グラファイトデザインから発売のツアーAD GCシャフトについて、抑えておきたい3つのポイント、試打・評価、スペック・発売情報などを詳しく取り上げます。
実質的にPTの後継とも言われていることから、PTとの違い、そして、識者の評価なども取り上げていますので、ツアーAD GCの特徴や位置付けが分かる内容となっています
ツアーAD GCの特徴
ポイント① 中調子で全体的に剛性が均一
2025年のツアーADはGCは、Game Changerという名前とは裏腹に、中調子でクセの無いシャフトです。
まず、先端~中間部に従来よりも太い芯金が導入されていて、先端剛性を高めてあります。
これだけだと先側がしっかりのシャフトとなりそうですが、中間部~手元部にはADシールドが配置されていて、シャフト全体で剛性差を少なく抑えてあります。
*出典:gd-inc.co.jp
公式サイトで公開されている剛性ゲージによると、なんと3~4の間に収まっています。恐らく、キックポイントを保つ上でギリギリの剛性差ではないかと思います。
実際、「全体がしなって感じる。キックポイントを感じにくい。」という感想が聞かれまして、剛性ゲージ(剛性差の小ささ)はそれと一致します。
ポイント② タイミングを取りやすい
全体がしなっているように感じられるということは、先や元など特定箇所が極端にしなるということがありません。
しなりポイントが先か元かのいずれかだと、切り返しのタイミングに早い・遅いにより、合う合わないがはっきりしがちです。
ツアーAD GCは、「新世代ニュートラルシャフト」と謳われており、先程の剛性ゲージの通り剛性差も少ないため、全体でしなるような感じになります。そのため、切り返しの早さ・遅さをタイトに求めてこないシャフトです。
ツアーADでは人気のあるPTと似ていると言われていて、この点からもニュートラルに近いシャフトであることが分かります。
ポイント③ ツアープロにも人気!名器の再来とも呼ばれ始めている!
ツアーADは数々のモデルがありますが、今回のツアーAD GCが注目される理由として、ツアープロからの評価が挙げられます。
9月の発売モデルですが、石川遼がドライバーだけでなくスプーンにも採用して、6月のジャパンプレーヤーズチャンピオンシップにて優勝しました。
また、上田桃子、中島啓太、比嘉一貴といった注目プロたちにも採用されています。
特に、上田桃子がPTから移行したことから、名器PTの再来とまで呼ばれ始めています。
ポイント④ コスメはホワイトで好みが分かれそう
コスメは手元側がカッパーというかシャンパンゴールドで、全体はホワイトです。
ツアープロの世界では、ホワイト系よりもブラック系のシャフトの方が引き締まっている為か好まれる傾向にあると言われています。
白と言うと、ディアマナの白(通称、白マナ)を思い浮かべる方もいると思いますが、白マナはベースカラーがブラックのため実質ブラック系です。
一時、ドライバーヘッドもホワイトが流行ったことが一瞬だけありましたが、その後は見事にブラックに回帰して落ち着いています。
ホワイトは膨張色のため、特に男性のアスリートゴルファーの中には気になってしまう方もいるかもしれませんので、是非、事前に構えてみることをオススメします。
ツアーAD GCの適合ゴルファー
ツアーAD GCは、「スイングの進化に対応した新世代ニュートラルシャフト」として発売されています。
具体的な表現で説明すると、「近年増えている高慣性モーメントのウッド向けのスイングに対応した、弾道バイアスの無いシャフト」ということになろうかと思います。
適合ロゴルファーとしては、主に以下のような方となります。
- 元調子、先調子ではタイミングが合わせづらい方
- 先が走り過ぎるより、動かずしっかり捉えてくれる方が良い方
- しなりよりも棒のような方が扱いやすい方
なお、似ているとされるツアーAD PTは50~80の重量クラスで展開されていますが、ツアーAD GCは40~70gとなっています。
なお、PTと比べるとトルクは小さめ(捩れにくい)、先端が硬め、やや重量があるシャフトとなりますので、この点も考慮に入れて選ばれると良いでしょう。
ツアーAD GCの試打・解説
ツアーAD GCの全重量クラスをプロが試打・評価
- PTの後継のよう。PTに近い。DI、VFでつかまらない人が、つかまりを感じられる。
- スピンが入って安定系。叩きに行っても、それほど左に行かない。
- 急に走るとか粘るとかがない。良い意味で強い癖がなく、タイミングが取りやすい。
- 当たり負けず、つかまる。大型ヘッドで重心距離が深いヘッドでも、先端が負けず支えてくれる。
- 全体的に滑らかに動くけど、頼りなさはない。潰れない感じ。
クラブフィッターがスピーダーNX VIOLETを試打して評価・解説
- 先端から中間部の内側を太くして、先端部の剛性を挙げている。結果、シャフトの変形が抑えられる。
- 振った感じ、どこがしなってるのか分からないぐらい棒に近い。中調子というより棒な感じ。新感覚のシャフト。
- 手元側と先端の剛性差をなくして一体感を持たせてあり、振動数を挙げている。一般的なものより半フレックス硬い。
- 重め・高慣性モーメントのヘッドに対応。DI、TPは10年以上前に発売されていて、超ロングセラーのシャフトだが、ヘッドの特性は変わってきているので、それに合わせたという意味でGCは新世代のシャフト。
- ヘッドスピードが速い人(46m/s~)が恩恵を受けれそう。
ツアーAD GCのゴルフ識者の評価
GEOTECH ゴルフおじさんの評価
引用:ゴルフおじさん
- ワッグルした時に感じていた「硬さ」から直結するような「棒の様な硬さ」から来るスピード感ではなく、しなりを感じながらも感じる、「走り」と表現すると少し違うような「スピード感」を感じます。表現が難しいのですが、しなったシャフトが直線(元に)に戻ろうとする力強い復元力のような感じです。
- スピード感を持ちながらもクセのなさ(素直さ)からくる、操作性が高い(プレーンに乗せやすい、フェースコントロールがしやすい)ので、とてもミートしやすく、打ち出し方向の打ちわけがしやすいのが特徴だと思います。
ツアープロの評価
- (上田桃子)振りやすいし、しなりすぎないので曲がらない。サイドスピンが減った感じで曲がりを気にせずに振れる。
- (金田久美子)思い切り振らなくてもヘッドスピードが出るし、球がブレない。振りやすいし、飛距離が伸びた気がする。
- (石川遼)クセのないシャフトが好きなので、ずっと『TOUR AD PT』や『TOUR AD TP』を使ってきました。ヘッドの動きが少なくて暴れにくく、ブレずに収まる。ドローが打ちやすいし、フェードも今までよりも飛んでいる。クセがないので、アマチュアでも合う人が多いシャフトだと思います。
ツアーAD GCのスペック
モデル | 硬さ | 重量 | トルク | Tip径 | Butt径 | 調子 |
---|---|---|---|---|---|---|
GC-4 | R2 | 47 | 5.5 | 8.5 | 15.3 | 中 |
〃 | R1 | 49 | 5.5 | 8.5 | 15.35 | 中 |
〃 | S | 49 | 5.5 | 8.5 | 15.4 | 中 |
GC-5 | R2 | 54 | 4.5 | 8.5 | 15.3 | 中 |
〃 | R1 | 55 | 4.5 | 8.5 | 15.35 | 中 |
〃 | S | 56 | 4.5 | 8.5 | 15.35 | 中 |
〃 | X | 59 | 4.4 | 8.5 | 15.45 | 中 |
GC-6 | SR | 64 | 3.1 | 8.5 | 15.25 | 中 |
〃 | S | 65 | 3.1 | 8.5 | 15.3 | 中 |
〃 | X | 67 | 3.1 | 8.5 | 15.35 | 中 |
〃 | TX | 70 | 3.1 | 8.5 | 15.4 | 中 |
GC-7 | S | 73 | 2.7 | 8.5 | 15.25 | 中 |
〃 | X | 74 | 2.7 | 8.5 | 15.3 | 中 |
〃 | TX | 76 | 2.7 | 8.5 | 15.35 | 中 |
ツアーADは、SPEEDER EVOLUTIONの後継で、先端が走って仕事をしてくれる文字通りスピードが出る走り系のシャフトです。
3作目のBLACKのみ先中調子ですが、1作目のBLUE、2作目のGREEN、そして、4作目のVIOLETは中調子です。
BLUEと比べると、積層が1層増えているためか、シャフト重量は2.5~4.5g増しています。
ツアーAD GCの発売日・発売価格
ツアーAD GCの発売日は、2024年9月6日です。
発売価格は税込み46,200円(税抜き42,000円)となっています。前年のVF、前々年のCQと価格は変わりません。