FujikuraからNXシリーズに新たに登場した「SPEEDER NX BLACK」。
前年のGREENからBLACKになったことで、ハードになった印象を受けそうですが、実際には先調子系で動きが感じられるシャフトになっています。
NX3代目となる「SPEEDER NX BLACK」について、製品の特徴、スペック、試打した評価を取り上げます。
Fujikura SPEEDER NX BLACKの特徴
SPEEDER EVOLUTIONの後継として2021年に誕生したSPEEDER NX。
翌年の2022年には2代目となるSPEEDER NX GREENが発売されていて、初代・2代目と女子プロゴルファーを中心に高い評価を受けています。
そのような中、2023年は3作目となるSPEEDER NX BLACKが発売されました。
中調子から先中調子に
シャフト | BLACK (2023) |
GREEN (2022) |
BLUE (2021) |
---|---|---|---|
調子 | 先中 | 中 | 中 |
NX BLUE(初代)とNX GREEN(2代目)は、共に中調子でしたが、NX BLACK(3代目)は先中調子となっています。
もともとSPEEDER NXは女子プロゴルファーに支持されているだけあって、つかまり・弾道高さに優れています。
GREENではこの特徴を抑える方へシフトしましたが、今度のBLACKでは色が醸し出すイメージとは裏腹に、より特徴を強める方へシフトしています。
つまり、つかまり・高弾道の性能の強さは以下の順となります。
BLACK(3代目) > BLUE(初代) > GREEN(2代目)
先端剛性を高め、挙動は安定
中調子から先中調子になると、ヘッドが暴れて安定しない、インパクトの時に力強く押せないといったイメージ不安を持つ方がいると思います。
Fujikuraもこの辺りは認識していて、調子を先側にシフトさせても、安定感が損なわれないように配慮しています。
先端から中間の捩り剛性を高めることで、ヘッド挙動が安定し、インパクト時のブレを抑制しました。
*引用:fujikurashaft.jp
SPEEDER NXシリーズは、VTC(Variable Torque Core)と呼ばれるトルクの組み合わせ(差を付ける)が導入されているのが最大の特徴です。
NX BLACKは、冒頭にソフトな方向にシフトと説明しましたが、先端剛性に関しては前作よりも高めてありますので、ヘッド挙動が暴れず、インパクト時に当り負けをしないよう工夫されています。
BUTT径は3作の中で最も細い
シャフト | BLACK (2023) |
GREEN (2022) |
BLUE (2021) |
---|---|---|---|
40 R | 15.05 | 15.15 | 15.1 |
50 SR | 15.2 | 15.2 | 15.2 |
60 S | 15.3 | 15.4 | 15.35 |
70 X | 15.4 | 15.55 | 15.45 |
NX全3世代で、TIP径は同じですが、BUTT径は違いを持たせてあります(重量・フレックスによっては同じ場合もある)。
BLACK(3代目) < BLUE(初代) < GREEN(2代目)
BUTT径は、BLUEからGREENで大きくなったのに対して、BLACKはBLUEよりも小さくなっています。
BUTT径、つまり、グリップエンド側が細いとグリップ感がが高まりますので、手首を使いやすくなり、結果として操作性やつかまりが良くなります。
SPEEDER NX BLACKのゴルフ識者の評価
e!Golf編集部の評価
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- 高弾道で高スピンと謳っているだけあり、普段よりロフトの立ったクラブでもイメージどおりの高さに球を打ち出すことができました。
- また「ブラックのシャフト=ハード」という印象がありますが、「スピーダー NX ブラック」は先中調子でつかまりもよく高弾道という特性。
- 一部の限られたハードヒッター向けではなく、むしろアベレージゴルファー向けなので「黒くてカッコいいシャフトを使いたい」という要望にも応えてくれます。
- 重量は女性でも振れる40グラム台からあり、フレックスもR2からXまでの全13スペックがラインアップ。しっかりとつかまった高弾道ボールが打ちたいゴルファーに試して欲しいシャフトです。
SPEEDER NX BLACKの試打・解説
プロがSPEEDER NX BLACKを試打・評価
- 3作目のBLACKは打ち出し角度をつけやすく、スピン量を少し増やしてくれる。
- 通常、先調子、先中調子は、手元側が硬くて段々柔らかくなっていくイメージが強いが、NX BLACKはダブルキックみたいに手元もしなってくれて、先端も動いてくれる。
- ATTAS KINGで言うと釣り竿型と言われるような素直なしなり方をするが、NX BLACKは先端だけが動く。インパクトに向かうまでは中調子とか元調子のようなタイミングの取りやすさがあり、最後、インパクトの時に少し押してくれる。
- 少しつかまるタイプのシャフトなので、右に行くステルス2のようなヘッドには調度良い。低スピン系のヘッドに合わせると、球を持ち上げてくれる。
- VENTUSとNX BLACKで比較すると、NX BLACKは飛ばすシャフトで、VENTUSは飛ばさずコントロールするシャフト。
SPEEDER NX BLACKのスペック
モデル | 硬さ | 重量 | トルク | 調子 | 長さ | Tip径 | Butt径 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SPD NX BLACK 40 | R2 | 46.5g | 5.6° | 先中 | 46″ | 8.5 | 15 |
〃 | R | 48.0g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.05 |
〃 | SR | 49.5g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.1 |
〃 | S | 51.0g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.15 |
SPD NX BLACK 50 | R | 53.5g | 4.9° | 〃 | 〃 | 〃 | 15.15 |
〃 | SR | 55.0g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.2 |
〃 | S | 56.5g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.25 |
〃 | X | 58.0g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.3 |
SPD NX BLACK 60 | SR | 64.0g | 3.8° | 〃 | 〃 | 〃 | 15.25 |
〃 | S | 65.5g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.3 |
〃 | X | 67.0g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.35 |
SPD NX BLACK 70 | S | 75.0g | 2.9° | 〃 | 〃 | 〃 | 15.35 |
〃 | X | 76.5g | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 15.4 |
SPEEDER NX BLACKは、40~70まで10刻みの4つの重量帯があります。
シャフト全体のトルクで見ると、BLACKはGREENとBLUEの中間ですが、NXシリーズは先端・中間・手元でトルク差にメリハリをつけてあり、BLACKは最もつかまって球が上がりやすシャフトになっています。
BUTT径に関しては、これまでのNXシリーズの中で、最も小さく(細く)なっていて、手首を使い(=球をつかまえ)やすくなっています。
初代BLUEよりも、つかまり、球の上がりやすさが欲しい方に適しています。
SPEEDER NX BLACKの発売日・発売価格
SPEEDER NXの発売日は、2023年9月7日です。発売価格は税込み44,000円(税抜き40,000円)で、過去2世代(SPEEDER NX、SPEEDER NX GREEN)と同じです。

