テーラーメイドのQi10ドライバーについて、試打・評価を取り上げます。
同シリーズでよりハードなQi10 LSドライバーとの違いについても解説します。
Qi10ドライバーとQi10 LSドライバーの違い
特徴① ウェイトの違い
▼左がQi10、右がQi10 LS
Qi10ドライバーは3機種のドライバーの中で真ん中に位置し、従来通り弾道バイアスが無いタイプのモデルです。
シリーズのスタンダードモデルと呼びたいところですが、従来であればドローモデルに位置づけられていたところにシリーズのフラッグシップモデルとなっているQi10 MAXドライバーがありますので、どちらがスタンダードかは微妙なところです。
話は戻してQi10とQi10 LSですが、ウェイトの搭載仕様には大きな違いがあります。
モデル | Qi10 | Qi10 LS |
---|---|---|
ソール前方 | -(固定式) | 18g(スライド式) |
ソール後方 | 21g(固定式) | 17g(固定式) |
Qi10 LSドライバーは、従来モデルのステルス2 PLUS、ステルスPLUSと同様にソール前方にスライダー式のウェイトが搭載されています。
このウェイトを左右に移動させることで、ドロー・フェードの弾道調整が行えますので、弾道のカスタマイズが可能となっています。
一方、Qi10ドライバーにはややヒール寄りに固定式ウェイトが搭載されていますが、スライド式ではありませんので、ドロー・フェードの調整は行えません。
後方ウェイトについては、どちらも搭載されています。Qi10の方が4g重くなっていますので、慣性モーメントを大きく持たせてあります。
高MOIの効果としては、直進性・寛容性が高くなります。
なお、Qi10 LSが上級者向けなのに対して、Qi10はど真ん中のモデルということでアベレージゴルファー向けと思われがちですが、テーラーメイドはベースがアスリート志向です。
Qi10ドライバーは、高MOIによる直進性・寛容性があるとは言え、どちらかと言えばツアープロ向けのドライバーであることは踏まえておきましょう。
特徴② ライ角は2°違う
▼濃い方がQi10、薄い方がQi10 LS
こちらはクラブを正面から見た映像を重ねたものです。濃い方がQi10、薄い方がQi10 LSです。
前々作のステルスシリーズでは3機種でライ角は同じでしたが、前作のステルス2シリーズからライ角が2°ずつフローしていて3機種の違いがより分かりやすくなっています。
- Qi10 LSドライバー:54°
- Qi10ドライバー:56°
- Qi10 MAXドライバー:58°
難しいモデル(LS)ほどフラットになっていますので、シャフトと地面の角度を同じにして構えた場合、Qi10よりもQi10 LSの方がアップライトになりますので、フェースが左を向くためつかまりが良くなります。
特徴③ Qi10の方がシャローで深低重心
▼左がQi10、右がQi10 LS
こちらはヘッドを横から見た映像を並べたものです。
左のQi10の方が薄く、後方も低く抑えられていますので、比較すると深重心・低重心になっています。
右のQi10 LSの方はヘッドに厚みがあるディープ形状で、後方も持ち上がったハイバックになっています。
▼左がQi10、右がQi10 LS
上から見たヘッド形状は、どちらも逃げ顔の洋ナシ形状ですが、右のQi10 LSの方が小ぶりでシャープになっています。
Qi10の方が直進性・寛容性に優れ、Qi10 LSの方が操作性・低スピン性能に優れています。
ちなみに弾道としては、つかまりを持たせてあるQi10ドライバーでもフェードバイアスです。
右に出やすい方が使うと、真っすぐセンターに飛ばすのに苦労すると思いますので、Qi10、Qi10 LS共に、自力でつかまえきれる方向けのドライバーです。
Qi10ドライバーの試打・評価
Qi10ドライバーをトラックマンで計測試打・評価
試打クラブは、Qi10ドライバー 9.0°・10.5°/ディアマナ BLUE TM50 Sです。
- ステルス、ステルス2と比べると、打感は弾き感・爽快感がある。金属と言われても分からない。カーボンの打感が好きだった人はびっくりすると思う。顔は上級者好みになっている。
- Qi10 MAXより操作感があって、スピンが少し抑えられる。
- ステルス2から極端に変わったところはない。少し曲がらなくなって、少しスピンが入る。
- 球は打ち出しが高くて上がりやすい。極端にロースピンで難しかったところから変わっている。弾いてる分、スピンが入る。
- 球筋のコントロールをしない人は、MAXで良い。
Qi10ドライバーの特徴をゴルフライターが解説
▼Qi10の解説(22:13)から再生
- ノーマルだが結構なフェードバイアス。つかまりが良いクラブではない。
- 低スピンで棒玉になりやすい、飛距離性能が高い。
- 洋ナシ型で適度な操作感があり、大きさも有るので安定感もあり、バランスの良いヘッド。
- 他メーカーで言うとTSR3ぐらいハードでシャープ。上級者向けの雰囲気がある。
- スライス傾向が強い人、つかまえに行くとチーピンになりやすい方は、右左に行きやすい。
- カーボンフェースでありながら打感・打音は爽快感がある。
- ヘッドスピード45~6m/sでもロフト10.5°が良さそう。
Qi10ドライバーのスペック
▼可変スリーブ(ロフト角・ライ角、ウェイト)の使い方
▼ウェイト調整機能の使い方
クラブスペック
- ロフト角:9、10.5、12°
- ライ角:56°
- ヘッド体積:460cc
- 長さ:45.5インチ
クラブ長さについては、標準のDiamana BLUE TM50以外の3本は45.25インチと0.25インチ短尺です。
シャフトスペック
<Diamana BLUE TM50>
硬さ | シャフト重量 | クラブ重量 | トルク | 調子 | バランス |
---|---|---|---|---|---|
R | 54 | 301 | 4.9 | 中 | D1.5 |
SR | 56 | 303 | 4.6 | 中 | D1.5 |
S | 58 | 307 | 4.3 | 中 | D2 |
<Tour AD VF-6>
硬さ | シャフト重量 | クラブ重量 | トルク | 調子 | バランス |
---|---|---|---|---|---|
S | 65 | 313 | 3.3 | 中元 | D3.5 |
<SPEEDER NX BLACK 60>
硬さ | シャフト重量 | クラブ重量 | トルク | 調子 | バランス |
---|---|---|---|---|---|
S | 65.5 | 311 | 3.8 | 先中 | D3 |
<Diamana WB 63>
硬さ | シャフト重量 | クラブ重量 | トルク | 調子 | バランス |
---|---|---|---|---|---|
S | 61 | 308 | 3.1 | 元 | D3 |
Qi10ドライバーの発売日・発売価格
Qi10 KSドライバーの発売日は、2024年2月2日です。発売価格は、標準シャフトのDiamana BLUE TM50で95,700円(税込)、Tour AD VF-6で108,900円(税込)、SPEEDER NX BLACK 60とDiamana WB 63で106,700円(税込)です。