ドライバ―の飛距離アップはゴルファーにとって終わりなきテーマです。飛距離は3つの要素で決まることを以前の記事で取り上げまして、飛距離アップを図るには、3つに対してアプローチしていくことが効果的です。
⇒ドライバーの飛距離アップのコツ、飛距離を決める3つの要素とは!?
本記事では、飛距離を決める3つの要素の内の一つである「スピン量」について、最適な値を調べてみました。
スピン量とは?
スピン量はボールにかかるバックスピンの量です。バックスピンがかかることで、ボールに対して揚力が加わります。エネルギーとしては上成分の浮き上がろうとする力です。
これにより、無回転の時よりも長時間、空流に浮遊し、結果的に飛距離が伸びますので、バックスピンは飛距離を伸ばす上でとても重要なものです。
スピン量は、多い方が良いか?少ない方が良いか?
ゴルフメーカーのドライバー開発への取り組みでは、飛距離アップのために様々なテクノロジーが生み出され、導入されています。
とりわけ最近は、スピン量に触れるメーカーが増えています。ヘッドサイズ、反発係数に上限値が設けられているため、「飛距離を伸ばすにはスピン量の最適化しかない」という意見も聞かれるほど、スピン量には注目が集まっています。
スピン量の最適値は1700とか2500とか、様々なデータがあり幅がありますが、それでも一般ゴルファーのスピン量はこれを大きく上回る方が多いのが実状です。
スピン量は多い方が良いか・少ない方が良いか?という問いに対する答えは、ゴルファー毎に異なってきますが、平均的にはスピン量を少なくした方が良いゴルファーが多いです。
そのため、PINGのG400 LST(ロースピンテクノロジー)ドライバーを始め、低スピンをうたったドライバーが増えています。

最適なスピン量を調べてみました
では、スピン量はどれぐらいが良いのかというと、ヘッドスピードや打ち出し角とも相互に関係していますので、ゴルファー全員に共通の値は存在しません。
そして、最近のスピン量に関する研究・検証記事を見ていると、以前と異なる新たなデータが見受けられます。
そこで、現在はどういった値が最適と考えているか、ネット全体で調べてみました。様々な条件で検証しているもの、興味深い記事5件をピックアップしましたので、データを紹介しつつ、最後にスピン量の適正値についてまとめてみます。
調査1
「最適なスピン量と打ち出し角で飛距離アップ!」

ヘッドスピード43、52m/sの2パターンで、スピン量を1800~4200rpmまで600刻み、打ち出し角を6~16°まで6刻みで調査した結果が掲載されています。
高スピン量で、高打ち出し角なほど飛距離が落ちています。逆に、低スピン量なほど、打ち出し角の変化が飛距離に影響を与えやすくなっていますね。
引用 https://lesson.golfdigest.co.jp/gear/topics/article/57738/2/
最高飛距離は、ヘッドスピードに関わらず、スピン量が最も少ない1800rpm、打ち出し角が最も大きい16°の時となっています。
ヘッドスピード43m/sでは、アマチュアの現実的なスピン量と思われる3000、3600rpmでみると、打ち出し角の影響は殆どありませんが、スピン量が増えるほど、打ち出し角の最適値は下がっていきます。
スピン量が増えると揚力があがってボールが吹け上がるため、打ち出しを抑えた方が良いという一般的な考え方に合致しています。
ヘッドスピード52m/sでも概ね同じ傾向ですが、最適な打ち出し角は更に小さくなっています。これも、プロの方がロフト設定が低めである一般的な傾向と合致しています。
結論として、1800~4200rmpの範囲では、スピン量が少なければ少ない程よい、ということになります。
調査2
「打ち出し角とスピン量の関係? 改めて知っておきたい「飛びの三原則」とは? vol.02」

ドライバーの弾道は、「高打ち出し・低スピン」のボールが飛ぶとされていますが、どのくらいの数値をもって「高打ち出し」「低スピン」と呼ぶかは難しい問題です。
これまで打ち出し角12~14度、バックスピン量2200~2500回転/分くらいが最適ではないかとされてきましたが、17度/1700回転を理想とするメーカーも現れています。
出典 https://www.golfnetwork.co.jp/news/detail/16413
メーカーが出しているデータとのことで、17°、1700回転という最適値が紹介されています。
調査1の16°1800回転と近い数字となっています。
調査3
「ゴルフの飛距離とバックスピン量の関係」
かつては、ドライバーだとバックスピン量が毎分2000~2500回転で、12~15度程度の角度で打ち出すのが理想・・・などと言われていました。
ですが最新の研究では、アマチュアの平均ヘッドスピード(40m/s)なら、バックスピン量を1700~2000回転/分まで減らし、逆に打ち出し角を15~17度位まで高くする方が、ランが増えてトータルの飛距離が出るという実験結果も出ています。
引用 http://www.golf72kotu.com/buturi/spin_hikyori.html
調査4
ドライバーの飛距離を最大にするには 10°〜14° のボール打ち出し角で バックスピンを 2,200〜2,600 RPM に抑えるのが(キャロウェイによれば)望ましいそうだ。
出典 https://www.mamejiten.com/sp/golf/diary/L/124.html
こちらの情報は調査2、3の引用にある以前の最適値に近い値となっています。
調査5
「理想的なバックスピン量とは?飛距離との関係に注目!」

ドライバーショットで、もっとも効率よく飛距離が稼げる理想的なスピン量は、だいたい2500回転/分前後だと言われています。
多すぎると吹け上がってしまい飛距離が伸びません。
少なすぎると揚力(上昇する力)が得られずドロップしてしまいます。
引用 https://gridge.info/articles/3969
まとめ
調査1~3では、スピン量1800rpm、打ち出し角16°が最適値として見えてきます。調査4、5では2400rpmぐらいの数字が見えてきます。
データの出現時期が確認できませんでしたが、調査した感想としては、前者の調査1~3、つまり、「スピン量1800rpm、打ち出し角16°」が現在、最適と考えられている値ではないかと思われます。

