キャロウェイの2021年モデル、「EPIC SPEEDドライバー」、「EPIC MAXドライバー」、「EPIC MAX LSドライバー」について、遂に公式情報が発表となりました。
新たな3種のドライバーについて、特徴・スペック・発売日・発売価格など、最新情報を取り上げます。
目次
キャロウェイの2021年モデルは「EPIC SPEED」「EPIC MAX」「EPIC MAX LS」の3種類
2021年のニューモデルは、3種類のEPICがリリースとなっています。
左からEPIC SPEEDドライバー、EPIC MAXドライバー、EPIC MAX LSドライバーです。
R&Aのルール適合リストには11種類のヘッドが掲載されていますが、キャロウェイの掲載数が多いのは毎年のことで、市販モデルは当初予想の通り上記の3種類となりました。
▼各モデルの概要と特徴比較
モデル | EPIC SPEED | EPIC MAX | EPIC MAX LS |
---|---|---|---|
ヘッド体積 | 460cc | 460cc | 460cc |
ロフト角 | 9、10.5 | 9、10.5、12 | 9、10.5 |
ウェイト | 後方に固定ウェイト | 後方に移動式ウェイト | 後方に移動式ウェイト |
打ち出し | 中 | 高 | 低 |
スピン量 | 中 | 中 | 低 |
弾道 | ややドロー | ドロー | ニュートラル |
寛容性 | 高い | 最高 | より高い |
現行のMAVRIKと位置付けを紐づけてみると、以下のようになるのではないかと思います。ウェイトによるドロー・フェードの調整機能はEPIC MAXのみとなっていますが、GBB EPICの時もアベレージ向けのみにペリメーター・ウェイティングが搭載されていましたので符合します。
- MAVRIKドライバー → EPIC SPEEDドライバー
- MARVIK MAXドライバー → EPIC MAXドライバー
- MAVRIK SUBZEROドライバー → EPIC MAX LSドライバー
ちなみに、適合リストに掲載されたモデルは、左利きを除くと以下の6種です。
- Epic Max
- Epic Max LS
- Epic Speed (Version 1)
- Epic Speed (Version 2)◆◆◆
- Epic Speed DS◆◆◆
- Epic Speed LS◆◆◆
ダイヤモンド(◆)が付いたものはプロモデルの可能性が高く、特に石川遼が使うモデルについては、後々、数量限定での発売の可能性があると思います。
EPIC SPEED、EPIC MAX、EPIC MAX LSドライバーの共通のテクノロジー
3つのモデルの特徴やスペックを紹介する前に、全モデルに搭載されている共通のテクノロジーについて取り上げます。
ニュー・ジェイルブレイク AIスピードフレーム
キャロウェイの2021年の目玉とも言いうべきテクノロジーが、大きく進化したジェイルブレイクです。
今回は、ジェイルブレイクもAIによる設計が行われていまして、従来の2本の柱から横の構造も加わったフレーム(枠)型になっています。
これにより、垂直方向だけでなく水平方向とねじれ方向の安定性も加わり、よりボールスピードがアップします。
AIデザイン フラッシュフェース SS21
2021年のドライバーにも、AIにより設計されたフラッシュフェース SS21が採用されています。
先程のジェイルブレイクのところでも触れましたが、今回はジェイルブレイクもAIデザインの対象に含まれ、最適設計されています。
カーボン素材による軽量化
キャロウェイ独自のトライアキシャルカーボンが、クラウンとソール側のかなりのエリアに採用されています。
チタンと比較して、13~19gもの軽量化が実現されています。余剰重量は各モデルの特徴に合わせて、最適配分されています。
EPIC SPEED、EPIC MAX、EPIC MAX LSドライバーの違い
2021年のEPICは、前年と同じ3種類に分かれていて、ネーミングに違いがあるものの位置づけ・住み分けはほぼ同じです。
MAX LSは低スピン、SPEEDは速さ、MAXはつかまりとやさしさ
今回のシリーズは、MAX LS(ロースピン)という相反するようなキーワードが合わせられたモデルも有り、混乱する方もいると思います。
3つのドライバーの特徴をハードな順に簡潔にまとめると、以下のようになります。
モデル | EPIC MAX LS | EPIC SPEED | EPIC MAX |
---|---|---|---|
特徴 | 低スピン・強弾道。 思い切り叩ける。 |
スピードに特化。 ノーマルタイプ。 |
つかまり・寛容性。 |
適合タイプ | アスリート~セミアスリート。 ヘッドスピードが速い。 吹け上がりを抑えたい。 |
アスリート~アベレージ。 弾道にクセが少ない。 |
アベレージ。 スライサー。 球が上りにくい。 |
対象ゴルファーを大まかに分けますと、思い切り叩いて低スピンの強弾道で飛ばしたい方はEPIC MAX LSドライバー、スライスを抑えて高弾道で飛ばしたい方はEPIC MAXドライバー、弾道のクセが少なく直進性と寛容性が欲しい方はEPIC SPEEDドライバーとなります。
ドロー・フェードを調整できるのは、EPIC MAX・EPIC MAX LS
キャロウェイのドライバーは、ソール後方に搭載されるペリメーター・ウェイトと呼ばれるウェイト調整機能が有ります。
これが搭載されているのは、EPIC MAXとEPIC MAX LSの2機種です。
EPIC SPEEDドライバーには搭載されていませんので、ドロー・フェードの調整を行いたいという方は、必然的に選択肢がEPIC MAXとEPIC MAX LSのいずれかとなります。
なお、ロフト角・ライ角の調整機能は3機種全てに搭載されています。
思い切り叩きたい方は、EPIC MAX LSドライバー
今回のシリーズで低スピン・強弾道のモデルは、EPIC MAX LSドライバーです。
「MAX」だけど「LS(低スピン)」という違和感を覚える方が少なくなさそうな名前ですが、低スピンなのに慣性モーメントもしっかりあるという表現がしっくりくると思います。
実際、PINGのG425 LSTや、テーラーメイドのSIM2ドライバーなど他メーカーの低スピンモデルでも高慣性モーメントを謳っていますので、今はあらゆるドライバーで慣性モーメントを上げていく流れにあるようです。
ちなみに、MAXというと、つかまり・高弾道をイメージする方も多いかと思いますが、EPIC MAX LSドライバーは、つかまりも弾道も抑えられていますので、思い切り叩けます。
軽いクラブを使いたいなら、EPIC MAXドライバー
モデル | EPIC MAX LS | EPIC SPEED | EPIC MAX |
---|---|---|---|
クラブ重量 | 301g | 300g | 288g |
標準シャフトを装着したクラブ重量は、EPIC MAX LSとEPIC SPEEDはほぼ同じで、SRスペックで300gぐらいです。
EPIC MAX LSのみ、シャフトが軽量なことも寄与し、クラブ重量は12~14g軽くなっています。
標準シャフトのSRスペックで288gですので、標準的なドライバーよりもやや軽めです。
高弾道で飛ばしたい方は、EPIC MAXドライバー
モデル | EPIC MAX LS | EPIC SPEED | EPIC MAX |
---|---|---|---|
9.0° | ○ | ○ | ○ |
10.5° | ○ | ○ | ○ |
12.0° | - | - | ○ |
ロフト角のラインナップは、3機種全てで9.0°、10.5°がありますが、12.0°のスペックは、EPIC MAXドライバーのみとなります。
ヘッドの特徴としても、最も高い打ち出しが出るのはEPIC MAXドライバーですので、球が上らずに悩んでいる方は、EPIC MAXドライバーがおすすめです。
弾道がそれやすい方は、ロフト角を付けるとバックスピン量が増えますので、サイドスピンが相殺されて曲がりにくいというメリットもあります。
なお、3機種共にロフト角・ライ角の調整機能は搭載されていますので、調整により最大で+2°までロフト角を上げることもできます。
キャロウェイのロフト角・ライ角の調整機能(アジャスタブル・ホーゼル)を徹底解説!MAVRIK・EPIC FLSH・ROGUE・GBBなど互換性は!?
EPIC SPEEDドライバー
こちらがスタンダードモデルと思われるEPIC SPEEDドライバーです。MAVRIKでもAIを駆使してスピードに拘っていましたが、今回は名前にSPEEDが入りました。
サイクロンエアロシェイプを引き続き採用
EPIC SPEEDドライバーには、MAVRIKと同様にサイクロン・エアロ・シェイプが採用されています。
独特なハイバック形状で、空気抵抗が抑えられ、ヘッドスピードが向上します。
ちなみにEPIC MAX、EPIC MAX LSドライバーは、サイクロン・エアロ・シェイプは採用されていませんので、最もスピードを重視したモデルがEPIC SPEEDドライバーということになります。
中弾道・中スピン、ややドローバイアス
空力が採用されているため、クラウンはフラットになっています。
ハイバックではありますが、スピン性能は3つのモデルで中間的で、打ち出しも中間の中弾道です。ヘッドの奥行きが浅めで、操作性が高い点も特徴です。
弾道は、EPIC MAXがドロー、EPIC MAX LSがニュートラルなのに対して、EPIC SPEEDは、ややドローとなっていますので、こちらも中間的な設定です。
高打ち出し・ドロー、低スピン・低弾道といった特徴を求めず、癖のないドライバーを求める方は、こちらのEPIC SPEEDドライバーから検討されると良いと思います。
EPIC SPEEDドライバーのスペック
- ロフト角:9/10.5°
- ライ角:58°
- ヘッド体積:460cc
- クラブ長さ:45.75インチ
- 標準シャフト:Diamana 50 for Callaway
- クラブ重量:約300g(SR)
- ウェイト:ソール後方のスクリューウェイト約2g
EPIC MAX SPEEDドライバーの公式動画
USキャロウェイから公開されている動画です。ヘッド全体が360°ビューで紹介されていて特徴が分かります。
EPIC MAXドライバー
こちらはEPIC MAXドライバーです。深重心で慣性モーメントが大きく、寛容性を高めたドライバーです。
ちなみにヘッドサイズは3つのモデル全て460ccのため、MAXだけヘッド体積が大きいというわけではありません。
以前は「MAX=ヘッド体積が大きい」ことを表していましたが、最近は、「MAX=慣性モーメントが大きい」という意味合いで使われているようです。
高打ち出し・大慣性モーメント・ドローバイアス
EPIC MAXドライバーのヘッドは、カーボン素材の活用により、3つのモデルの中で最も軽量化が図られています。
19gの余剰重量は最適配分され、深重心、ドローバイアスとなっていて、打ち出しも高く設定されています。
スライスが出やすい方、球を高く上げたい方、弾道のばらつきが大きい方は、こちらのEPIC MAXドライバーから検討されると良いと思います。
ドロー・フェードの弾道調整機能を搭載
EPIC SPEEDはソール後方に固定ウェイトが搭載されていますが、EPIC MAXドライバーはペリメーター・ウェイティングと呼ばれるスライダー式のウェイト調整機能が搭載されています。
ウェイトの位置を左右に移動させることで、ドロー・フェードの弾道調整が行えますので、より自分にあった重心調整が可能となっています。
EPIC MAXドライバーのスペック
- ロフト角:9/10.5/12°
- ライ角:59°
- ヘッド体積:460cc
- クラブ長さ:45.75インチ
- 標準シャフト:Diamana 40 for Callaway
- クラブ重量:約288g(SR)
- ウェイト:ペリメーター・ウェイト約12g
EPIC MAXドライバーの公式動画
USキャロウェイから公開されている動画です。ヘッド全体が360°ビューで紹介されていて特徴が分かります。
EPIC MAX LSドライバー
低スピンタイプのEPIC MAX LSドライバーです。今回の2021年のEPICでは、キャロウェイではお馴染みだったサブゼロというタイプがありません。
低ハンディキャップ、低スピン・低弾道を求めるハードヒッターの方に向いているドライバーです。
洋ナシ形状で操作性が高い
ヘッド体積はしっかり460ccあり、慣性モーメントを確保していますが、ヘッド形状はヒール寄りがすっきりしています。
上級者に好まれる洋ナシ型となっていて、弾道の操作性を求める方に適しています。
低スピン・低弾道
弾道の特徴としては、低スピン・低打ち出しとなっています。そして、3つのモデルの中で、最もフェード対応となっています。
ヘッドスピードが速いゴルファーが、左を恐れずに思い切り叩きにいけるドライバーです。
球を上げたい人向けではなく、ヘッドスピードが速い人向けのため、ロフト角は9°と10.5°の2種類となっています。
EPIC MAX LSドライバーのスペック
- ロフト角:9/10.5°
- ライ角:57°
- ヘッド体積:460cc
- クラブ長さ:45.75インチ
- 標準シャフト:TENSEI 55 for Callaway
- クラブ重量:約301g(SR)
- ウェイト: ペリメーター・ウェイト約9g
EPIC MAX LSドライバーの公式動画
USキャロウェイから公開されている動画です。ヘッド全体が360°ビューで紹介されていて特徴が分かります。
動画のタイトルから分かる通り、EPIC MAX LSドライバーは、中~低ハンディキャップ向けのモデルということになります。
EPIC SPEED、EPIC MAX、EPIC MAX LSドライバーの発売日・発売価格
EPIC SPEED、EPIC MAX、EPIC MAX LSドライバーの発売日は、2021年2月19日(金)です。
発売価格は、標準シャフトで77,000円+税、カスタムシャフトで94,000円+税です。
▼EPIC 2021シリーズのドライバー・フェアウェイウッドの全モデルの価格については、下記記事にまとめてありますのでリンクを載せておきます。
≫ EPIC 2021シリーズのドライバー・フェアウェイウッドの発売日と発売価格
石川遼はEPIC MAX LSドライバーを使用
2021年のEPICは、既にツアープロによる使用がスタートしています。
キャロウェイと契約する石川遼も、MAVRIKから2021年のEPICに移行を進めていて、ソニーオープンにて実践投入しています。
石川遼は、EPIC MAX LSドライバーを使用しています。
EPIC 21の試打・評価の動画
▼EPIC 21の3機種を試打・比較
マーク金井氏が、EPIC 21と前年のMAVRIKを試打比較されています。
▼EPIC 21とSIM2を試打比較
中村修プロにより、SIM2とEPICを打ち比べされています。
▼EPIC 21の公式動画
石川遼がEPICの2019年と2021年モデルを打ち比べした試打評価の動画です。
河本結・上田桃子・石川遼、重永亜斗夢が試打している動画です。
新構造のフレーム状のJAILBREAKの実物も映し出されていて、ヘッドの内部構造が分かります。
まとめ
キャロウェイの2021年のニュードライバー「EPIC MAXドライバー」、「EPIC MAX LSドライバー」、「EPIC SPEEDドライバー」について取り上げました。
今回はサブゼロがなく、一瞬、MAVRIKとの紐づけ関係が見えにくい感じもありますが、低スピンモデルがEPIC MAX LSドライバーとなります。