げてもらって打つ独特な練習をひたすら行っていたのが有名で、これも右手の肘が背中側に入るというクセを抑えるために行っていたそうです。
打った球がどうかではなく、体の使い方の強制と確認を行っている点が共通していて、トッププロならではの境地なのかもしれません。
まとめ
上田桃子プロの練習方法について、内容・意図・注意している点をまとめました。
ドライバーを打たない日も多いというのが意外ですが、何より大事なのは正しく体を使うことという考え方がそうさせています。
そのためにご自分に合っていたのがたまたま9番アイアンだったということで、他の方がこの考え方を取り入れる場合は、ミドルアイアンかもしれないし、フェアウェイウッドかもしれません。
ご自分のクセを抑えて正しいスイングをするには、どのクラブで体を使うのかが良いか、その視点で練習するクラブを絞ってみては如何でしょうか?