タイトリストのTSRシリーズから発売のTSR2ドライバーとTSR3ドライバー。
この2つのモデルの違いについて取り上げます。
目次
TSR2ドライバーとTSR3ドライバー
TSRは、TSシリーズの3代目となるモデルで、2020年後期に発売のTSiシリーズの後継モデルです。
前作のTSiシリーズは、1~4の4機種のドライバーが発売されていますが、TSRの発売開始時点では2~3の3機種のドライバーとなっています。
前作ではTSi3ドライバーがツアープロ・上級者の間でとても好評でしたが、今回のTSRでは、TSR2が本命という声が多く聞かれています。
TSR2ドライバーは寛容性・TSR3ドライバーは操作性
上図はクラウンの映像を比較したものです。
TSR2ドライバーは、奥行きが深くとられていて深重心設計になっています。形状もヒール寄りに体積が確保されていて、洋ナシや丸型というより三角形に近い形状です。
つまり、深重心により寛容性が高く、直進性の高い弾道が出やすくなっています。
一方、TSi3ドライバーは、上級者に好まれるきれいな洋ナシ型です。奥行きが浅めで、ヒール寄りもすっきりしています。
こちらはオートマチックにつかまり過ぎることなく、意図した弾道を繰りやすい操作性の高いヘッドです。
また、ソール後方の最深部の位置に着目してみると、TSR2ドライバーの方がヒール寄りになっていますので、相対的にTSR2の方がドローバイアスでつかまりが良いヘッドとなっています。
ここがポイント!
- TSR2ドライバーは深重心で寛容性が高い
- TSR3ドライバーは洋ナシ型で操作性が高い
- TSR2の方がつかまりが良い
今回のTSRの「2」は「3」に近い!
TSR2が寛容性が高く、TSR3が操作性が高いと説明しましたが、これは2モデルの相対的な評価です。
前作のTSiシリーズと比べると、絶対的な位置づけの違いが見えてきます。
上図はTSR2ドライバーと、前作に当たるTSi2ドライバーの投影を比較した映像です。
形状が全くと言って良いほど違っていて、TSi2ドライバーの方はヘッドの最深部がかなりヒール寄りになっている様子が分かると思います。
先程、TSR2とTSR3を比べたところでは、TSR2が三角、TSR3が洋ナシと表現しました。
しかし、TSR2とTSi2を比べてみると、TSR2が洋ナシ、TSi2が三角に見えます。
つまり今回のTSRシリーズでは、「2」のモデルが「3」のモデルにかなり寄せてあります。
これはつまり、TSi2よりもTSR2の方がアスリートライクになっていまして、実際、上級者でTSi3を使っていた方は、今回のTSRではTSR2を選ぶ方が少なくありません。
TSR3はディープヘッドで、低スピン性能が高い
こちらはヘッド形状の横からの映像を並べてみたものです。
どちらもそれほどシャローバックではありませんが、右のTSR3ドライバーの方がぷっくりとしていて、よりディープになっています。
ストレッチも浅く、小ぶりになっていますので、TSR3ドライバーの方が浅重心設計で、ギア効果によりバックスピンが相殺される動きが強く、低スピンの強い弾道が出やすくなっています。
吹け上がりを抑えて、ライナー性の強い弾道で飛ばしたい方、ハードヒッターの方に適しています。
なお、このタイプのドライバーは、自分の技術で球を上げられる力、そして、低いまま力強くキャリーを出し切るだけのボールスピードが必要となります。
TSR3ドライバーの性能を活かすには、ヘッドスピードが43m/s以上は欲しいところです。それ未満の方は、TSR2ドライバーから検討されることをおすすめします
また、球が上りづらい方は、TSR2ドライバーから検討されるか、TSR3ドライバーを使いたい場合、ロフトを増やすことを検討されると良いでしょう。
TSR2ドライバーはオートマチックな弾道、TSR3ドライバーは弾道のカスタマイズ性がある
TSR2ドライバーとTSR3ドライバーの違いとして、一番に挙げられるのが、移動式ウェイト調整機能の有無です。
917シリーズでは、「2」と「3」の両方のドライバーにドロー・フェードの調整機能がありましたが、TSシリーズになってからは「3」のモデルのみとなっています。
また、TSi3から5段階の移動式の機構が採用されていて、より使いやすく、調整の自由度も高くなっています。
TSR2ドライバーの方は、深重心により弾道のオートマチック性・再現性が高く、TSR3ドライバーの方は、打点に対して結果がシビアで操作性が高く、ウェイト調整による弾道のカスタマイズ性に優れています。
なお、ウェイト調整機能と言う意味では、TSR2ドライバーにもあります。
ウェイトの位置はセンター固定の為、ドロー・フェードの直接的な調整は行えませんが、ウェイトの重量をオプションで変えることができます。
重量変更により、重心位置、バランスなどが変わりますので、打ち出し高さ、寛容性、振りやすさなどを変えることができます。
ロフト角・ライ角の調整機能は、どちらにも搭載されている
ロフト角・ライ角の調整機能については、従来同様、TSRの全てのモデルに搭載されています。
タイトリストの場合、スリーブとヘッドの間に調整リングがあり、ロフト角とライ角を個別に調整することができるため、調整の自由度が高いという特徴があります。
▼調整機能の仕組み・調整方法については、下記記事にまとめてあります。
タイトリスト ドライバーのロフト角・ライ角の調整機能(Sure Fit)を徹底解説!TSi・TS・917・915・913・910・VG3など互換性は!?
TSR2ドライバーとTSR3ドライバーのスペックの違いを比較
▼クラブスペック
モデル | TSi2 | TSi3 |
---|---|---|
ロフト角 | 8、9、10、11° | 8、9、10° |
ライ角 | 58.5° | 58.5° |
ヘッド体積 | 460cc | 460cc |
クラブ長さ | 45.5インチ | 45.5インチ |
ロフト角はTSR2ドライバーの方が種類が多く、8、9、10、11°の4種類あります。
TSR3ドライバーの方は、8、9、10°の3種類です。
▼シャフトスペック
モデル | TSR2 | TSR3 |
---|---|---|
TSP111 50 | SR、S | S |
TSP310 60 | S | S |
TOUR AD DI | 5S、6S | 5S、6S |
TOUR AD IZ | 5S、6S | 5S、6S |
シャフトの種類は同じですが、選べるスペックに違いがあります。
オリジナルシャフトのTSP111 50のみ、TSR2でSRスペックがあります。
TSR2・TSR3ドライバーの打ち比べ・試打比較
ティーチングプロ、クラブフィッター、ゴルフライターの3名が、タイトリストのTSR2・TSR3・TSR4ドライバーを試打しながら、タイトリストのスタッフにフィッティングをしてもらっています。
モデルやロフト角を変えながら試打しているため、それぞれのヘッドの特徴が分かりやすい内容になっています。
TSR2・TSR3・TSR4ドライバーを、ヘッドスピード43m/sで打ち比べしています。
弾道の違いだけでなく、打感、前作との違いについても解説されていますので、TSiシリーズからの移行を考えている方にも参考になる内容です。