テーラーメイドのドライバーは、多くのモデルで可変スリーブが搭載されていてます。
可変スリーブはモデル間で互換性があると、別のヘッドに刺して使うことができますので、シャフトが使い回せるという大きなメリットがあります。
本記事では、テーラーメイドの可変スリーブの互換性について取り上げます。
目次
可変スリーブとは?
スリーブとは、シャフトの先端装着されたパーツで、ヘッドとシャフトを繋ぐ働きがあります。
ヘッドのソール側から専用レンチを使って脱着することができ、可変スリーブと呼ばれているものは、スリーブを挿し込む向きを変えることで、ロフト角・ライ角を変更することができます。
ロフト角・ライ角の調整機能は、これ以外の仕組みもありますが、可変スリーブを採用しているメーカーが多いため、可変スリーブにより実現される調整機能そのもののことを「可変スリーブ」と呼ぶ場合もあります。
可変スリーブがもらたすメリット・デメリット
テーラーメイドのドライバーは、調整機能が出始めてから、全てのモデルに可変スリーブが搭載されているわけではありません。例えば、2018年後期に発売のMグローレドライバーには搭載されていません。
可変スリーブが搭載されているドライバーには、メリットとデメリットがあります。
メリット①:ロフト角・ライ角を調整できる
可変スリーブの搭載目的は、ロフト角・ライ角をアジャスタブルにすることです。スリーブの仕様により異なりますが、8通り、12通りなど、予め定められた設定値に変更し、自分の求める弾道にカスタマイズすることができます。
メリット②:互換性があれば、シャフトを使い回せる
可変スリーブに互換性がある場合、シャフトを別のヘッドに挿すことができます。
これまではクラブの買い替えと共にヘッドとシャフトがセットで無用物になっていた方もいると思いますが、スリーブに互換性があれば、シャフトだけ取り外して取っておいて、新たなヘッドに刺して使うことができます。
デメリット①:ネックがすっきりしていない
可変スリーブはネック部分のギミックなため、どうしてもボリューム感が出てしまいます。
以前のゴルフクラブに慣れていて、ネック部分はペンシルネックと呼ばれるすっきりとしたタイプに馴染みが有る方は、可変スリーブが搭載されていることで、違和感を感じてしまう方もいます。
この辺りは感覚的なものになりますので、気にならない方であれば、デメリットにはなりません。
デメリット②:クラブ長さが変わる
可変スリーブを挿し込むヘッド側の形状の違いにより、同じシャフトを挿したとしても、クラブ全体の長さが同じにならない場合があります。
フェース高・ネック部分の長さはモデルにより違いがありますので、同じシャフトを挿しても、グリップからヒールまでの実質的なクラブの長さは変わってきます。
デメリット③:重量配分の自由度は下がっている
ゴルフクラブの設計は、如何に軽量化を進め、余剰重量を効果的に配分するかが最重要なポイントの一つです。
可変スリーブはネック部分にある程度の重量が集中するため、ヘッドに最適な重量配分をする際の足かせになっています。
可変スリーブを搭載したことで、別の箇所を無理に軽量化していたり、諦めて重量増になっていたり、シャフトがソフトなものにあっていたり等、何らかのしわ寄せがあるはずです。
この辺りの事情は、明文化・数値化される類のものではありませんが、有りと無しではクラブの性能に大きな違いが生じます。
テーラーメイドの可変スリーブは2種類ある
さて、テーラーメイドの可変スリーブに話を戻しましょう。テーラーメイドで初めて可変スリーブが搭載されたのは、(間違っていたらすいませんがご指摘ください)。
そして、当記事執筆時点では、スリーブは大きく2種類に分かれると言われています。
FTCスリーブ(初期のもの)
調整機能は、2009年のR9ドライバーで搭載されたのが恐らく初めて。
設定数は8ポジションで、8通りの角度調整が可能。
12ポジションスリーブ(現在のもの)
主に2013年のR1以降のドライバーに搭載されている機構。
以前のものはスリーブに名前があったが、R15以降のものには正式な名称はない模様。設定数は12ポジションに増加し、12通りの角度調整が可能。
テーラーメイドのスリーブの互換性は、公式にはNGのようだが、実状は・・・!?
テーラーメイドのスリーブの互換性については、メーカーに問い合わせをすると、「互換性はない」という趣旨の回答が返ってきます。
- 商品間に互換性はなく、装着は不可能。
- 万が一、装着できたとしても、正規品として取り扱えないため保障対象外。
以前は、互換性について寛容な回答をされる担当者もいたようですが、現在は認めていないという立場のようです。
とは言え、例えば「Mシリーズ」の可変スリーブは実際に互換で使っている方も多くいるのが現実です。また、この後でも紹介しますが、大手のゴルフメディア等やゴルフショップでも、互換できるという前提で話をされているところが多いので、一般の方も互換性があると認識されているケースが大半を占めるかと思います。
ということで、公式には互換性が無いとされていて、公式サイトでも互換表のようなものはありませんが、実状を踏まえて、互換の実例を調査した結果を以下にまとめます。
FTCスリーブ(初期のもの)の互換性
FTCスリーブについては、以下のモデルで互換があるという一般情報がありました。
- GLOIREシリーズ
- RBZシリーズ(ステージ2より前)
- R11シリーズ
- R9シリーズ
12ポジションスリーブ(現在のもの)の互換性
12ポジションスリーブについては、以下のモデルで互換があるという一般情報がありました。
-
- ステルス2シリーズ(ステルス2PLUS、ステルス2、ステルス2HD)
- ステルスグローレシリーズ(ステルスグローレPLUS)
- ステルスシリーズ(ステルスPLUS、ステルス、ステルスHD)
- SIM2シリーズ(SIM2、SIM2 MAX、SIM2 MAX-D)
- SIMシリーズ(SIM、SIM MAX、SIM MAX-D)
- Mシリーズ(M1、M2、M3、M4、M5、M6)
- グローレ Fシリーズ
- R15シリーズ
- SLDRシリーズ
- RBZシリーズ(ステージ2以降)
- R1シリーズ
参考にした情報
互換性に関する情報を整理するにあたって、参考にさせて頂いた情報です。
繰り返しますが、メーカーは互換を認めていませんので、以下のサイトに掲載されている情報は、あくまで参考情報であて、互換を行う場合は自己責任となります。
RBZシリーズ、GLOIREシリーズ、R11シリーズ、R9シリーズで旧型互換です。
引用:mycaddie.jp
テーラーメイド M1なので、R1のスリーブと互換性はあります。全く同じスリーブではないですが、問題なく装着できるのでこれに決めました。
引用:w-ing.co.jp
『テーラーメイド R1 ドライバー』以降の可変スリーブ採用ドライバーとの互換性もあるので、『SLDR ドライバー』『R15 460 ドライバー』『R15 430 ドライバー』など使っている人は気に入っているシャフトがそのまま使える。(初代グローレなど、それ以前のモデルと互換性はない)。
12ポジション同士はアディダスが買収後のアダムスを含め全て装着は可能(自分で実際に使っています)です。
しかし、R1やSLDRのスリーブは角度調整の範囲が異なり、M2に使うと破損の危険があると言われていて、メーカーでは推奨していないです。
引用:mycaddie.jp
R1 2012年以降のドライバー SLDR R15 M1などは互換性あります。
逆に言うと、R9 R11 R11s 初代RBZは互換性がありません。引用:yahoo.co.jp
M3もGLORE FもGLORE F2も使っていてシャフトを入れ替えて使っています。
引用:yahoo.co.jp
FCTですが、初代RBZ、R11Sまでは共通で装着可能でしたが、RBZ 2nd Stage、R1以降は異なるFCTになっていますので装着不可です。
引用:yahoo.co.jp
まず大きな注意点は、2013年モデルの「R1」と「ロケットボールズ(※以下RBZ) ステージ2」からスリーブの形状が変わり、今までのカートリッジと互換性が無くなったことだ。
昨日のラウンドには、自分のグローレFも持参いたしました!d( ̄  ̄) 何故なら!M2ドライバーのスリーブと互換性があるからであります!
引用:ameblo.jp
SIMのヘッドに、M5についているシャフトをつけてみましたが問題なく装着できました。また、試打しても問題はありません。スリーブを見比べましたが、見た目は同じでした。
引用:navinavi.org
SIMとSIM2のスリーブは互換性あり。
引用:twitter.com
「ステルス」シリーズのスリーブは「SIM」「SIM2」とも互換性があるのでシャフトはそのまま装着できる
引用:GDO
可変スリーブ・可変スリーブ付きシャフト
まとめ
テーラーメイドの可変スリーブの互換性について、調査した結果をまとめました。記事中でも触れましたが、メーカー公式には互換を認めていませんので、互換を行う場合は自己責任となります。
可変スリーブによるロフト角調整機能を詳しく解説